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「非常事態の延長」と「新しい通常への道」

今日(5月6日)スペインでは、2つの大きなトピックがありました。

1つ目は、今日の議会でさらに2週間5月24日までの非常事態の延長が正式に決まったこと。今回は野党(右派)の猛烈な反対があり、延長案が通過するかは微妙なところでした。PP (Partido Popular 国民党)のPablo Casadoが首相のPedro Sánchezに「独裁的なやり方だ」とか散々言っていましたが、Sánchezも「私をいくら批判しても構わないが、スペイン国民を傷つけることはしないでほしい」と強い言葉で反撃していました。今回の非常事態の延長が正しい決断なのかどうかは何とも言えませんが、これだけ強い言葉で言ってくれると、ある意味リーダーとしては頼もしい。とはいえ、”Nueva Normalidad”(新しい通常)に向けて外出制限の緩和や経済活動の再開が始まろうとする中、非常事態は続くということは一体どう理解していいのだろう?と若干混乱しています。。。

2つ目のトピックは、各自治体による来週5月11日からの”Nueva Normalidad”へのフェーズの移行に関する申請がされたこと。これは、あくまでも申請のレベルで、正式な政府の判断は今週末に発表されるとのこと。ちなみに各フェーズの詳細はこちら↓

ほとんどの自治体はフェーズ1への移行を希望していますが、感染の被害が大きいカタルーニャ州では、ほとんどの地域でフェーズ0に留まるべきという判断をしています。また、自治体によっては、いくつかの項目はフェーズ2や3を適用したい、現在の散歩・運動の時間割を変えてほしい、という要望を加えているところもあります。

被害が最も大きいマドリード州は、移行できるレベルではないと言われていたにも関わらず、結局フェーズ1への移行を希望しました。フェーズ1への移行における判断基準の1つが医療システムのキャパシティで、1万人あたりの急患受け入れ病床数が37〜40床、ICUが1,5〜2床、と数値基準が明示されています。経済活動の中心地であるマドリードがフェーズ1へ移行をしたいのは理解できますが、この基準を照らし合わせると難しいと思われます。

ちなみに、来週の11日から私が勤める店舗も営業再開すると思われていたのですが、「11日からの営業再開はまだできない」と今日連絡がありました。バレンシアに関してはほぼほぼフェーズ1に移行できると思われますが、今週末まで正式に発表がされないため準備の時間を要するからか、はたまた全店足並みを揃えるためか(他の州ではフェーズ2にあたるショッピングセンター内に構える店舗もあるため)、はっきりした理由はわからないのですが、いずれにしても11日からの営業再開はないということで、私の気持ちはまた伸びきった状態になってしまっております。。。

* 冒頭の写真は、自宅の近所にあるPlaza de la Reinaという広場近辺の1コマ。カテドラルがすぐそばにある観光エリアであるため、今のところ人通りは少ないままですが、ハトは密状態。。。

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