見出し画像

“丁寧な暮らし”に満腹?

こんにちは、こんばんは、おやすみなさい。
照明のもももろうです。

今回も笑いなし!涙なし!ひかりあり!な内容でお届けしようかと思ったんですが、たまには別のテーマもいいかなと。
でも、そんなに離れた話ではございません!
なんたって、わたしには引き出しが少ないんですもの。


というわけで、世の中のこんなところにはもうお腹いっぱいなんですよ!という内容でお届けするこの“満腹シリーズ”(え?続くの?)。
今回のテーマは「丁寧な暮らし」です。

ライフスタイルを紹介する記事やら広告やらでよく見るこの「丁寧な暮らし」というキャッチフレーズ。調べてみると、結構否定的な意見もあったりするのですが、みなさんはいかがなもんでしょうか。
わたしはこのワードを見るたびに、もう企画側も読み手側もかなり疲弊してませんか?なんて感じるので、改めて今回書いてみようかと。

言葉の大切さ

いきなり言ってしまいますが、否定派まで生まれてしまったり、これをうっとうしく思ったりする理由は「“丁寧”な暮らし」という言葉が、もはや適切ではないからだと思っています。
わたしは言葉の専門家でもなんでもないですが、よく考えるのは、言葉というのはあくまで「器」でしかなくて、その中に意味がつまっているということ。
そして、時代の流れとともにこの意味の部分が変化したり、増えたり減ったりするものだという事。

この場合、こういう暮らしを「丁寧」と呼べば、響きも美しく、誰もが憧れるような魅力的なものとして発信できるよね、ということを考えた仕掛け人がいるわけです。
そして、それがうまく浸透してトレンドになる。

百も承知かと思いますが、言葉に価値が生まれるとビジネスが絡んできます。そうして、それらは三者三様に発信されます。差別化をはかりたい人によって具体性が増し、インスタントに利用したい人によって抽象度が上がる。

これこそが丁寧な暮らし、こうすれば丁寧な暮らし、丁寧な暮らしはこうでなければ。

さらに“幸せ”とか“自由”みたいな根源的なものが添えられると、次は「丁寧じゃない暮らし」にも目がいきますよね。
わたしの暮らしが丁寧じゃないって言ってます?とか、幸せってそこにしかないのかな?とか。それ以外を否定するような、なんだか自分の人生に大勢の他者の価値観が流れ込んでくるようなムーブメントが発生します。

少しネガティブな方向へいきそうなのでフォローしておくと、もちろんそこに新しい発見や素敵な体験なんかもあります。実際にそれを享受して良かったという事が多いからこそ、トレンドにもなったりするわけで。

ただやっぱり、みんなが大好きで憧れがあるというのは=“売れる”がビジネスの常。よく見かけるワードというものには、ほぼ確実にビジネスが絡んでいます。照明で言うところの“北欧”然り。
この言葉が生まれてもう10年以上は経つでしょう。未だなお、一線で使われている言葉にこの理由がないわけがないのです。

マクドナルド

“憧れの暮らし&原点の生き方”みたいなこのワードが、一般消費者にはとても魅力的に映るのはよく分かります。
だからこそ今でもよく見かけるのですが、もはやスルメイカでも味せんわ!というほど、噛みしだかれたこの用語は、生まれた当時に比べるとかなり不純物が混ざっているように感じます。
嫌気がさすとは違うんですが、わたしも結構お腹いっぱい感がありまして。

「え!?もも氏はそっち側の人では!?」みたいなイメージがあると思います。なんかたまに言われますし。
マクドナルドとか行くの!?なんて言われたことあります(丁寧な暮らしをしている人は行かないらしい)

いや、行くでしょ!!ポテトもドリンクもLにするでしょ!
ナゲットもつけるし、出来ればシェークやツイストも食べたい。
ハッピーセットのオマケが図鑑なら恥を忍んでいただくし、チキンタツタは最初にコブのとこだけ引きちぎって食べるでしょ(無関係)!

さて、マクドナルドでもお腹いっぱいになったところで戻ります。
前提として、別にこの用語自体を否定的に捉えているわけではありません。だって、もうずいぶん昔からある言葉ですから。それに当時は、なるほど〜なんて思ってましたからね。特に“道具を大切に使う”なんて事は、ものをつくる人間からすれば本当に大事な事です。

ただ、わたし個人としては、今となってはこのワードからはビジネスの匂いしかしないので、逆に使うのを避けていたくらいです。
もちろん、あかりのこと“丁寧”に考えてみましょうね〜みたいな事は言いますが、どうしても上記の理由から使う気になれない「丁寧な暮らし」という言葉。

