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関東地震から100年:次の首都直下地震はいつ頃起きるか?わかってきたこと


■はじめに

今日9月1日は「防災の日」であり、1923年に大正関東地震(関東大震災)が発生した日だ。
それにちなんで、今後起きると想定される南関東直下地震(首都直下地震)で、どのような被害や問題が発生するかを考えてみた。

100年前の大震災では、約10万人の犠牲者が出た。
当時の東京都の人口は、400万人ほどだった。
そして現在は、1400万人ほどとなっている。
東京都だけでも約3.5倍ほどに人口が増えている今、どのくらいの犠牲者が出るのだろうか。

2022年に発表された首都直下地震時の都内の被害想定は、犠牲者最大約6200人、火災・倒壊の建物約19万4400棟となっている。
これは、10年前より見直されて、3割以上減った結果のものだ。

この程度の犠牲者で本当に収まるのかというと、長年地震のことを研究してきた自分にとっては、大いに疑問が残る。

今回は、次の首都直下地震が「いつごろ起きるのか?」に焦点を当てて、これまでの自分の研究成果をもとに考えてみた。

なお、いつもの通り、本マガジン読者への日頃の感謝を込めて、ここで初めて公開する内容も含んでいる。
南関東直下地震の発生時期について、主に4つの「条件」を総合して検討する。

■使用データ

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まず、「南関東直下地震」の定義を解説しておく。
関東地方の南部(神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県・茨城県南部)で歴史的に繰り返し発生するM7級の大地震を指す総称だ。

首都圏の中心地域であることから、「首都直下地震」とも呼ばれる。

今回の地震データの抽出条件などを以下に示す。

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