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やっと決まったベーシックインカム

来週6月1日からマドリード、カタルーニャの一部、カスティーリャ・イ・レオンのほぼ全域を除く全てのエリアが外出制限緩和のフェーズ2に入ります。バレアレス諸島とカナリア諸島の一部の島は一足先にフェーズ3に突入。フェーズが進んでより通常の姿に近づいていっている感覚はあるものの、同時に人々の緊張感も徐々に薄れていっている感じがするのも事実(自分も含めて)。なんとか逆戻りを避けるためにも、本当は今こそ一番気をつけないといけない時期なのかもしれません。

来週からのフェーズマップは以下の通りです↓

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(El País より引用)

また、フェーズの移行が進む中、徐々に経済の問題が表面化してきています。 現時点の一番大きなニュースとしては、日産のバルセロナ工場の年内閉鎖が昨日決まり、3,000人近くの失業者が発生するというもの(関連会社も含めるとその数は25,000人になるとも言われています)。決定前からバルセロナでは工場の社員によるデモが続いており、昨日の決定によりそのデモは爆発している模様。彼らは今後も粘り強く抗議活動をしていくと思われますが、どうやらこの決定に関してはどうにもならない感じのようです。

今回のバルセロナ工場の閉鎖にあたっては、日産とアライアンス関係にあるルノーと三菱とで世界のマーケット拠点を分割し、その中で日産の拠点が日本、中国、アメリカにシフトすることが要因になっているという話もありますが、日本でも日産の業績悪化が大きく報じられているように、そもそもは日産の経営がずさんだったことが大きな要因なのではと思っています。つまり、元々危機的な状況だったところに今回のパンデミックが乗っかってしまったとも言えるし、それ以前の問題だったとも言えるのではないかと。今のこの状況下での工場閉鎖の決定が社員に与えるダメージを考えるといたたまれないけれど、今の自動車業界の世界的な流れを考えると難しい問題なのかなとも思います。。。

そんな中、今日の会見で「Ingreso Mínimo Vital(ベーシックインカム)」の導入が正式に発表されました。政治のゴタゴタで棚上げ感があったのですが、ようやく導入にこぎつけたようです(政治のゴタゴタについてはまた別記事で書きたいと思っています)。以前この話が出た時に書いた記事がこちら↓(ずいぶん時間がかかったのがわかると思います)

今回導入されるIngreso Mínimo Vitalのコンセプトは、貧困層の救済と、そこから社会活動や労働市場への参加に結びつけるというもので、85万世帯を対象に6月1日からスタートするそうです。既になんらかの給付を受けている子育て世帯には手続きなしで給付され、その他の人たちに関しては自分でオンラインや電話で手続きをするとのこと(申請開始は6月15日)。給付額は月額で独身世帯462ユーロ、ファミリー世帯1,015ユーロ、その他家族構成(一人親や子供が多いなど)によりその額も変動するようです。これが6月分から12カ月間(今のところ)給付されるというシステムになっています。給付対象がどこまでになるのかよくわかりませんが、そのあたりは社会保険や税務所の審査があると思われます。

そんなわけで、政治のゴタゴタはどうあれ、やることやってくれればそれでいいと思った次第。いろいろ不安になるようなニュースもあるけれど、なんとか今の状況が少しでも良い方向に向かうといいなと思っています。


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