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【みーちゃんとたい焼き】作・マイラ

【童話】#ウミネコ文庫応募


みーちゃんはお保育園から帰ってくるなりママにいいました。

「ねぇねぇママ
ママは覚えているかなぁ?
この前みたたい焼きの夢の話だけどね、
あれって本当なんだって!
今ね、世界中でたい焼きをペットにするのが大ブームなんだって」

「それでね。保育園でゆいちゃん、りゅうくんたちも言っていたよ。
いろんな人がたい焼きをペットにしているって!」

そんな話をしていたらテレビで放送していた

「すごい。リアルタイムだよね」

「それからね、たい焼きをペットにしている人が
マイたい焼きを可愛がっているところをネットで、お写真とかをね、
アップしているんだって」

そんなマイたい焼きのニュースを見ながらみーちゃんとママは、
おしゃべりに花を咲かせる。

「ママ〜
みーちゃんのたい焼きはなにがいいかなぁ〜?
こしあん、つぶあん、クリームチーズにカスタード、いろいろあるよね。
うーん、どれがいいかなぁ
どれもかわいくって悩んじゃうよね。」

「そうね、ぜーんぶ、おいしそうだね
う〜ん、ここは王道でこしあんかつぶあんか、…
それとも冒険して珍しい味にしちゃおうかなぁ
う〜ん!どうしよう、決められないよー!

「クスッ!全部かわいくておいしくて迷っちゃうね
ママ〜みーちゃんはね、ウグイスあんがいいなぁ
あのね、あのね、ウグイスあんはとっても可愛いんだよ
みどり色の可愛いあんこ、
みーちゃんはみどり色が好きなんだぁ」

みーちゃんの言葉を聞いたママは「うーん…」と難しいお顔。
どうやらママはウグイスあんは気に入らないみたいなのです。

「ねぇ、みーちゃん…ウグイスあんはとってもレアだから
あんまり売っていないし、探すの大変だよぉ
ママはこしあんかなぁ、つぶあんかなぁ
どっちも比べられないくらい美味しいけれど、
こしあんはシッポまで詰まっていてきっと美味しいから
こしあんかなぁ」

と言った瞬間
みーちゃんが叫んだ

「食べないよー!
だって、たい焼きさんはペットなんだからね」

そうそう…そうなんです。
たい焼きのペットのお話だったんだよね

「え〜っ、ところでみーちゃん?
たい焼きってペットにできるの?
たい焼きって食べ物じゃなかったっけ?」

「だって、たい焼きって
中にあんこがたっぷり詰まってて
ふんわり、おいしくって…
それでもって…
おさかなさんの形がとってもかわいくて…
そう…可愛がりたくなっちゃうよね…
うん…
思わず抱きしめたくなるよね
やっぱり…ペットかなぁ?」

ママは続けて言った…

「おかしいなぁ〜
やっぱりたい焼きはペットにするもの…?
いやいや、たい焼きはおいしく食べるものだよ…」

みーちゃんはママの言葉に目がまわってしまいそうです。

「あれれ?食べ物?ペット?
わかんな〜い
考えていたら
頭の中がぐるぐる、
ふわふわ…ぐーるぐるしてきたよ
うわ〜!目がまわるよ〜」

すると突然そこに…
たい焼きさんが出てきて、
一緒にぐるぐる泳いでくれた

うわあ〜
気持ちよさそうに…
みーちゃんはたい焼きさんと
泳いだよ
ぐるぐるーぷかぷかー
ふわふわーふわわー…


すると…
たい焼きさんが

「ねぇ、このまま海にいってみようか
僕と、一緒に冒険してこよう」と言ってきた

喜んだみーちゃんはたい焼きのせなかに乗って
ひろ〜い海に向かった
しゅっぱつしんこ〜!

ひろ〜い海の中にはいろんなおさかなさんがいた
小さいおさかなさんから
大きなおさかなさんまでいるよ

「みてみて〜!マグロがれつになってこうしんしている
わあ!まるで、軍隊みたいだよね
まじめな顔をして…せいれ〜つ!しているね
いっしょうけんめいに前のマグロさんについている
マグロさん達どこに行くのかなぁ
マグロさん気をつけてね」

「あ!
タコさんがいるよ
タコさんタコさん
何をしているの?」

タコさんは
岩場にはりついて目をキョロキョロしていた


「あれ?しずかにだって〜?シーって…」

「あ!通り過ぎようとした小さなおさかなさんを
パクって食べちゃった…」

この一瞬の出来事!早い早い!

そこにタコの天敵のウツボがやってきた
ウツボはタコの敵としてみんなよく知っている…
わあ〜!
大変だぁ
タコさんはびっくりして近くの穴に入ってしまった
サメやタイの仲間もタコを食べるから
タコさんも大変


「ねぇねぇ、たい焼きさん?
ところで、たい焼きさんは何を食べるのかなぁ?
だって…たい焼きさんのおなかの中には
あんこがいっぱい詰まっているんだよね

たい焼きさんは…

「僕はあんこがあればいいのさ
他にはなぁ〜んにもいらないよ〜」

そんな話をしていたら…
そこに向こうから何か不思議なものがやってきた
大きな大きな黒い岩みたいなものがやってきた
うわー!大変だぁ
大きな口を開けてこっちにくる〜

「みてみて〜
大きなクジラがこっちにくる〜
わあ〜たい焼きさん、早く逃げないと
クジラさんに飲みこまれてしまうよ〜」


うわー!逃げろ〜!
誰か〜!
助けて〜!

ドタバタ、ドタバタ!

………

「みーちゃん、早く起きなさい。
もう保育園に行く時間よ〜。」

みーちゃんは
ママの声で目が覚めた。


目を開けると、そこは見慣れたみーちゃんのお部屋

「なぁんだ、夢かぁ」


みーちゃんはこの前の夢の続きを見ちゃったんだね…


これは…みーちゃんが今日見たなんとも
不思議な夢のお話です
でも、とっても楽しかったなぁ〜
………。


「ねぇ?ママ〜今日のおやつはたい焼きがいいなぁ」
みーちゃん、
うぐいすあんのたい焼きが食べたいなぁ

             おしまい


今回は、「ウミネコ文庫」さんの企画に応募させて頂きました。
初の参加です。
宜しくお願いします。

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