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このおもちゃ あきちゃった

今日届いた絵てがみ。
一応94歳だけど、毎日料理を作り、お菓子とアイスを大量に食べ、カラオケにも毎日行く。
そんな世界で一番かわいい私のおばあちゃんが月に2度くれる、すてきな絵手紙を紹介します。

『このおもちゃ あきちゃった』

ももちゃん 元気ですか
だんゝと家へ近いて来ますね
指折りかぞへてアイちゃんと
頸を長くして待ってます

イギリスマデとどくかもね
帰って来たら一番たべたい物
つくってあげますね もう少しだから
良くおぼへて 私にも二ツ三ツおしへてね
では又ね


《解釈・孫のひと言》

初めての投稿なので、必要最低限の情報をお伝えすると、孫のモモンガは留学中。スコットランドにある、エディンバラという山と海の見える美しい街で暮らしています。

留学中の家族のコミュニケーションは、手紙。もう21世紀だけど、我が家はまだまだ文通派なのです。そして、家族がほぼ毎週送ってくれる手紙の中に、このおばあちゃんからの手紙が大体1、2枚入っています。

この絵手紙は、3月も終わりに差し掛かった今日届いたもの。

可愛らしい頰の、色白できょとんとした少年?と、への字の口をした人間味たっぷりのわんこ(のおもちゃ)、どちらがどちらに飽きているのかわからないような表情ですね。くすっと笑って思わず微笑んでしまいます。

「このおもちゃ あきちゃった」というタイトルも、子供らしく素直でお気に入りです。
小さい頃はよく「物を大切にしなさい」「もう持ってるんだから我慢しなさい」と言われるし、実際にそれは大切なことなのだけれど

子供は常に、新しい繋がりやインスピレーションを求めてるし、本音では“飽き”への理解が欲しいのかもしれませんね。飽きは必ずしも悪いことではありません。大人であれ子供であれ。

祖母は、私が新しいぬいぐるみを欲しがっても、それを私が昔のものを大切にしないからではなく 新しいときめきを得たからだ、と解釈してくれました。本当に優しいですね。
私のリクエストに応え、祖母が買ってくれたぬいぐるみは、ほとんど未だに覚えています。

しかし祖母は私にだけでなく、ぬいぐるみ達にも優しかったので、常に彼ら彼女らの気持ちも汲んでいました。その証拠に、私が何も言わなくても、「こんなに汚れて可哀想。」と言って寒くても手で洗ってくれたり、「ほつれて可哀想。」と外れたボタンや出た綿を直してくれていました。

この絵手紙のわんちゃんは、飽きたと言われた時、ほんとうはこんな顔がしたかったのでしょうね。ぬいぐるみ想いでもある祖母は、知っていたのでしょう。

わんちゃん、許してね。実際私は、全てのぬいぐるみに平等に接しようと努めていたものの、確かに飽き性ではあったと思います。
絵手紙の子の様に、少し不満そうなとぼけ顔で、飽きたんだもーん、と言っていた可能性は少なからずありますね。ぬいぐるみ側も、そんな持ち主にちょっとだけ飽きちゃったのでしょう。

きっと祖母は、そんなぬいぐるみ達や、飽き性だった孫のことを思い出して、このようなかわいい絵をはがきに描いてくれたに違いありません。
初回なので随分と長くなりましたが、この絵手紙を受け取った、孫のひと言でした。

おばあちゃん、今日もあたたかい気分をありがとう。

素敵な1週間になりますように。日記をつけたら、もう寝るね。

ももんが


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