ヴィヴオーディオで羅小黒戦記をみたら感情が爆発した話


2021年の映画始めは、羅小黒戦記(吹替)だった。



1/15から地元の映画館で、とっておきの音響設備のある大きなスクリーンだった。因みにとっておきの音響設備とはイオンシネマのヴィヴオーディオというやつだ。
昨年あまりにも心に響いてしまったこの作品を、この劇場で公開してくれて、再び見ることができて私は心の底から本当に感謝した。イオンシネマ松本、本当にありがとうございます。
結果的に鑑賞後、クソデカ感情になってしまい号泣してしまった。仕方ない。この映画館では初めてだったが、作品自体は7回目の鑑賞。 音が良かったのもあるが、改めて何がここまで私の心を惹きつけるのか。昨日は鑑賞しながらも、あぁこういうところが本当に好きだなと思い耽りながら見ていたので、まとめておきたい。

以下ネタバレ含む感想。


あのマジで最高ですヴィヴ・オーディオよ。当たり前だろうが兎に角音が良い。大音量という訳ではなく、細かい小さな繊細な音までよく聞こえるし、何より自然の音が凄く綺麗だった。本当に森の中にいるような気持ちになった。フーシーの森で私は完全に森林浴をしていた。
また、領界内での無限とフーシーの戦いのシーンの音も気持ち良過ぎて最高のASMRか?となった。そして通常よりも更に音の強弱がついているのか、今まで見えなかったシーンがより明確に見えるようになり、この映像今回追加されましたか?となったぐらい色々なシーンがより強調された。

音が良かったのもあるが、改めて何がここまで私の心を惹きつけるのか。鑑賞しながらも、あぁこういうところが本当に好きだなと思い耽りながら見ていたので、私の思いをまとめておきたい。

小黒について
冒頭の森での辛い思い出の夢のシーンを見ていて、この頃の小黒には既に危機に対して、逃げるという選択肢の前に、何が起こっているのか自分の目で確認をしに立ち向かう能力みたいなものが本能的に備わっている事に気が付いた。その後フーシーと出逢い、翌日の朝にまたただならぬ気配を感じた時にも、またすぐに様子を確認しに走り、即座にフーシー勢力に加勢した。
……………私だったら大きな物音がしたら確かに確認しには行くとして、昨日出会った人達がボコボコにされてたらどうか見つかりませんように…って陰でコソコソ息を殺しながら見てる。立ち向かわない。ロジュに抱えられて脱出ルートだ…。
まだ幼い妖精の小黒だが、小黒の本質としてそういうところがあるなと感じて、それと同時にフーシーと出逢い、ロジュ、テンフーと出逢い(呼ばれないシューファイにはマジで同情して笑ってしまう)たった一日、むしろ半日程しか同じ時を過ごしていなくても、それ程までに小黒は居場所を求めており、同時に救われたんだなぁと感じて爆泣きした。辛い結果になってしまったけど、例え仕組まれた出逢いだとしても、与えられた時間が幸せに感じたことは幻では無い。そのことについて小黒が迷ったときには無限が側にいる。小黒が無限に「お前の中にちゃんと答えがあるだろう」と答えたくれた事で見失わないでいられるのかなと思う。
無限との旅を通して、色々なものを見て、技術的にも人間に対する向き合い方も少しづつ学んで成長していく過程が愛おしくて、何よりも尊い命…守りたい…。
そして私のこの映画の大好きポイントの一つ、中国版エンディングでのwebアニメに出てくるキャラの書き下ろしシーンの一つである、山新が小白に運命の猫と出会うかもと言っているところ。
元々この羅小黒戦記はWebアニメが始まりで、その前日譚が現在公開されている物語だったのだ。webアニメではこの映画の数年後の設定で、無限の元で修行を積んで成長した小黒の物語なのだが、とある事情で小白という女の子と出会う。小白は偶然にも小黒の事を小黒と名付けて、(その辺の時系列の詳しい設定は良く解らないので監督も明言していないようですが是非詳しい方ご教授して欲しい…)でもこれを運命といわずなんというのだろう。当初人間に対していい思いを抱いていなかった小黒だが、それでも無限と旅をするにつれ、ミン先生の言葉を借りるが、執着が良い結果を生むとは限らないことを学んでいき、電車での出来事も通して少しづつ人間に対する感情が変わってはきていたと思う。でもまだまだ師匠以外の人間とは距離をとっていた矢先、小白と出会うことで小黒はさらに様々な感情を知っていきどんどん成長しいくのだなぁと思うと、本当に母性が爆発してくる。
もしまだwebアニメを見ていない方がいたら是非、日本語訳もついているので見てほしい。


