ツラツラ小説。 控えめな2人。
↓構想。
「クラスメートの2人。
照れ屋で口下手。お互い思い合ってるのに、両片思いが長くて、盛大にすれ違ってる様を見て、"もうっ!!"ってヤキモキしたいです。」
本編↓
今日は君と会えるだろうか。朝の8時13分。君がこのげた箱に来る時間だ。早すぎず、遅すぎない時間は君っぽい。僕と君は来る方向が逆だから、げた箱でたまたま会ったようにする。僕は君が何時に来るのかを教室にいる時から逆算していた。こうして書いてみるととても変態じみているが、君と会話できるのはこの瞬間くらいしかないと思っている。
君もちょうどいま来た。
「お、おはよう、」
「…おはよ。」
君の声がとても好きな僕はこのおはようを聞くためだけに学校に来ているようなものだった。君はクラスにいてもほとんど話さないので、誰も君の声を聞いたことがないと評判なくらいだ。そんな君の声を僕1人のために聞いているこの瞬間がたまらなく好きだった。
そんな生活が続き、修学旅行が近づいてきた。僕は男子グループのリーダーになり、毎朝、少しはやく行かなければならなくなった。君と話せる時間が奪われたが少しの間だ。
早く行く日の初日。学校に着いてから先生に今日は中止と言われた。ついていない時はとことんついていない。教室で1人、本でも読んでいた。
扉がガラガラと開いた。君が来た。こんな早くに。
「…おはよ。」
「お、おお、おはよ、」
「…誰もいないね」
「そうだね、まだ早いし、」
「隣、いい?」
「うん」
君はクラスの誰かが来そうになる時間まで僕の隣に座り、時間になると、
「…またね。」
とだけ言って、自分の席に戻る。
結局、そのあと、修学旅行の朝の集まりはなくなった。僕は、朝早く行くことにしてる。
教室に着くと、君が僕の席に座っていた。
「…おはよ。」
「そこ、僕の席だよ、」
「この時間だけ、席交換しよ?」
席を交換した。君が僕の席に座り、僕が君の席に座る。
(待て待て待て待て。これ、どういうことなんだろう、君はどんな思いで席を交換しようなんて言ったんだろう、わかんないよ、ただの友達だって思ってるかもしれないし、この時間も本当は嫌だって、僕が無理矢理させてたらどうしよう、うわー死にたくなる)
僕は笑顔を見せる。君が恥ずかしそうに笑顔を見せる。
「あ、あの、、!もし、嫌じゃなかったら、その、嫌だったらいいんだけど、、か、帰りも、、一緒に、帰らない、、?嫌だよね?ごめん」
「…いいよ?」
「ほ、ほんと?」
「私、東京行ったら君といたい。」
「修学旅行の時?」
「うん、2人で、フリー時間の時はさ、2人で行動しようね」
「うん、、こちらこそ、、よろしくお願いします」
2人の小さな、控えめな笑い声が教室で響いていた。