男女という枠の悩み

みんなは、どれくらい自分のことで悩むんだろう？
どのくらい自分のことを考え、向き合っているんだろう？

人それぞれと言ってしまえばそれまでだけど、少なくとも私は、親しい友人たちから「生きづらそうだね」と言われるくらいに考え込む。
考えなければ どれだけ楽だろう？と思ったこともある。
でも今は、たくさん考える自分を受け入れているし、気に入ってもいる。

多少の生きづらさはあるけれど、そんなの きっと ほとんどの人があるものだと思ってる。
形は違えど、多かれ少なかれ、みんな生きづらさなんて 抱えて当たり前だと思う。
生きづらさを抱えてない方がおかしいんだとすら思っている。

もはや、私には考える以外の選択肢はない。
考えない方が楽なこともあるのは知ってるけど、そんな自分を想像してみて、首を横に振る。
私は、考えたことでたくさん救われてきた。
考えてこなかったら、今頃私はこの世にはいないだろう。
あるいは、自責の念に押し潰されそうになりながら、完全に孤独だっただろう。
だから私は考える。
どんなにくだらないと思えることでも、真剣に考える。

私は、中学生くらいの時、男になりたかった。
生理が来ないし、ゴチャゴチャと面倒な気遣いもしなくていいと思ったし、どう見ても 社会的に男の方が優位そうだったからだ。
でも高校生になると、性別なんてどうでもよくなった。
女だからこそ得られたラッキーなこともあったし、現代の常識では 性別で差がつくのはおかしいとされているからだ。
差をつける方が間違っているんだ。

というか、正直 自分が男だろうが女だろうが、どうでも良かった。
ホルモンの関係で、男女に多少の差が出るのは理解できている。
そういった『区別』は、難しい。

女には生理があって、生理痛があったりするし、ホルモンバランスが崩れて感情的になったりもする。
軽い人も大勢いるけど、重い人も大勢いる。
私は重い人だったから、全く生理痛のない『男』という性別が羨ましかった。
子供を生むつもりもなかったから、なおさら羨ましかった。
生理痛が酷くて学校や会社に行けない。
行けたとしても、痛み止の副作用の眠気で 全く集中できない。
生理になると、ただでさえ眠くなりやすいのに。
しかもこれが毎月だ。
ピルを飲めば期間が延びるが、これだってけっこう体に負担がかかることを忘れてはならない。
金銭的にも大変だ。

となると、必然的に男女で差が出るわけで、区別が必要になってくる。
他にもいろいろ、男女での区別は難しい。
お互いに、もう片方の性別を体験したことがないから、一歩間違えれば差別になりかねない。
私の発言だって、所詮 女という性別の立場からしか言えないから、もしかしたら差別になってるかもしれない。
男には男のつらさがあるんだろうし、私はそれを完璧に知ることはできない。

なかには、性転換をする人もいるだろう。
その人たちは両方を知れるからいいのかもしれないけど、やっぱり 手術するからには、体の負担は大きいだろう。

話が少し それてしまった。
私は、自分の性別がなんであろうが どうでもいいと思っている話だった。
どうしてそんな話をしたかと言うと、今、私には悩みがあるからだ。
正確に言えば、数年前から悩んでいた。

私の、一人称についてだ。

実にくだらない悩みだが、けっこう困ってる。
私は、このnoteの記事では『私』という一人称を使っている。
会社で働いていた時も、体裁を整えるために『私』を使っていた。
でも、学校の友人に対しては『うち』と言っている。
学校以外で知り合った友人に対しては『自分』と言っている。
パートナーに対しては、パートナーが呼んでくれているあだ名で自分のことを呼んでいる。
つまり『自分の名前』を、一人称として使っているようなものだ。
家族に対しては『自分の名前』を、一人称として使っている。

どうだろうか？
すごく面倒だと思わないだろうか？
私はわざわざ、相手によって一人称を使い分けているのだ。

久しぶりに学校の友人と連絡をとったとき、その友人の一人称が変わっていて 少しドキッとした。
その子も、私と同じように『うち』だったはずなのに『私』に変わっていた。
やっぱり『うち』というのは学生向けなのだろうか。
だとしたら、私も、一人称を『私』に統一すべきなのだろうか？
でもなんか、しっくりこなくて、統一できない。

性別なんてどちらでもいい……というのは、本当は『どちらも嫌だ』ということなのかもしれない。
だって、本当にどちらでもよかったら、一人称で悩まないと思う。

『私』という一人称は、男の人も使う。
だから、それがベストなのかもしれない。
でも、どうして こうも すんなり受け入れられないんだろう？
『僕』とか『俺』も全然違う。
しいて言うなら『自分』が一番しっくりくる。

なんで英語みたいに『I』『My』『Me』とか、統一されてないんだろう、日本語は。
そんなこと言ったらおしまいだけど。(笑)

一人称で悩み続けている私は、極力 会話の時に一人称を避けるようになった。
パートナーは特別だから、まったく避けてないけど。

よく「一年前に悩んでいたことなんて、大体忘れてる」って言うけど、私の場合 忘れてないから困る。
「解決した！」と思えるまで、ずっと考え続ける。
だから「生きづらそうだね」なんて言われるんだろうな。
でも仕方ないよね。
自分がまったく関与できない悩みは、考える必要なんてない。
けど、自分自身のことは 自分自身が一番考えてあげなきゃ、誰も解決なんてしてくれないんだから。
考えて考えて、納得いくまで考え抜くしか、解決の道はないんだから。

考えた結果「これは時間が解決してくれる問題だ」って思うこともある。
そしたら一旦放棄することもある。
だけど、忘れるわけじゃない。
「解決した！」って思えるまで、忘れはしない。

あー、悩みは尽きないよ。