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金融商品の販売は社会の役に立たないのか。思考実験で考える。

ご無沙汰しております!

最近は、インスタやTwitterなどのSNSでの更新がメインになっていましたが、長い文章で自分の思いを伝えたく、noteを開いた次第です。

ありがたいことに、NPO法人や親の会だけでなく、同業の方向けの講演も増えてきました。

その中で頂いた1つの質問に、色んな考え方のきっかけが詰まっていたので、取り上げさせてもらって、自分なりの回答や考え方を書きたいと思います。

先日のFPサミットで頂いた質問の1つがこちら。

FPとして金融商品販売ではなく、社会に役に立てるような仕事ができればと思いつつ、現実的に収入面とのバランスはどのように得ているのでしょうか?

ご質問下さり、ありがとうございます!
こういったセミナーに当事者意識でご参加くださって、ご質問までいただけること、本当に感謝いたします。

そのうえで、自分なりの答え。

金融商品の販売は、そもそも社会の役に立てる仕事だと思っています。
個人のFP相談で、金融商品の販売をはなからなくす選択肢はありません。
※誰にでも金融商品を販売する、という意味ではなく「金融商品の販売」を選択肢からなくしてる状態にはしない、というニュアンス。

金融商品の販売は、社会の役に立てる仕事だと思っています。
社会の役に立つための選択肢から、なぜ金融商品の販売を選択肢から外すのか。
もし個人のライフプランをしていてリスクマネジメントの局面において、保険が必要になったら。
金融商品の販売ではない方法で、目の前の相談者をリスクから救えるのか。
どうして金融商品販売の選択ではない方法なのか。

質問した方には悪意はないと思います。
※私自身の金融商品を販売しないFPさんへの否定でも決してありません。

ただ、もしかしたら根底に「金融商品販売に関する偏見」があるのかもしれないなと思いました。

思考実験してみよう

もしこんな感じで「この仕事じゃない方法で社会の役に立ちたい」とか、「この仕事はちょっと・・・」と思うことがあったら、思考実験をしてみると、自分の偏見に気づくことができます。
他にも、オンライン面談だと温度感が伝わらないからよくない、とか、保険屋は表に出るべきではない、とかももしかしたら偏見かもしれません。

僕が実践しているのがどんな思考実験かというと
「超極端な例を考えて、自問自答する」という方法です。

例えば金融商品の販売は、次のような思考実験をしていきます。

まず「世の中に金融商品がない世界」を想像してみます。
この世界がうまく回るかどうかを考えてみるのです。

どうでしょう。
おそらく、金融商品がないことで社会に多くの不都合が出るはずです。

では、金融商品は必要そうだ、と。
それでは次に、金融商品の「販売」が必要ないのか。

「誰も金融商品を販売しない世界」を考えてみます。

全ての人が自分のリスクを把握し、適切な保険などの金融商品を選ぶことができるでしょうか。
僕は難しいと思います。

なるほど。
それでは販売ではなくて、FPが担当する相談者に対してどんな保険が必要かを伝えればいいんじゃない?と。

確かに、それなら「販売」の仕事に誰も就く必要はない。
でも、FPが様々な保険会社のことを勉強していくことのインセンティブが発生しない中で、そこまでやるのはリアルでしょうか。

また数十社保険会社を取り扱っていると、2,3か月に1度は改定や新商品が出るし、保険会社ごとに引き受けも違い、そもそも引き受けは販売の資格を持っている人しかアクセスできない。

つまり、販売者がいなければFPは改定ごとに保険の情報をアップデートさせ、傷病があればすべての保険会社に連絡して引き受けを確認するのを無償で行わなければならない。
保険募集人がいる場合と、保険料は変わらない。

そこまでの作業量なので、当然FPのインセンティブは多く必要になる。
なるほど。そう考えると金融商品の販売ではなく社会の役に立てるかもしれない。

ただその分、報酬が払えずに適切なサービスを受けられない人が多数でるかもしれない。
その報酬が払える人のところで仕事をするのも1つの選択肢かもしれない。

しかし、それはそれとして金融商品の販売は社会に役に立たないと言えるのだろうか。

少なくとも令和5年の時点では、金融商品の販売は、社会に必要な仕事だと思います。(AIの発達により必要な範囲が狭くなることは今後十分考えられるからです)
あと販売側の倫理観は何より必要ではありますが!

こんな感じで思考実験を繰り返していき、自分の偏見や思い込みを崩していけると、より世界は面白くなるはずです!!

この思考の方法は「ソクラテスの弁明」をはじめとする哲学書を読み込むとある程度身に付けることができるはずです。


お読みいただきありがとうございました!

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