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トランペットに才能はあるか?

約半世紀前にトランペットを手にし、大学卒業と同時にやめてしまったトランペット。音楽もトランペットも好きだったのに、あまりにも上達できなかったので、諦めてしまった。ちょうどその頃、前歯を折るというアクシデントも、神からの啓示のように受け止めてしまった。

思い起こせば、中学でラッパを手にしたのはたまたまだったし、吹き方の指導なんて、一つ上の先輩が教えてくれただけ。きちんとトランペットの奏法なんて学ばなかった。なのに、同級生の中には上手な子がいたし、いつまでも高い音が出せないでいた私は、最上級の3年になって、普通は年功序列で1番ラッパを吹くはずなのに、後輩に抜かされてしまった。彼の方が高い音を出せたから。

ということで、同じ環境にいて、指導者なしで吹いていても、トランペットの腕に甲乙が出てしまう。何年吹いても高い音が出せない私がいる一方で、ほんの遊びでトランペットを口にあてたのに、いきなりハイトーンに近い音を出す人もいる。実際、友達に吹かせてみたらそうだったんだ。つまり、才能と呼ぶかどうかわからないけれども、トランペット吹きには生まれつきの向き不向きがあるようです。唇の形、歯並び、体格、息の出し方など、フィジカルな条件が大きいように思います。

陸上競技で、最初から足が速い人、球技などで最初から動体視力や機敏性に優れた人、エラがあるんじゃないかっていう水泳選手、音に敏感な音楽家、描くのが好きすぎる絵描き。。。などなどと同じように、最初からトランペットに向いている人はいる。

だからといって、そうじゃない人がトランペットを吹いて悪いわけではないけれど、この世で2番目に難しい楽器を自由に吹けるようになるには、最初から向いている人の何倍も努力が必要になるんですね。

トランペットが吹きたい〜!と思ったわけでもなく、たまたま手にすることになったような私が、いくら努力しても人並みにはならないと悟った時に、偶然歯が折れて、断念してしまった、というのも、自然な成り行きだった、とも言えるわけです。

結論。
最初からトランペットに向いている人は、間違いなくいる。つまり、それはトランペットを吹く才能があるということ。そうじゃない人がこの難しい楽器を続けるには、相当の練習が必要だし、できれば同じ轍を踏んできた指導者の力添えが重要だと思うのです。

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