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yokoichi
【返歌】【掌編小説】美しき海を踊る貴女へ
美しき海を踊る貴女へ。
月の女神に守られた、貴女の細い指が伸ばされる。
その指先から、淡い色に輝く世界が生まれた。
その指先から、星屑のように物語が弾けた。
星屑のような輝きを、海の上を踊る貴女は真っ暗な空に散りばめる。
美しき海を踊る貴女へ。
星屑を翼のように広げ、世界を輝かせる貴女。
貴女の足が軽やかに跳ねる。
貴女の手を離れて、真っ暗な空に、やさしい恋の物語がぽわんと浮かぶ。
右へ指を伸ばして、左へ掌を広げて、貴女は誰よりも楽しげに踊っている。
胸元に麗しい神話を宿す、紫の石を身に付けながら。
美しき海を踊る貴女へ。
貴女が体を翻せば、その足元から広がる波紋で百の瀬に白い波がたどり着くでしょう。
貴女が足を進めれば、七つの海が生み出された波紋に揺らめくでしょう。
貴女は生み出すことができる。撫子色の優しい風を。
貴女は生み出すことができる。誰よりも優しくきらめく無数の言葉たちを。
ほら、見てみて。
小さな星々のその先で、鮮やかな話を広げる夜が花開いているよ。
誰かが貴女の物語に感動する声を聞き届けてほしい。
誰かが貴女の短歌に心揺さぶられる音を聞き届けてほしい。
貴女が贈ってくれた、撫子色の風を、私の花色の羽に受け。
貴女の星々に憧れて、自らの漆黒のキャンパスに、私も色を送ろう。
夜を踊る貴女、夢を紡ぐ貴女、言葉の海を踊る貴女。
まずは貴女に、「ありがとう」の物語を贈りましょう。
・ ・ ・
自分流のお返しは、出会った人に贈る物語。
ささやかなこの物語を、撫子色の優しい雰囲気を纏う百瀬七海さんに捧げます。
素敵な夜を!!
メリークリスマス!!!
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