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加古川図書館について

令和3年3月8日の質問です
(登壇)  
 改めましておはようございます。かこがわ市民クラブの井上恭子です。通告に基づき、随時質問させていただきます。
 大項目1、「加古川図書館について」。
 令和3年10月以降に加古川図書館の図書館機能をヤマトヤシキが入るカピル21ビルに移し、建物については書庫として使用する計画となっています。そうなると、現在の加古川図書館には市民が今までのように出入りすることはできなくなります。加古川図書館は昭和10年に加古川町公会堂として竣工されてから85年がたちました。戦災を免れながら、加古川の変遷と発展を見守ってきた公共施設として最長老の建造物であり、市民に最も愛され続けてきた公共施設であると言えるのではないでしょうか。
 実際、広報かこがわでも東播磨の伝統と言ってもいい近代建築様式として評価しています。また、県立東播工業高等学校が毎年ニッケパークタウンで行っている建築作品展では、卒業設計課題として、ある生徒が加古川図書館のリノベーション案をテーマにし、ユニバーサルでコミュニティーを広げるという作品を展示したことがあり、数ある作品の中でも際立った投票を集めました。興味が湧き、1年間加古川図書館の新しい利活用をじっくり考えてつくりましたと本人が語ってくれました。最近、周りから加古川図書館はどうなっていくの、潰すのという質問や不安の声をたくさん聞くようになりました。平成27年、29年に文化的、歴史的、学術的な価値についての内容や保存活用、耐震調査などに関して議会で質問が行われています。それに対し、市は建物の活用について有識者や市民の方々の声を聞きながら進めていきたい、また民間活力の導入も検討していくという見解を答弁しています。災害に対する脆弱性のあるなしで経年劣化の状況、維持費など様々な課題があることは承知していますが、市民は行政が決めることだからしようがないと傍観するしかないのでしょうか。もっと歴史的、文化的な価値にスポットを当てながら活用すべきではないでしょうか。地域住民や若者、有識者等と一緒にアイデアを出し合い民間運営も選択肢に加え、地域の価値を高めてほしいという思いから質問させていただきます。
 小項目1、「図書館機能移転後、加古川図書館の使用方法の経緯について」。
 図書館機能を移転した後、当面、書庫として使用していくと計画していますが、平成27年、29年の一般質問の答弁では、市民の皆様の意見や理解を得ながら進めていくとのことでした。加古川図書館機能移転、建物全体を書庫にしようという中でどのような意見が集まってきたのか、またどんな形で書庫として使用する計画となったのか、プロセスをお聞かせください。
 小項目2、「耐震性及び経年劣化の現状について」。
 本市の施設カルテを見てみると、加古川図書館は施設の中でも一番古い施設となっています。耐震診断はしておらず対策もしていません。そこでお聞きします。昭和10年から46年後に新耐震基準になり既に40年、2000年に耐震基準が強化されてからでも20年余りの長い期間なぜ耐震診断を行わなかったのか、その理由と将来耐震診断をする考えがあるのかご所見をお聞かせください。また、劣化の現状もお聞かせください。
 小項目3、「将来の活用について」。
 同じようなデザインのマンション建設が全国的に展開されています。戸建て住宅も大手ハウスメーカーのシェアがどんどん増えてきた結果、一見すると洗練された景観の市街地に見える一方で町が本来持っていた個性が残りにくくなっているのではとも感じます。画一的な景観で全国どこにでもありそうな地方都市の一つに、この加古川市もなりつつあるように思います。このまま何もしなければ住んでみて便利な地方都市は維持できても、個性豊かな文化を持つ加古川市を維持するのは難しいのではないでしょうか。文化的、歴史的な建造物を次世代につなげることを真剣に考えなければならない時期だと思います。歴史的建造物は若者の間でも、とても魅力あるものとして注目されています。
 島根県江津市では、昭和12年に竣工された都野津会館をコミュニティーの場として運営していますが、平成27年に劣化について町のコミュニティーで議論され、自治体のお荷物と捉えるのではなく、設計図書及び改修履歴調査、劣化状況調査、簡易耐震調査を行い平成29年に登録有形文化財になり改修工事を行い改めて活用しています。それとは反対に、神戸市のように昭和2年に建設された民間の神戸生糸検査所を近代産業化遺産として神戸市が取得し平成24年に開設しています。現在はデザイン都市・神戸の拠点として活発にクリエイターたちに活用されています。
 そこでお聞きします。平成27年、29年の一般質問の際に民間活用も一つの手段として勘案しながら探っていきたいと答弁されています。どのように勘案されてきたのか、将来、民間活用の可能性はあるのか、また今後、市民の方とDecidimのような形の意見収集やワークショップ、意見交換の場を設けるべきだと思いますが本市の見解をお答えください。
 小項目4、「文化行政について」。
 加古川図書館は地域の景観形成に重要な役割を果たしている建造物として、平成20年に県の景観形成重要建造物として指定されています。加古川市歴史文化基本構想では、少しだけ加古川図書館に触れています。加古川図書館に対して、文化性や歴史性を生かしていく素材だと考えますが本市のお考えをお聞かせください。また、本市における図書館の文化性、歴史性の位置づけはどのようなものかお答えください。
 以上で壇上での質問を終わらせていただきます。

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