いやね、自分のことで「丁寧な暮らししたいわ〜」とか「丁寧に過ごしていま〜す」みたいなのはいいんです。
だって、自分がしたい事やしてる事を言ってるだけだもの。

言葉の中身ってなんだっけ

ここがちょっとイメージと違ってた(というか変化してる)部分になってくるんですが、例えば、丁寧な暮らしを銘打って紹介される事というと

  • お片づけしましょう

  • 朝早く起きましょう

  • お茶する時間を作りましょう

  • 身体によい素材で料理を作りましょう

  • 自然由来の服を着ましょう

  • 必要なものだけ携えましょう

そして、てまひまを掛けて、そこに価値を見出す暮らしをしましょう。

古き良きアナログだった時代を思い起こさせそうな、日本人がずっと大切にしてきた清貧に見る美学というか。色んな技術やサービスで便利になった現代で、忘れかけているあのひととき、あの慎ましかった価値を思い出しましょう。という感じですね。

確かに言葉だけ見るとなんて事はないのですが、現代でこれをしようと思うと、結構いろいろ犠牲にするものがありそうです。何を優先するかみたいな話でもありますが。さらに、昨今の「丁寧な暮らし」にはステータス的な要素もあって、◯◯社の◯◯を使っていれば仲間入りなんていうのもあるようですね。
となると、それなりにお金が必要になってくる事もありそうな、、、

あれ?
これって、、熱量的には「引き締まった身体作り」と一緒ちゃいますか!?

言い方を変えるなら

つまり、今世の中に溢れている「丁寧な暮らし」に付くであろう修飾語は、“ストイックに”とか“自分に厳しく”とかなんですよね。


ありのまま、肩をはらずに自然体で、最低限のものだけ携えた、丁寧な暮らし.....
ほわぁぁー!無理ー!
これ「真逆を同時にやりなさい」って言われてるのと一緒じゃないですか?だから、そんなことしようと思ったら、めちゃくちゃ大変。

わたしが考えると、ありのまま、肩をはらずに自然体で、、、ときたら

空いた小腹にからあげクンでもほりこんで、よっこらせと一服のつもりが、スマホいじっちゃったが最後、色々めんどくさくなって、そのまま寝ちゃう怠惰な暮らし。

なんですよ。
これが自然体です。よね?みなさん、ですよね?ですです?

意味が濁り過ぎてなんだかマウント的な要素や、体裁よくまとめているみたいな印象が生まれてしまっている「丁寧な暮らし」
先にお伝えしたように言葉を「器」とするならば、入っているものとの違和感が生じている状態といえませんか?
漆のお椀にビシソワーズ入ってるんですよ、今。

じゃあなんて例えればいいのというと「規則のある暮らし」とか「知足(ちそく)生活」とか「マイルールマイライフ」とか?
え、これじゃ流行らんのよ、、、
ほら、ここにきて本質にぶち当たりました。流行ってることが大事なんですね。批判や否定よりも、一目置かれることやステータスの方が意味がある。
この言葉はやっぱり、そういう構造の上に成り立っているわけです。

丁寧な暮らし

僭越ながらわたしの意見も言わせていただくと、そんなことよりも

  • 季節を感じましょう

  • 旬のものを食べましょう

  • 散歩してみましょう

そして、たまにはぼーっとする時間を作ってみましょう。

みたいな「精神的に自分を”丁寧“に扱う」という意味で浸透して欲しかったんです。そんなん、知らんけどって感じなんですが。笑

そして、それであれば普段からみなさん結構普通にやってますよね?とさえ思っていました。だから、そういうことをわざわざ丁寧とか言いたくないとも思います。

「日が長くなったね」
「新玉ねぎが美味しいね」
「スズムシが鳴き出したね」

日本に生まれて育っただけでみんなそんな感性はあって、たまには忙しさで忘れてしまう事もあるけど、道に生えてるタンポポを見て「あ、春やなぁ」なんて思える。そんな感じで十分ちゃうんかなと。


でもそんなこと言ったら、たぶん
「そうそう、そういうのも丁寧な暮らしの一部〜」
って、あんた誰やー!

おススルメ

だから、わたしのおすすめとしては「丁寧とかではない暮らし」です。

そしたら、かえって「丁寧」という言葉も大事に出来るし、誰にでもある生活の“むら”みたいなものも、逆に楽しめると思うのです。
ルールもルーティンもいいんですが、暮らしってもっとむらを認めて、認められてこそ自由や幸せにたどり着けるんじゃないかなぁと思っていて。

ものをつくっているので本当はトレンドを意識するのがセオリーなんでしょうが、その構造が分かっているからこそ、こんなことを言ってしまう。
一応、自分がダメージ受けないよう、言葉は“丁寧”に選んでいるつもりですが!笑


「ありのまま、肩をはらずに自然体で、丁寧とかではない暮らし」


うん、流れもいいですね。

よし!もし流行ったら、散々利用してスルメイカでも味せんわってくらい噛みしだいてめちゃくちゃ稼いでやる!(台無し)

ともあれ、言葉狩りをするつもりなんてさらさらないんですが、たくさんの人が感じたり動いたりするものだから、やっぱり大切に考えたいなぁと思うのでした。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?