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退職するけれど、現職で得られたもの

前回まで、新卒入社した日系大企業を社会人5年目で退職すると決めたきっかけとその理由についてお話ししました。
今回は、退職するけれど現職で得られたものについてご紹介します。
社会人になりたての方にとっても、今後身につけるスキルや視点の参考になるかなと思い書くことにしました。

企業の財務情報を理解するスキル

現職では財務職として、担当する事業部の決算と業績管理を行っています。
月次・四半期末の決算では、売上や原価の計上時期が適切か、計上されるべき原価が計上されているか(逆も然り)、未払・未収計上するものは内容が正しいか、計上すべき資産の漏れはないか、システム進行基準計算は適切に漏れなくできているか等をデータと睨めっこしながら確認しつつ、実績が締まったら実績を纏めています。
また、業績管理では予算に対する業績の進捗状況をKPI(売上・営業利益・営業利益率等)で把握し、原価を要素別に分解して、過去のトレンドや明細データから改善する余地がないか分析しています。

もともと学部時代は法学部だったため、会計の知識は全くありませんでした。そのため、入社してからは簿記の勉強をしたり、財務関係の本を読んだり、会社の研修を受講したりすることで、財務諸表の繋がりや勘定科目の意味、財務指標の見方・使い方、会計基準や税法について学びました。

これらによって、会社の財務諸表はある程度読めるようになったり(まだまだですが)、経済ニュースに出てくる内容が以前より理解できるようになりました。

財務の知識は財務職・経理職や経営者のみが持てば良いものではなく、社会人の"共通言語"として多くの人が持っておくと"役に立つ"と感じます。
自分が使っているサービスを提供する会社の経営状況はどうか、どこにお金を使っているのか等、"賢い選択" "意思のある選択"をする時にきっと武器になると思います。

あらゆるライフステージにおける出来事に対する想像力

社会人になるまでは、小学校から大学まで同級生と足並み揃えて一緒に入学・進級・卒業してという感じで、かつその環境にいるのは自分と同じ世代の子。
一方で社会人になってからは、特に私の会社は社会人になりたての20代前半(高卒の方もいらっしゃるので最年少は18歳)から定年を迎えて再就職された60代後半の方まで、いろんな世代の方が同じ組織にいます。

ある先輩は結婚して結婚式を挙げる話をしてくださったり、ある上司は双子のお子さんの子育てや3人目の赤ちゃんの出産の話をしてくださったり、またある上司は中学生の思春期の娘さんのスマホ問題に悩んでいる話をしてくださったり、高校受験・進学にお金がかかると頭を抱えている話をされていたり。

自分がまだ経験していない5年後10年後20年後のいろんな話を間近で聞くことで、将来についてより具体的に想像できるようになりました。
また、街中ですれ違う子連れの家族に対して優しい気持ちになれたり、将来を見据えて自分が何をやっておきたいか(キャリアや趣味、旅行含めて)についてもより考えるようになりました。

経済的自立による行動力

学生はお金はないけれど時間はある、とよく言いますが、私も奨学金をもらいながら留学をしたり、勉学に励んだり、インターンやアルバイトもしたり、旅行をしたり、たまに少し贅沢して美味しいものを食べたり、できる範囲でいろんなことに取り組んでいました。

現職は決して外資系金融機関のような金額のお給料ではありませんが、給与と年2回のボーナスをきちんともらって、かつ無駄遣いしない性格なので、コツコツ貯金と投資で資産形成をしています。

経済的に自立したことによって、住んでみたい街に住めたり、習ってみたかったカリグラフィーや着付け教室に通ったり、参加してみたかった会合に参加してみたり、行動の幅が広がりました。決断するまでに悩む時間も減った気がします。
行動するためのエネルギーを手に入れたという感じなのかもしれません。

まとめ

これらは現職でしか得られなかった、というものではないかもしれませんが、この環境だったからこそ得られた貴重なものです。
そして、これらがあるからこそ、次のステップに移ろうと退職を決断できたと考えています。

この記事を読んでくださった方にとって、何か少しでも気づきや発見があれば嬉しいです。

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