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9.占い師巡り 恋愛編

占い師巡りを始める時点で、自分の中で答えは出ていなかったけど、これからの行動として選択肢は3つあった。

・九州で新しい仕事を見つけてもらい、遠距離恋愛を続ける
・東京にきて、同棲しながら、新しい仕事をみつけてもらう
・幸せな結婚生活が期待できないので別れる

三つめの、別れるという選択肢がある時点で、ひどい女!と思われてしまうと思うが、それが選択肢に上がってしまうほど、ゴウキさんの変わりように私はショックをうけていたのだ。

私が幸せな結婚生活を描けていた相手は、自信満々のなんでもできる天才ゴウキさんであって、今のような、うじうじネガティブのゴウキさんではなかった。このまま結婚して二人は幸せな結婚生活はおくれるのだろうか。そんな風にも思ってしまっていたのである。

結果、この3つの選択肢のどれも選べない状態で、占い師巡りをスタートした。

占い師巡りスタート

忘れもしない、あれは大江戸温泉物語の占いコーナーでの出来事。

東京お台場店に、何曜日にいる○○さんの占いは当たる!という評判を何かのブログで知り、知ったその日に予約をして訪れた。

お願いしたのは相性診断というもので、名前と生年月日と写真を見せたような気がする。そして、今の二人の状況や、3つの選択肢のことを伝えた。

すると、その占い師さんから言われた言葉は、驚くべきものだった。

「あなたと彼は住んでいる世界が違う。絶対にうまくいかないから、今すぐ別れなさい!」

衝撃。

そんなにはっきりと「別れなさい!」と言われると思っていなかったが、私がその時、感じた感情は、ものすごくイラっとしたものだった。

確かに、これから先、どうしたいか迷っているって相談したけれど、あんなにはっきり、うまくいかない!と言われ、私は素直にムカついた。

それと同時に、「あ。私、別れたいとは思っていないんだ。」と、改めて実感することができた。

当たるという噂の占い師に、あんなにはっきりうまくいかないと言われ、もし自分も二人の関係が、うまくいかないかもしれない。。。とおもっていたのなら、その言葉を信じて、ああ、やっぱりうまくいかないんだ。と別れる選択をしていたかもしれない。

でも、この時に出てきた感情は「なんでそんなことを言うの!?」という反発する気持ちだった。

占い師巡りをする時は、私は客観的に自分を見るようにしている。

占い師に言われた言葉を素直に受け止めるのではなく、言われた言葉に対して、自分がどう反応するか。第三者の目で、自分を観察しているのだ。

「別れる」という判断はないということが、初回の占いでハッキリわかった。しかし、選択肢はまだ2つある。もう一人、違う人に話を聞きに行こう。

実家の側の、ちえこ堂さんをすぐに予約した。

ちえこさんも生年月日や名前から二人の相性を占ってくれた。

彼女は、「別れなさい」とハッキリ言わないまでも、「二人は対照的な性格なので、こんなところがうまくいかないかもしれない。」という若干ネガティブな話を多めにされ、結局ゴウキさんを東京に呼ぶべきか、九州で再就職をしてもらい遠距離恋愛を続けるか、どっちがいいのかという結論はでなかった。

うーん。。。今回も欲しい答えが得られなかった。。。

モヤモヤした気持ちを解消したい思いで、さらにまた違う占い師を検索した。

今度は、職場のそばの豊川神司相談事務所というところを発見した。

初めて訪れる場所だったが、なんだかすごく気になるもの感じて、これもまたすぐに予約した。

豊川神司相談事務所は、マンションの一室だったが、一足中に入ると不思議な雰囲気で、中から金ピカの服を着た豊川さんが出て着た。

そして、金ピカの部屋に通された。

私はちょっと緊張しながら、「婚約者のことで悩んでいる」と言うと、相手の写真を見せて欲しいと言われたので、2月に福岡を訪れて一緒ににラーメンを食べたときの写真を見せた。

驚いたことに、写真を見せた途端、ゴウキさんの今の仕事の悩みことや、昔した足の怪我のことまで当てられてしまって、私はちょっとびっくりした。

そして、一通り話を聞いてもらった後、なぜか私の頭の上を見つめながら、色々なものが見えているかのように、こんなことを言った。

「あー。。。うん。大丈夫だ!あなたが支えればね、大丈夫!うんうん。」

「支える?」

「そう、今、彼は、つらいつらいつらいって、どん底にいるでしょう?普段はこんな感じの人じゃないのに。助けてって言っているように感じる。あなたを頼っている。彼のことが好きなんでしょう?大丈夫だよって、そばにいてあげて、あなたが支えて励ましてあげたら、全てがうまく行く。絶対に大丈夫。そう思いますよ。」

