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少年院 №4 つかの間の希望

 病院に着くとすぐに処置が行われた。ぱっくり開いた手首の傷を6針程縫った。その後、警察から事情聴取を受けた。事件性がないのか問い詰められ、俺は「自分でやったと言った・・・。」救急車が到着するまで俺は、麻美にこの件を二人だけの秘密にする様に口止めしていたのだ。決して麻美をかばおうとしたのではなく、一時でも死のうとした自分に渇を入れる為と、男としてのプライドがそうさせたんだろう・・・。俺と麻美は、自殺未遂と言うこの事件よりも、シンナーを吸引していたのがばれる事の方がよっぽど恐ろしく脅えていた。自殺未遂にまで、警察が関与するとは最悪だなと思った。

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