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「突」という漢字の成り立ちは、

犬が穴から急に出る。「犬」が「穴」の中にいるようすから構成されている。

三省堂『漢辞海』

とのこと。
もともとは「大」は「犬」と書いた。

昔の人にとっての犬というのは、おそらく私たちにとってのペットとしての犬よりも獰猛な印象があるだろうから、「穴から急に犬が飛び出す」という状況は、くすっと笑ってしまいそうなほほえましいものではないのかもしれない。

でも、やはり現代の感覚だと、漢和辞典で成り立ちを調べて、「か、かわいい」と思ってしまう。

以前飼っていた犬(桃)は、私と「かくれんぼ」ができた。もちろん、典型的な「頭隠して尻隠さず」のような隠れ方で、私がわざと見えないふりをしないと成り立たない遊びだった。
「あれ? 桃がいない。桃、どこかなあ」
と言うと、犬が「息をひそめる」瞬間の、その息遣いが聞こえてくるのだ。だが知らんぷり。
見当違いな場所を覗いたり、引き出し開けて、「桃?」と言ってみたり。そんなことをしたあとに、ようやく桃を見つける。桃、待ってましたとばかりに、大喜びで机の下から飛び出す。

まさに「突」だ。

ちなみに、猫のかくれんぼは犬とはまた別。猫の方から「わーっ」と驚かせようとする。穴から飛び出すときも、お尻をふりふりして勢いをつける。むしろ「穴」+「猫」という漢字があったら、そっちの方が「びっくり」度は高いと思う。

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