見出し画像

政府も疲れている。。。

スペインにおける外出制限は、さらに2週間の延長(5月9日まで)がされると今日の議会で正式に決定しました。今回の議会も長丁場で、様々な議題が上がった中、やはり焦点は子供たちの外出制限緩和について。昨日発表された内容があまりにひどく、野党からも多くの批判がされました。私もご立腹モードで記事を書きましたので、詳しくはこちらをご覧ください↓

発表の内容を簡単に要約すると、4月27日から14歳以下の子供たちの外出は可能になるが、スーパーマーケットや薬局、銀行などへの大人の外出について行く形であり、散歩はできない、というもの。ちなみに当初言われていた案は時間の制限を設け、他の子供たちと交わらないように距離を保ちながら、保護者1人が付き添う形で家の近所での散歩が可能になる、というものでした。

実は、この発表内容は政府内でも寝耳に水だったようで、昨日の記事を書いた後、厚生大臣のSalvador Illaが(慌てて?)会見をしたことを知りました。きちんとした制限を設けた上で14歳以下の子供たちが散歩をできるようにする、詳しい内容は今週の土曜日に改めて発表する、とのこと。ひとまず最初に発表された内容が決定ではない、ということを念押しする形になりました。

そもそも、この子供の外出制限緩和のニュースは、政府側としても目玉となる朗報になる予定でした。現に、首相のPedro Sánchezも先週の土曜日に少しでも早く良いお知らせがしたいと思ったのか、まだ詳細も決まらないうちに、4月27日から子供たちも外出ができるようになると発表していたのです。専門家の進言もきちんと取り入れてうまく進んでいたはずなのです。それなのに、昨日の発表は全てが翻るものになってしまった。。。せっかくの嬉しいお知らせが、まさに大失態の体をさらすことになったのです。

子供たちの外出制限緩和については、2週間位前から既に閣僚内で話し合いが行われ、厚生大臣のSalvador Illaと副首相のPablo Iglesiasを中心に法案が練られていたようです。彼らはもちろん当初の案で話を進めていたのですが、閣僚は23名いますし、なかなか合意が得られない中で、記者会見のリミットが来てしまい、そこで手渡された内容が昨日のトンデモ発表だったということらしい。。。

実際にこの発表を行なったのは、政府のスポークスパーソンを務める財務大臣のMaría Jesús Monteroだったのですが、彼女も手渡された内容をしっかり見る時間もなく発表したに過ぎないようです(それぐらいギリギリに作られたものらしい)。「スーパーマーケットではよりソーシャルディスタンスのコントロールが可能になる」と言っているのを聞いて、「このオバちゃん何言ってんの?」と思いましたが(だって、実際には逆だし、密室の方が感染リスクも高くなる)、これも苦し紛れの言い訳だったのかもしれません。

この発表内容が誰の意見を尊重したものなのかは、結局はっきりとはわからないのですが、ネックとなっていたものはEl Decreto de Alarma(非常事態法令)の内容で、その中で定められた外出制限の内容に沿った形で子供たちの外出制限緩和の段階も踏まなければならなかったようです。つまり、不要不急の外出以外は基本禁止なわけですから、おのずとスーパーマーケットや薬局、銀行への大人の外出に付随するもの、という考え方になったと思われます。
だったら、何のために今まで話し合ってきたの?厚生大臣も専門家も皆同じ方向を見ていたのになんなの?首相だって良いお知らせを口走ったじゃない?

                            *.                              *                              *

で、結局のところ、これだけ内外から批判が出ていることで、元の案に戻りそうな感じになっています。その後もいろいろなニュースが入ってきていますが、まだまだ一転二転するかもしれないので、しっかり決まるまでここには書かないこととします。

ロックダウン6週目にしてのこのドタバタ劇。El Paísの記事でも「6週間立て続けに法案作成のために休まず働き続けてしんどくなってきているからか、最近このようなことがよく起こっている」という表現をしていましたが、政府の方ももう限界、という感じなのかもしれませんね。

*冒頭の写真は、テレビの画像でよくわからないかもしれませんが、レストランのテーブル席にアクリル板が置かれている様子。まだ再開の目処が立たない中、マドリードのレストランやバルではいつでも再開できるようにと着々と準備をしている模様。4人掛けのテーブル席を4分割するようにアクリル板を設置し、隣のテーブルとの間にもさらに仕切りを設けています(確か中国で既にやっている方式)。空調も垂直に空気が上がるように整備しているとのこと。もちろん一部のレストランやバルが始めていることだとは思いますが、諦めずに今できることを頑張っているスペイン人もいるようですね!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?