そう言われて、私は泣いてしまった。

これが、誰かに言って欲しいと思っていた、私の心の声だったんだと、思った。

ひとしきり泣いて、スッキリした頃、占いは終わった。

帰り際に、豊川さんは、「じゃあこれをあげる。」と言って、半紙に筆で「支」(ささえる)という文字を書いてくれた。

「これを、朝起きて一番初めに目に入る場所に貼っておくといいよ。辛いことがあっても、私が支えるんだっていう気持ちを忘れないで。これで二人は絶対にうまくいく。大丈夫だから。」

そう言って、その半紙を綺麗に丸めて私にくれた。

そして、なんだかスッキリした私の顔を見て、最後に一言、

「あぁ、二人は結婚するね。よかったね。」

そう言われた。とても不思議な体験だった。

(*人生の棚卸でも、仕事を辞めたい私を、こんな風に導いて欲しくて豊川さんのところを訪れたが、その時は欲しい答えは得られなかった。必ずしも正解をくれるというわけではない。)

私が当時、占い師に求めていたのは、ゴウキさんを東京に呼ぶことへの後押しだったのだ。

心は決まった

スッキリした。もう、迷わない。誰になんと言われようと、私はゴウキさんを東京に呼ぶ。そう、決心できた。

その夜、私は、お風呂を洗いながら母と電話をしていた。私はこの時、初めてゴウキさんの陥っている状況を母に伝えた。

「弱っているゴウキさんを、東京に呼びたい。」

私の考えに反対されたらどうしよう。ちょっとそんな不安な気持ちもあったが、母の一言目は、びっくりするほど潔いものだった。

「それは大変!今の会社はもう辞めてもらって、すぐに東京に呼んであげなさいよ。荷物はもうそっちに置いたままでいいんじゃない?すぐにこっちに呼んで、元気になるまで桃の家で一緒に住んだらいいじゃない。」

すごい。我が母ながら、めっちゃかっこいい!と心からおもった。

私がすぐに決断できなかったことを一瞬で判断して、勧めてくれた。

今思えば、両親はそうやってお互い支えあって生きてきたのかもしれない。大切な人のピンチは全力でサポートする。そうすることで、お互いが幸せでいられることを知っていたのかもしれない。

だから私にも、そんな選択を勧めてくれたのではないかと思った。

この言葉にさらに後押しされて、ゴウキさんを家に呼ぶ決意ができた。

一度決めた後は、選んだ答えが正解だったと思えるようにするだけ。

母からの電話を切って、お風呂掃除をして濡れた足もそのままに、私はゴウキさんにテレビ電話をかけた。

すぐに電話に出たゴウキさんの表情は、昨日と同じ暗い顔。ゴウキさんがツライと言い出す前に、私は話し始めた。

「ゴウキさん、今日までがんばったね。明日会社辞めるって言おう!それで、荷物をしばらくそこに置かせてもらって、すぐに私の家においでよ。一緒に休もう!もう大丈夫だから。」

そう言うと、ゴウキさんは今までの張り詰めていた表情から、急に涙をポロポロ流しながら、安心した顔で、「ありがとう」と言った。

ゴウキさんを救う方法は簡単だった。もっと早く私が決断してあげてればこんなに苦しませずに済んだのに。

これからは、辛いことがあっても、迷わないぞ!そう思った。

それから、 「支」(ささえる)という文字を壁に貼って、何があっても、私はゴウキさんを支えよう。そう決意した。

目の前で起きている事象は変わらないのに、私の気持ちの持ちようで、見える世界がどんどん変わって来る。そして、その時々の判断1つで自分の人生も変わってしまう。

あの時、ペアーズ をはじめなかったら。
あの時、ゴウキさんに泣きながら結婚観を語らなかったら。
あの時、最後のドライブにいかなかったら。
あの時、ゴウキさんを支える決意ができずに、別れていたら

今はないんだ。本当に人生って奇跡の連続みたいなものだなって思う。

次回は、再び訪れた二人の楽しい時間編です。

でも、簡単に上手くいかないのが、てとてと結婚物語。東京に来たからと言って、安心はできません。これからまた、色々な問題が起きるのです。

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