無限について
鑑賞7回目にて、改めて無限の小黒に対するビック・愛に平伏すのみだった。500年生きてると違うな。余りにも大きな愛で包み込んでいた。小黒の事を初めは完全にフーシー達の仲間と勘違いしてたが、領域に入った事で違うと分かってから、陸に上がって小黒が居場所を求めている事を理解してから、そっと(強引ではあるが強制的でなく)様々なものに触れさせ、考える機会を与えてくれる。無限にとっては館の決まりや指示、自分の考えもあってフーシーを追っていた事情があるが、彼は小黒にとってのフーシーを否定することはない。ただ、一方のみを知り偏ってしまわないように。これは子の成長にとってはものすごく大切な事だと思う。人間でありながら妖精に近い存在である彼の存在は、他の妖精達にとっても特別な存在とわかる。中立的な彼の立場を考えると辛いこともあるだろう。しかし、多分自分の立場も理解していて役割に務めていたこと、とても尊敬する。そして弟子第一号が気になりすぎるな…。
フーシーに領界を奪われてしまった小黒に対して、とても心配している場面、フーシーに対して怒り爆発している場面、愛情深いことを証明していて愛おしくなる。優しさはいつだって心にしみわたる。

前にも書いたかもしれないけど無限にとっては、館の決まりもあるのかもしれないが彼自身の中の善悪がハッキリしている気がする。フーシーにとってもそうかもしれないからお互い譲ることが出来ず争うことになってしまったことが悔やまれて仕方ないよね。

ところで一緒に旅をしたいと小黒が胸に飛び込んできてずっと胸に顔をうずめているクライマックスのシーン、最高すぎませんか?愛おしすぎませんか?

フーシーについて
フーシーについて考える事は、少ししんどくて避けていた気がする。彼の中の正義は決して間違っているものではないし、誰も否定出来ない。人間が嫌いな訳ではないのに、人間に住んでいた場所を追いやられてしまう。憎みたくなかったとして、いったいその感情はどこにぶつけることが出来ただろうか。どうして人間と妖精のすべては共存できなかったのだろう。執着がいい結果を生むとは限らないのは勿論だが、誰かが執着してくれたことで、開けた未来もあるだろうと思う。フーシーが壊してしまった場所で、突然大自然が生まれた場所で、私たち人間は何を考えるのだろう。きっと誰かの能力で記憶は書き換えられるのかもしれないし、人間は誰も。無限以外か、知るすべもない。だけどそこは沢山の人が癒され、救われる場所になっていって、新しい命のお散歩コースになったりするだろうなと思う。ここまで妄想のようだが、公式によってのちのあの場所は風息(フーシー)公園になっていると後悔されていたのだ。この事実を知った時も、またしてもあまりにも感動してしまった。

私がこの作品の好きなところは、辛くて悲しいこともあるけれど、そこかしこに優しさはちりばめられていて、味わうごとに隠れている優しさをどんどん見つけて感じることが出来るところかなと思った。

羅小黒戦記の400年前の設定の藍渓鎮というWeb漫画(スピンオフのようです)もあまりにも最高です。すでにたくさんの方がNoteでも纏めてくれていてたどり着くことが出来ました。すべての作品が繋がっていて、映画羅小黒戦記を見てから飽きることなくのめり込んでいく毎日だ。

単行本は現状日本では手に入りにくいですが、タオバオなどを通して購入できます。先日池袋のジュンク堂で入荷もしていたみたいなので(即売り切れてしまったみたいですが・・・)これから更に注目されてほかの書店にもどんどん並ぶようになってほしいなと願うばかり。ちなみに日本語版は無く、有志の方が翻訳してくれているサイトがあるのみだが、この世の中は本当に優しさに溢れているなとまた感謝の気持ち。


コロナ禍で中々映画館に足を運ぶのが難しい人たちもいるだろう。私も細心の注意を払い感染拡大防止に務めつつ、また足を運びたいと思う。今だ円盤化の声明は無いが期待に胸を膨らませ、タオバオで羅小黒戦記のグッツをカートに追加する日々を過ごす。



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