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空自がブルーインパルスの訓練飛行を初ライブ配信! 航空祭では味わえないメリットとは?

8月19日、松島基地で行われた航空自衛隊のアクロバット飛行隊ブルーインパルスの訓練飛行が、史上初めて公式YouTubeチャンネルで公開生配信された。

ライブ配信の決定と背景

告知は直前であり、当日は平日の昼間、その日その時間まで詳細が開示されなかったにもかかわらず、視聴者は最高で17000人を軽く超えており、ブルーインパルスのファンの存在と彼らのブルーに対する渇望が見てとれた。

今回、訓練飛行を生配信するという異例の決定について、航空幕僚長の丸茂吉成空将は「今年は新型コロナウィルスの影響で、航空祭およびブルーインパルスの展示飛行が中止となっているが、そんな中でも全国各地の自衛官は日々訓練や任務に明け暮れており、その一端を紹介するために、今回ブルーインパルスの訓練飛行を公開することにした」と話した。

公開された訓練の内容

ブルーインパルスはいったいどんな訓練をしているのか。せっかくなら航空祭で見るようなアクロバット飛行や、青空に派手に描くスモークが見たい。

何が行われるかワクワクしながら訓練の開始を待った。

すると、冒頭の航空幕僚長の挨拶に続き、広報室長の吉田ゆかり1等空佐らが登場し、私たち(視聴者)を、これから訓練が行われる松島基地に案内するかたちで始まる。航空祭などで基地自体に入ることはできるが、こうして個人的(のようなかたち)で基地を案内してもらうのはレアなので物珍しくて嬉しい。

東日本大震災時に、松島基地が津波に襲われた傷痕や、歴代のブルーインパルスの機体など展示物を間近で見れた。

そしていよいよブルーインパルスの登場だ。

訓練内容は、航空祭の展示飛行そのものだった。

おそらく基地建物の屋上から撮影している映像。ブルーインパルス飛行前のチェックが行われている。生配信なので、この入念なチェックもそのまま流され、12時40分に始まってからすでに20分近く経過してもまだ展示飛行は始まらない。YouTubeのコメント欄にはランチ休憩が終わって泣く泣く離脱するファンが続出した。

13時30分、パイロット達のウォークダウン(機体に向かって整列して歩く)がやっと始まった。

焦らしに焦らされ、この時コメント欄は大興奮状態。まさに「キター!」の大合唱、大嵐で埋め尽くされていた。電車男以来の本物の「キター!」を見た。

ところでブルーインパルスといえば6機編成だが、今回は4機での訓練だった。少し前に機体故障でブルーインパルスの展開が停止していたが、この先しばらく4機編成のままなのだろうか。なお、4機になったことで、勝手に1番から4番で展示飛行するのかと思っていたが、今回飛んだのは1番機、4番機、5番機、6番機の4機だった。

航空祭では味わえなかったライブ配信のメリット

こうして航空祭のメインイベント、ブルーインパの展示飛行をお披露目するかたちで始まった訓練。航空祭と同じように爽快な音楽が流れ、アナウンサーがパイロットの紹介から初め、演目(技)を説明する。それと同時に演目がライブ画面に字幕で表示される。

普段の航空祭では、このアナウンスがあまりよく聞こえない。野外でガヤガヤしているのに加え、ジェットエンジンの音でほとんどかき消されるのだ。これまでアナウンスで何を言っているのかさっぱりわからなかったが、今回は演目名だけでなく、その演目がどのように始まり、どこが難関なのかまで説明してくれるのがはっきり聞こえ、かなり楽しい。

例えば、タック・クロスという演目がある。5番機と6番機が背面飛行のまま至近距離をスレスレで交差するのが見どころだが、これがめちゃくちゃスリリングでかっこいい。私はこれが1番好きだ。今まで演目名がわからなかった(調べれば分かったかもしれないが)が、今回のライブ配信で一発でわかった。

また、コーク・スクリューという人気の演目が始まった時には、YouTubeのコメント欄が大いに盛り上がり、何というか共感性がはんぱない。航空祭に足を運んだ時は同行人と一緒に盛り上がったが、こういったかたちで赤の他人と共感できるのも悪くないと思った。

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演目の終盤には有名なバーティカルキューピッドもやってくれた。あのハートを射抜くやつだ。

まとめ

初めての試みであったとのことだか、ぜひまた公開してほしい。航空祭は地方が多いのでなかなか足を運ばないが、ライブ配信ならどこでも見れる。航空祭のあの人混み、大量のカメラが頭上に覆いかぶさり、さっぱり見えず…ということもない。臨場感もそれなりにあった。

次回以降の希望としては……

画質をなんとかしてほしい。スマホならなんとか見られるが、パソコンの画面で見たら「いつの時代?」という画質だった。あと、音楽は少し音を落として、エンジン音を聴かせて欲しかった。

欲を言えば、パイロット目線のカメラも導入してくれたら感動だ。さらに、ほかの戦闘機部隊の訓練飛行なんかも公開してくれたら、、まあ無理か。

なお、超ありがたいことに、航空自衛隊の公式YouTubeチャンネルでアーカイブしてくれているのでリアルで見られなかった人も見られる。