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お金の使い方を、受け継ぐ

うちの母は、昔はいつも

「お金がない」的なことを言っていた。


「お金がない」と言いたかった理由としては

同居してた祖母が、

「お寺さんの雨どい直すから一口30万円出して」

とか

「おじいちゃんの23回忌は京都の知恩院さんでやる」

とか

無茶振りしてたからもあると思う。



祖母の無茶振りは

だいぶ大人になってから聞いたことなので

子どもの頃は

「うちは、お金がないんだ・・・」と

思ってた。



実際

私が5年生のとき、冬服が1着しかなくて

同じトレーナーを毎日着てたので

ちょっといじめられかけた。

っていうか

陰口は叩かれてた。



この時期に限らず、

たぶん他のことにお金が使われてしまうので

なんとなくいつも

「着る服がない状態なぁ」

と思って暮らしていた気がする。



社会人になってから

お金に対して向き合わなきゃいけなくなった時

「お金がない」と言うフレーズのせいで

お金に対してずいぶんマイナスイメージが

刷り込まれているんだな

ということがわかった。



なので、息子にはそんな余計なイメージは

持ってほしくないので

「お金がないから〇〇はできない」というフレーズは

我が家では禁句にしている。



ただ、親のお金の使い方で

面白いし受け継ぎたいなと思っていることが

「経験に投資する」

「お金は自分だけのために使わない」

ということ。



「経験に投資する」


私が10代の頃母が、

「その年、その場でしか経験できないことがある。

それは、後では代わりが効かない。

だから、経験には借金してでも出してあげるから

やりたいことあったら言いなさい」

と言ってくれて、

実際、短期留学もさせてくれたし

美大にも行かせてくれた。


それが、どんな職業に繋がるのかとか

なんのためにやるのかとか

あんまり聞かれなくて

(美大を選んだ時は父親に就職のこと心配されたけど)

言葉通り私の経験に投資してくれた。



「お金は、自分のためだけに使わない」


うちは年末になると近所でお餅つきをしている。

農家でもないのに今時そんなご近所付き合い

すごく珍しいので、

毎年結構人が集まってた。


餅つきって杵と臼でやるんだけど、

その前に餅米を蒸さなくちゃいけない。

コレまた近所の大工さんに

端材をもらってきて

ちゃんと火を起こして蒸す。


その、餅米を蒸すためのスペースが

実家の駐車場。

実家の駐車場は最初はちゃんと舗装されていたのに

なんと、その年に一回の

お餅つきのために

コンクリートを剥がしたのだ。


なんで火を起こすスペースが

舗装されてちゃいけないのか

よくわからないけど、

とにかく

「お金を払って舗装した場所を

年に一回の餅つきのために

またお金を払って

土に戻した」

という事実が私には衝撃で。



何やってんの?お母さん、と。

こういうの

酔狂っていうのかな

って。



「お金って、こうやって使うものよ」と

母が言った(ような気がする)のが

かっこいいっていうか

なんて言うか・・・

やっぱ

かっこよかった。



まあそんなことするなら

子どもに服買ってやれよって

いう人もいると思うけど。



この話は私が

小学生の頃のことなんだけど、

印象的だったから結構いろんな人に話してて

当然息子にも

「おばあちゃんってすごいんだよ。

お餅つきのために

わざわざ駐車場のコンクリ剥がしたんだよ。

みんなが楽しめればいいねって。

お金って、そうやって使うんだなって

ママは子どもながらに思ったね」

と聞かせてたら

なんと、息子も同じように

「自分のためだけにお金を使わない」を

実行したから

書き留めておきたくなったのだ。



息子は何をしたかっていうと

「おじいちゃんとおばあちゃんに

もらったお小遣いで

親友と一緒に遊べる

お揃いの水鉄砲を買った」

のだ。



息子はスプラトューンが大好きで、

今年の夏は

スプラトューンモデルの水鉄砲を買うのを

楽しみにしていた。

もらったお小遣いは3000円。

スプラトューンモデルの水鉄砲がギリギリ買えるくらい。



AEONの水鉄砲売り場で

ものすごく悩んでいるから

どうしたんだろうと思っていたら

「同じのが2個欲しい」

と言う。



自分が欲しいものではなく、

同じものを2つ買って、対等のパワーで

親友と戦いたいとのこと。


ふむふむ。

面白いね、と、1時間近く悩んでようやく決まったんだけど

その後、


「オレ、

おばあちゃんのお金の使い方

真似したんだよ。

こうすれば、

コースケと、遊べるでしょ?」



びっくりした。

まだわからないかなと思って

話してたおばあちゃんの

お金の使い方の話が

ちゃんと伝わってて。



相変わらず

うちは被服にはお金を使わず

メルカリやセカストの常連だけど

「経験に投資する」

「自分のためだけにお金を使わない」

は、

大事にしていきたいなあと思う。


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追記

服にもお金かけられるくらい、稼げればいいんじゃないの?と

これを書いて

初めて気がつく(笑


おしゃれに興味がないわけじゃないのに

出費を惜しんじゃうのは

優先順位が低いからだけど

優先順位のしたの方まで

資金が行き届くといいよね。

ふふふ。

自分を誤魔化してたわ。


























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