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ジェンダーについての講座を受けた後の、私のささやかな変化

最近、LGBTQについて

いろんなところで聞くようになった。

私も、息子のために性教育を学ぼうと思って

動き出した時、

その延長線上でトランスジェンダーの鶴岡そらやすさんという方に

出会い、鶴岡さんがやっている講座を受けてみた。



最初に印象的だったのは「性は、揺らぐ」ということ。

そしてそれは、人によっても揺らいでいるし

日によっても揺らぐ、ということ。



物差しをイメージして聞いてほしい。

男性と女性を両極端に位置させるとしたら

自分の体はどの位置にある?

自分の性自認はどこら辺?

恋愛対象は?

後もう一つ、何か基準があった気がするけど

何年も前で忘れてしまった。



とにかく、ひとつひとつ、自分でその

性別メーターのようなものにチェックしていくと、

不思議と私は「全部女!」にはならなかった。



性自認ってなんだろう?

女性らしい体ってなんだろう?

恋愛対象だって、女の子に見惚れて、触ってみたいと思うことは

あったな・・・などと考えていると

訳がわからなくなった。



自分は今まで、「女」だと思わされていたような

社会的に押し付けられた「女」を演じていたような

錯覚の中で生きていたような気すらした。



その場にいた5、6人の受講生も

同じように「ぜんぶ男」「ぜんぶ女」みたいにならなくて

みんな考え込んでいた。



性の境界線って、こんなにも曖昧なのか・・・。



その後、NHKスペシャルで

産婦人科医だったか小児科医だったかの先生が

「生まれてくる赤ちゃんでも、性器の形がさまざまで、

2週間以内に出生届を出さなきゃいけないから

どっちか判断しなきゃいけないんだけど

実はよくわからない子もいる」と言ってて驚いた。


さらにさらに、

鶴岡さんの話だと

「体は女でもトランスジェンダーだったから

せめて男でも女でもつけられる名前にしてほしかった」

と言っていて、

自分が息子につけた名前が明らかに男性名だったから

ヒヤッとした。



男でも女でもどちらでもいい名前って

アキラとか?

マオとか?

そんなこと、考えたこともなさすぎて、

今後息子がトランスジェンダーだとわかったら

ひとつ悩み事を増やしてしまうんだと思って

申し訳ない気持ちにもなった。



そういえばうちの両親は

男でも女でもこの名前にしようと決めて

私の名前を考えたと言っていた。

思慮深いな。



その話を子どもの頃から聞いていたのに

自分が子どもを産むときに

そのエピソードをまったく思い出さずに

決めてしまったのが悔やまれる。



とはいえ、息子の名前もいい名前で

気に入ってはいるんだけど。

問題は、そこじゃないので。



連続講座の1日目を終えて

今まで考えたこともなかった数々の事実をインストールして

ボーッとなった頭で本屋さんに行った。



その頃、息子と同じクラスの女の子が入院していて

クラス費でお見舞いに絵本を送ろうということになっていて

私は役員だったので代表して買いに行ったのだ。



パムとケロの絵本をレジに持って行ったとき

「贈り物なので包装して下さい」と言ったら

「包装紙はどちらにしますか?」と聞かれた。



選べる色は、赤と紺。



瞬時に

「今までだったら、何も考えず

女の子だから赤って言ってたけど・・・

ミカちゃんは、キリッとしててかっこいい感じだから

紺が似合いそう」と思い

「紺色でお願いします」

と言えた。



とてもとてもささやかな変化だったけど、

この心の動きは自分で大切にしている。


何しろ、今まで考えたこともなかったジェンダーについて学んで

すぐその後に、「性別ではなく、その子がどういう子か」という基準で

包装紙を選べたからだ。


ものすごく小さなこと。

でも、差別ってこうやって一人一人の心の中の歩み寄りで

なくなっていくんじゃないかって思う。

ということを、自分で体験したから。



そして

「いつもだったら何も考えず女の子だから赤だな

とか選んでたな」と思ったくだりも、

きっと、ものすごくたくさんの差別が、

自分の中に埋め込まれているんだなってことを、

体験した出来事だったから。



ミカちゃんが、紺色を好きかどうかは

わからないけどね。

パムとケロは、喜んでもらえた。


鶴岡そらやすさんについてはこちら。

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