092.星のエレベーター [U ウラン] [蟹座2度]

私は星のエレベーターに乗り込むと、屋上のボタンを押した。

地上にはたくさんの電波が飛び交っていたけれど、そこに大事なものは何も含まれていなかった。根気よく丹念に調査したけれど、残念ながらそれが結論だった。私はだいぶ落胆していた。


エレベーターはぐんぐん上昇を続けた。階を上がるごとに、電波は数を減らしていった。落胆した心も、どこかの階で消えてしまった。最上階に近づく頃には、ほとんど何も聞こえなくなった。




チンという音がして、扉が自動的に開いた。




私は屋上に足を踏み入れた。





そこは月も星も見えず、真っ暗だった。





後ろでゆっくりと扉が閉まった。

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