【返歌】【掌編小説】美しき海を踊る貴女へ
美しき海を踊る貴女へ。
月の女神に守られた、貴女の細い指が伸ばされる。
その指先から、淡い色に輝く世界が生まれた。
その指先から、星屑のように物語が弾けた。
星屑のような輝きを、海の上を踊る貴女は真っ暗な空に散りばめる。
美しき海を踊る貴女へ。
星屑を翼のように広げ、世界を輝かせる貴女。
貴女の足が軽やかに跳ねる。
貴女の手を離れて、真っ暗な空に、やさしい恋の物語がぽわんと浮かぶ。
右へ指を伸ばして、左へ掌を広げて、貴女は誰よりも楽しげに踊っている。
胸元