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指輪も生きているんだな

いつからだったか。

もう忘れていたけれど、ふいに指輪のことを思い出した。

つけなくなって、もう、だいぶ経つ。


仕事をしていた時に、一目惚れをした指輪。

セルジュトラヴァルの3連指輪だ。


気に入っていて、いつも、つけていたけれど、いつのまにか、つけなくなっていたのだ。

久しぶりに、つけようと思って、探して、見つけた。

でも、その姿に驚いた。

シルバーの指輪は、赤茶けた錆のようなものに、うっすらと覆われていた。

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シルバーアクセサリーは、手入れが必要。

そんなことも、忘れていたなんて。


慌てて、磨き布を購入した。

そして、心の中で謝った。

ごめん、いままで、忘れていて、放っておいて。


指輪だって、いきものだ。

手入れをしなければ、酸化して、くすんでしまう。


あらためて、ハートに聞いた。

この指輪を、これからも、つけたいと、思うのか。

答えはYESだった。


早速、届いたばかりの、磨き布で、丁寧に磨いた。

すると、見違えるほど、綺麗に、そのシルバーの輝きを取り戻した。

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嬉しくなって、指にはめた。

ハートの中で「おかえり」と言った。

久しぶりにつけると、少し重さを感じる。

けれど、指輪をしている感覚が、皮膚を伝わってくる。


指が、守られているような感覚。


うきうきした。

アクセサリーをつけることが、久しぶりだから、余計に、そう思った。

はじめて、じぶんで指輪を買って、つけた時の感覚が蘇ってくる。

あの、誰かに見せたくなる、感覚。


大切にしよう。


今度は、丁寧に、大切にしよう、と思う。

いつかは、なくなってしまうかもしれない。

途中で感覚が変わって、手放すかもしれない。

けれども、それまでの間は、どうぞ、よろしく。

いつかは、まだ、来ていない。

この指輪と共に、歩いていこう、と思う。


そして、指輪もいきものだ、ということを、しっかりと認識しよう、と思う。


指輪だけじゃない。


ほかのモノだって、いつかは壊れる。

モノだって、生きている。

できる限り、触れて、メンテナンスをして、いつか、まで、一緒に生活しよう、と思う。


モノの声を聞いて、じぶんが心地がいい、モノたちに、囲まれて。

じぶんのペースで、歩いていこう、と思う。


ここまで、あなたの貴重なじかんをつかって読んでくれて、ありがとうございます。

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