見出し画像

最近のご褒美


ひとり暮らし、新入社員4ヶ月目。

何となく元気のない自分がいて
あれ、もう夏がくるの?って
季節においてけぼりにされている今日。

最近のご褒美について、少し記します。


ご飯って、食べ物の内容よりも、
どう食べるかの方がずっと大切で
職場に持っていくお弁当箱は超お気に入りでも
殺伐とした休憩室でひとり黙々と食べていたら
味なんて、よくわからない。

「あの人が作ってくれたお弁当」と思うと
美味しい、優しい味になるけれど
朝慌てて自分が詰め込んだお弁当は
なんだか、まるで粘土のように
かたい味しかしない。

お昼休憩の時間が虚しくて
最近はパン屋さんのイートインを使う日々。
これが、多分いま1番やってるご褒美です。

だから、ここんところお弁当箱は
私の留守を守ってくれる家の守護神。
いつか、お気に入りのお弁当箱を
心から愛しく使える日が来ますように。


お休みの日。
大体いつも、何もやる気が起きなくて
出かけようとしても雷が鳴ったからやめたり
そのまま一歩も外に出ずに終わってしまう。

たまたま、休日だったけど職場に用事があって
出かけた日がありました。

用事が終わって、何となく本屋さんに。
絵本の雑誌を買ってみて、
そのまま帰ろうとしたら
ショッピングモールの出口で
赤いワンピースと目が合って。

なんて可愛いのだろう。
恋をして、試着。

このお店の中では、あまり人気がなかったのか
店員さんに「これで大丈夫ですか?」
「こちらもおすすめですけど」
と聞かれたけれど、胸を張って並んでいる
他のワンピースたちを見ても
他人事のようにしか感じられない。

私の気持ちを汲んでくれるのは
どうもこの子しかいないらしくて、
連れて帰ることに。

これも、最近のご褒美でした。
友達ができた気分。
このワンピースを着てるときだけ、
私は何にも属さない
ただの「私」でいられる気がします。

その日の帰り、最寄駅で降りると
びっくりするくらいのお天気雨。
ゲリラ雷雨でした。

折り畳み傘、持っていたけど
ちょっとグレたい気分だった私は
部屋まで傘をささずに、ゆっくりと。

明るい空、大きな雨つぶ、
私たちの存在を包み込むほどの雷の音。

ぜんぶ、ぜんぶ身体に受け止めて
びしょびしょになりました。

これも、大切なご褒美でした。


私たち、それぞれが命そのもので
同じものなどひとつもなくて
そんな生命たちが、ひとつの枠組みの中で
社会人として動いている。
それってすごいことだと思います。

みんながマイペースに、寛容に
共存できたらいいのにな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?