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先に旅立った友人へ

2人で大笑いしたあの日から、まだ2ヶ月も経っていない。

あの日あなたは、夕食後私と一緒に食器を片付けながら「やっぱそうやんなー」「同感してくれて嬉しいわー」と言いながら大きな声で笑った。
そして私も大きな声で笑った。楽しかった。

あの時お互い色々しんどかったよな。
だから、あんな風に一緒に大きな声で笑えた事は本当に嬉しかった。お陰で私は気持ちが少し軽くなり、「まぁいっか!」って思えたんやけど。

あなたが居なくなって、あなたの居ない世界にまだ馴染めていないけれど、当たり前のように時間が流れていき、私も含めて皆んな日々の生活を過ごしてるよ。
今の私の心にはその流れに抗う力は全く無く、痛みさえ感じない。

でも今はそれで良い。

時間が止まる事はないし、朝目が覚めたら、いつもの様にやるべき事や、やりたい事が目の前にいっぱい積まれているから、それを一つ一つ片付けていく作業を繰り返すしかない。

そして今日も、「めっちゃ大っきいなぁ」ってあなたがビックリしていた私の息子のホッケー道具を入れたバッグを車に積んで、息子の送り迎えをしてくるよ。

相変わらずバタバタしているけど、心が自分の中から切り離され、焦点がなかなか合わないような、ぼんやりとした日が続いている。

子供の頃から強く死を意識して生きてきた私にとって、自分自身が命を終えることよりも、大切な人の命を失うことの方が何倍も辛く、受け入れるのに沢山の時間を必要とするんだね。

私は今までやりたいことを割と何でもやってきた。たくさんの失敗はしたけれど、悔いは無い。だからいつ死んでもいい。

世の中の矛盾や理不尽なこと、虚無感や孤独感、それらを諦めに似た気持ちで全て受け入れながら生きていると、時に激しく私の心は揺さぶられ、そちらの世界に行きたくなる時もある。
そしてこの世界が愛に満ち溢れていると感じた時に、なぜか更に私の心が掻き乱される。

でも私はもうしばらくこちらの世界にしがみついて頑張ってみるよ。

そして最近思うのだけど、あなたを救えなかったと悔いる事は、結局は私のエゴなのかもしれないね。
時々空を見上げながら、「ごめんね」って呟いてしまうかもしれないけど、その時は空の上から何か冗談を言いながら突っ込んでね。

今はただただあなたが安らかに居てくれていることを願いながら、あなたが残していったあなたの優しさと笑顔を忘れずに生きていくよ。

いつかまた会おう。

そして“REALLY GOOD”な時間を一緒に過ごそう。

次会う時までに沢山面白いネタを見付けられるように、そして大阪弁で話しながらいっぱい笑うその日を楽しみに、でもあんまり頑張り過ぎずに肩の力を抜いて、たまには適当に、たまには逃げて、たまには泣き叫んで、自分らしく生きていくよ。

最後に強烈なエネルギーとメッセージを置いていったあなた。
そしてなぜかあなたの人生の最後の期間を一緒に過ごす事になった私。

人生ってなんなんやろうね。
次会った時の議題やな。

最後に、常套句やけど言わせてな。

出会ってくれて有難う。
本当に有難う。

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