昔々あるところに…その6

おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんとおばあさんは入手した大きな桃の中に入っていた赤ん坊を

コードネーム『桃太郎』と名付け、育てる事にしたのでした。

「さて、育児をする事にしたとはいえ、ワシらは共に仕事を抱える身。

 常にこの子の傍にいてやる事は難しい。

 そこでじゃ、信頼できる所からベビーシッターを雇う事にした。」

「なるほど、さすがはおじいさん。打つ手が早いですね。

 資金面はいかがいたしましょう。

 国からの助成金や給付金を頼るのでしょうか?」

「場合によってはそれはありじゃ。むしろ推奨される。

 じゃが、ワシらにそれはできんのじゃ。

 例えば『児童手当』は0歳から15歳までが対象とされており

 3歳未満は一律1万5千円、3歳以上から12歳は1万~1万5千、

 12~15歳は一律1万円となっておる。

 じゃが、養育者の所得が所得制限限度額以上の場合は

 どの年齢も月額一律5千円になっておるんじゃ」

「という事は私たちの所得を考えると、

 申請しても一律5千しかもらえないと」

「そういう事になるのぉ。それでも貰えないよりはマシなんじゃが、

 今回は諸事情によりまだ届をだしておらん。

 もう少し様子を見て届を出せる状態になったら

 『児童手当』を貰うとするかのぉ」

「なるほど、とはいえ、基本的は利用したほうが良い制度なのですね」

「当然じゃ。そこに住んで税金を納めている以上

 どんなにお金をもっていようとも受け取れる権利がある。

 他にも企業に勤めていれば給付金がもらえる制度や、

 ベビーシッター利用の際に助成金が出たりするんじゃが、

 これには申請を出した企業や指定のベビーシッター企業を

 利用するという制限が設けられておる。

 普段はこの辺りを調べながら手当の出る所を選んだ方が良いと思うが、

 これまた今回ワシらは特別じゃからのぉ。

 リスクを避けるために助成金も出ない場所を選んでおる」

「企業や所属に関係なく全ての家庭に

 給付金や助成金がおりればいいのですけど」

「理想ではあるがそれは難しかろう。

 それでも探せば収入が無くても育児しやすい環境を作る事はできるし

 収入があり共働きの家庭も子育て出来る環境を

 作る事もできるようにはなっておる。

 後はどこまで調べてどう利用するかじゃな」

「おじいさん、これは下町の方達にも教えてあげた方がよいのでは……?」

「その必要はなかろう。

 この程度の情報ならちょちょっと調べればすぐ見つかるじゃろうて。

 それに我が子のためを思うなら必死になって

 それらを探す事も厭わぬじゃろう。

 そうする事で親と子の愛情が深まるわけじゃな。

 そういった所からも育児は始まっておるのじゃとワシは思う」

そうしておじいさんのよくわからない話が小一時間続き

夜は更けていったのでした

めでたしめでたし……

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