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悪の組織に改造されたい人生だった。

思えば、どれほどひと気のない草むらをウロウロした少年時代だったろう。

ひとえに楽をして超人的な力を手に入れてかったからだ。
そのためには純真な少年を狙う悪の組織にさらわれることが近道なはずだった。

熱血スポ魂マンガに影響されて、雑木林の立ち木に正拳突きを繰り出しても、激痛にすぐ音を上げて、翌日には手から光線を出す方面に方針転換していた。
少しすると光線を出すより、念動力の方がおしゃれで現実的な気がして、手をかざしてコップを浮かせる試みなどにもしつこく挑戦した。

その頃に仲の良かった友達と、たくさんの怪人を考え出し、多くの強力なキャラクターを生み出した。
しかし、その友達の本心は、怪人を倒すヒーローになることだったのだ。

なぜなら彼はその後、ベビーフェイスのプロレスラーになり、マスクマンとしても大活躍したからだ。
思えば彼は、見事に改造人間になったのだ。自らの手で。
私のように、土手の草むらや廃寺の境内など、あやしげな場所をやみくもにうろつくことなく、少年時代から粘り強く体を鍛えあげていったのだ。

SFが現実になったような世界を目の当たりにして、だとすると宇宙人も古代怪獣も現実にもいるのかも知れない、と思って、そういえば、ずっとそんなことを大真面目に信じていた子供だったな、と思いだしたのだった。



毎日noteの更新を途切れさせたくない一心で、急いで思い出を吐露してしまったが、それ故に一気呵成に書き上げた正直なnoteになった。





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