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【読了】「老いてお茶を習う」群ようこ
あ~遂に群さん、茶道の道に足を踏み入れたのかぁ…!
群さんといえば着物(と猫)。
高校生の頃から自分で好みの着物を購入されていた人です。
で、「お花とかお茶は興味がないし、習うこともない」と過去(結構前)の著作物に書かれていた。
そんな群さんが、遂に!
それに、いわゆる茶道の着物として私が勝手に想像する、万人受けする小紋などは好みではなく、おしゃれな紬が多いはず。
「茶道には興味があるし、習うからには着物を着たいけど、分からないことだらけ」 という私にぴったりな本でした。
私はかれこれ5年ほど、茶道良いなあと思っている者です。
なのになぜ習わないのか…
それは、正座が3分くらいしかもたないから…
同時期に興味を示した息子が習い、たま~にくっついて、美味しいお菓子とお抹茶、美しい花、よく分からないが良さげな掛け軸を味わったことがある程度。
その度に、せっかくの演出を100%余すことなく味わい尽くす以前の問題で、脚の痛みと戦っていました。
じきに慣れるというのは本当なのだろうか。
読んでいくと、群さんも正座に苦しんでいたのでした。
さまざまなサポーターを次々買う群さん。
これが一般人なら「こんなの、どうすりゃいいの…」だが、群さんは本のネタになるので無駄にはならない。
なかなか覚えられないと嘆き、自分にイラつく群さん。
毎回緊張しているような、”絶対間違えないぞ”という決意があるような、要はとても肩に力が入ってお稽古している様子なのですが、読み手(私)の受け取り方とは違い、とても楽しいそうです。
毎回、師匠の指導のまま、「次はこれをああする」などのことは全く考えず動いた方がストレスはなさそうだが、それだと上達もしなさそう。
群さんは上達が早そうだなと、ど素人なのに思いました。
それに、最近の著作と同じくこちらでもご自分を「前期高齢者」と書かれてはいるものの、まるでボイスレコーダーを持ち歩いているかのような抜群の記憶力なのでした。
点てたお茶が美味しくない、というのも謙遜で、実は見た目も美しくフワッと美味しいんだろうなと思いました。
肝心の着物については、やはり動きにくそうな感じがありました。
茶道の着物というと、柔らかものというイメージがあります。
かたものと言われる紬などは、ネットでググると「普段着だからふさわしくない」とお稽古と会を混同しているように書いてあるサイトもありますが、そうではなく、立ったり座ったりいざったりというのは、スルスルッと動けるやわらかものの方が滑りが良く、動きやすいのかもなぁと思いました。
ここで考えてみます。
私の好きなアンティーク、銘仙は論外。
ビリッ!!ととんでもない破け方をしかねません。
おさがり着物だと、よほど体に合っていないと、やはり動きにくいかも。
となると、群さんが「きものが着たい!」で書かれていた呉服屋さんの 「いずれお茶を始める際も重宝しますから…」 と熱心に勧めたという”お道具の一つ”としての色無地はやはり優秀なのか?!
でも、ここでドケチ根性が出てきます。
茶道、けっこう着物が傷みそうな動作が多い&水はね・抹茶の粉飛びがありそうなんです。 となると、誂えた着物はもったいない気がする。
かといって、洗える激安着物も、気分が上がらない…
何が正解なのか、私は習ってもいないのに悩んでいるわけですが、結局群さんも「これぞ」とピタッとくるものはないようで、模索中のようでした。
この本は、1回でも茶道というものに触れたことがないと、正直よく分からない言葉が多いかもしれません。
私はお菓子が大好きなので、お菓子が出てくるたびにワクワクしながらググりました。
あと、かろうじて茶筅、茶杓、建水などを知っていたので、場面場面が想像できましたが、本当に全然知らない人は「?」の連続かも。
それにしても、とにかく群さんはまじめで勉強熱心な方です。
茶道良いなぁ、私もその世界に行ってみたいと思うのは森下典子さんの「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」。
群さんの本作は、実際に習うぞ!とか、習い始めたぞ!という人に一番向いている本なのではないかなと思いました。
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