その皿を洗う手間を、人は無駄と呼ぶ
今日も食卓がざらざらしている。
最近彼はチーズトーストをつくって食べる。ビニールを丁寧に剥がして雪印のこんがり焼けるスライスチーズを取り出し、母親が幼い我が子に布団をかけるように、静かに愛おしそうにトーストにのせる。オーブンレンジのトースト機能を使い、チーズこんがりパンかりかりになるように焼き上げる。その間、オーブンレンジの前を離れることはなく、中でまわるパンとチーズの様子を窓越しにじっと見つめている。彼はこんがり焦げたチーズが大好きなのだ。白く平板だったチーズがところどころふくらみ始め、やがて色づいていく。その様子を見る彼は本当に幸せそうだ。
彼は焼きあがったパンをアルミホイルから取り上げて皿にのせる。私は食器を洗う手間を考えてアルミホイルごと食卓に運ぶことが多いが、彼は必ず皿にのせる。はじめてその様子を見た時は丁寧な人なんだなと思った。でも彼がチーズトーストを食べた後、必ず食卓にはパン屑が散らばり、そしてざらざらする。皿はパン屑を受け止める役割を果たしていない。もちろん問題があるのは皿ではなく彼だ。
彼は夢中になるとすべての動作が雑になる。外国人向けの日本語辞典動画をつくるとしたら、彼のその様子を流して大きく「雑」とテロップを入れたい。太いゴシックの、赤い文字で。
桃鉄ワールドをやっている様子を背後から盗み見ても、やはり彼は雑なプレイをしているように思う。私は桃鉄ワールドに詳しくはないが、それでも分かる。雑なプレイ、不注意な状況の見落とし。だから彼は桃鉄ワールドが弱い。
そんな桃鉄ワールド弱者の彼がなぜかチーム監督をしているMOMOリーグの対戦が、いよいよ佳境を迎えている。ずっと最下位を走り続けている彼のチームから今日出場するのはまこちゃんだ。
MOMOリーグの詳細とか
彼がMOMOリーグにおいてチーム監督をすることになった経緯とか。
まこちゃんがそのチームの一員（彼はクルーと呼ぶ）であるとか。
そのあたりの詳細は、二度と話題にしたくないので、
大変お手数をかけて申し訳ないのだけど
以下のnoteを読んでもらえると助かります。
暗黒エース
まこちゃんを見ていると、この言葉が思い浮かぶ。プロ野球ファンが弱小チームで一人奮闘するエースピッチャーに授ける称号だ。暗黒エースはチームが弱いゆえに1失点すると負けにつながる。まこちゃんはまさに暗黒エースだ。最下位チームに属しながら一人奮闘する姿は、私の心を揺さぶる。
はっきり言って、彼のチームがこのまま最下位で予選リーグを終え、華やかな決勝リーグの舞台にあがることなく大会を去ることになったとしても、ニューオーリンズの昨日の天気は晴れ時々曇りでしたと言われるのと同じくらい、私には何の感情も生まれない。でも、まこちゃんは応援したい。
かつて歴史的最下位をひた走ったヤクルトスワローズのなかにあって、一人奮闘していた山田哲人に、私はまこちゃんを重ねているのかもしれない。山田哲人は投手じゃないけど。
そして、まこちゃんが勝った時、私は彼にこういうのだ。
「まこちゃんは夢中で対戦に挑んでいても、一手一手丁寧に心を込めてプレイしていたから勝てたんだよね。あなたもまこちゃんを見習ってみてはどうかしら、監督さん」と。
桃子のささやかな希望を、みなさんに応援してもらえるとうれしい。
応援方法は以下の通りだ。
１，今日（2/3）21時からの予定をあける
21時から23時半のどこか10分間のすきま時間でもかまわない
２，youtubeでMOMOリーグの公式チャンネルにアクセス
３，ライブ配信中の対戦を視聴
４，コメント欄に「まこちゃんファイト（桃子のnote読者）」と書き込む
以上だ。
面倒なお願いをしていること、大変心苦しいですが、ついでなのでチャンネル登録や高評価もしてもらえると、まこちゃんも喜ぶと思います。
配信はyoutubeはこちらからチェケラいただくのがスムーズです。
彼のチームメンバー（彼はクルーと呼ぶ）を応援する気持ちが、食卓のパン屑くらい積もり始めた自分におびえる桃子より
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