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愛着障害について当事者の気持ち

今回の記事では愛着障害と診断された私の,生きづらさやどんな気持ちで日々を送っているのかなど当事者視点でリアルに書いていきます🖋

傷つきながら育って,その傷が癒えていないあなたへ届きますように。

愛着障害ってなに?


そもそも愛着障害とは,

「幼少期になんらかの原因により,母親や父親など特定の養育者との愛着形成がうまくいかず問題を抱えている状態のこと」

をいいます。 引用“大阪メンタルクリニック梅田院”

つまり,虐待や離別などによって特定の養育者から愛情を受けて育つことができなかった人が,それによって抑鬱状態になってしまったり,人間関係が正常に構築できないといった生きづらさを抱えている人のことです。

愛着障害には3つ種類がある

「不安型」「回避型」「不安・回避型」に分けられます。

医療記事ではないのでわかりやすくざっくりした説明だけしますが,

・「不安型」=ベッタリした依存関係を求め,強い行為を示し,嫌われたり見捨てられるといったことに強く恐怖を覚える

・「回避型」=人とのトラブルや嫌われることを最初から回避するべく,人に近づかない,深い関係にならないよう常に一線をひいている

「不安・回避型」はどちらの特徴も持っています。

私は「不安・回避型」です。

愛着障害,診断のきっかけ

私が愛着障害と診断されたのは中学1年生の時です。
不眠や抑鬱,希死念慮,虐待のフラッシュバックやパニック障害などの治療のため精神科に通院していました。

そういう鬱だったり不眠だったりは,それ用のお薬を飲めば対処はできるけど根本的な解決にはならないんです。

虫歯があったら、鎮痛剤を飲めば痛みは和らぐけど虫歯を治さないと意味がない
,みたいなものです。

いい先生に出会い,こういった症状の根本的な原因について克服しよう,とカウンセリングなどを重ね,愛着障害だと診断されました。双極性障害(躁鬱)や不眠症といったものは全て愛着障害が原因でした。

愛着障害による人間関係の失敗

①友達との関係

愛着障害あるあるですが,私は人との距離感がうまく掴めなくて馴れ馴れしいんです。
よくいえば人見知りをせずに,誰とでも仲良く話しかけられるのですが,一気に距離を詰めすぎて相手を戸惑わせたり,不快な思いをさせてしまうことがあります。

初対面で恋人の有無を聞いたり,連絡先を交換しようとしたり,ハグをしたり終始ハイテンションだったり。それが許される相手だったり雰囲気の場もあると思いますが,私は誰にでもいつでもやってしまっていました。

また、依存的で深くずっと仲良くしていて欲しいんです。
仲のいい友達が自分の知らない人と楽しそうにしていたり、または少しでも喧嘩とかギクシャクするとものすごく落ち込みます。他の人と仲良くしないで欲しい。

めんどくさいですよね〜。愛着障害あるあるです・・・。

②バイト先や先生など目上の人との関係

堅苦しい雰囲気や敬語がなんだか怖い雰囲気のようですごく苦手なんです。
もちろん敬語は使えるし使うけど、フレンドリーさが入るというか・・・。タメ口と混ざって使ってしまうというか。

それがいいじゃん愛嬌あってコミュ力高い!みたいな場とか相手もいるんですけど、それが失礼だと感じられる場や相手ももちろんいるんです。とても苦手です。

時には「生意気」と先輩に目をつけられることもありました。

今でこそちゃんと空気を読んで、仕事の関係者と堅苦しいやり取りもできますが、内心ソワソワしています。なんだか怒っているみたい、感じが悪くないかな?など。
特にメールのやりとりは表情が見えないからすごく不安です。

③恋愛の失敗

これまでの話で勘づいている方もいると思うのですが、恋人に対してすごく不安がりで、愛されたがりで、常に一緒にいたい依存体質です。
女の人がいる飲み会に行かないでほしい、女の人とプライベートで連絡取らないで欲しい、と束縛もしていました。

喧嘩をしたらこの世の終わり、いなくなりたいと思うほど落ち込んだり、何か少しでも不安なことをされると「浮気してるのか」と責め立てたり、不安で眠れない日々が続いたり。

愛着障害不安型は恋愛体質なので、何人もの人とお付き合いしましたがこんな感じなので、どれも長くは続きませんでした。

4年一緒にいた元夫に関してはまた別の記事で書きます。

逆に回避することも

先に述べた通り私は「不安・回避型」なので、友達や職場の人、恋人に関わらず回避することもありました。

いつもベッタリなのに、突然トラブルになることや嫌われること避けるため距離を置いたり、なんだか人付き合いが面倒になって引きこもろうとしたり。仲良くなりたいけど、でもトラブルになったら嫌だな、とかどうせ私と仲良くなrふことなんてないな、とか。

くっついたり拒否したりの不安定な行動に、相手も自分も困惑していました。

人間関係以外での問題

愛着障害って、人間関係や自分の気持ちにだけ問題が生じるものと思うかもしれませんが、実は「発達障害(ADHD)」の症状もあるんです。

愛着障害と発達障害の誤診

これは医療記事ではないので深く触れませんが、これについては論文も出ているので気になる人は調べてみてください。

愛着障害の症状にADHDと同じ「多動性」「衝動性」「注意欠如」といったものがあります。

愛着障害は幼少期の養育者との関わりによってなるものだと書きましたが、幼少期に虐待を受けたりすると前頭葉が萎縮します。
発達障害は前頭葉が小さいのが特徴なので、愛着障害の人にも発達障害の症状が出るそうです。

だから発達障害かも、と疑ったらそれは本当に発達障害なのか、生育歴・愛着形成に問題はないかを確認しないと、それによって治療も変わります。

※発達障害についてはまた別の記事で書きます

愛着障害を抱える私のADHD症状

私はとても衝動的で、多動多弁で、注意力も散漫です。これに関するエピソードだけ聞いたら「発達障害なんだ」と誰が聞いても思うくらいです。

バックごといろんなところに忘れてくるし、いつも何か探してるし、ソワソワ体のどこかが動いているし、思い立ったらすぐ決行です。
(躁鬱なので躁状態の時に強く症状が出ますが、これについてもまた別の記事で)

発達障害なのではないかと思われ知能検査など専門の検査もしました。しかしさまざまな検査の結果、発達障害ではなく愛着障害による症状だとはっきり言われました。

愛着障害は人間関係だけでなく、発達障害(ADHD)も症状にも悩まされます。

愛着障害って治るの?いや、難しい。

愛着障害は治るというより克服するものです。
愛されなかった幼少期はもう取り戻せません。時間を巻き戻すことはできない。

愛着障害の克服のためには、新たな愛着対象(安全基地という)との間に愛着を形成する必要があります。たとえば恋人(妻・夫)、児童養護施設の職員、などです。
もしくは、親との関係性の改善ですがうちは溝が深すぎてそれは叶いませんでした。

新たに愛着を形成し直すということは、愛着障害にある程度理解があって寄り添ってくれる大きな器のある方と一緒に、克服するんだという強い意志を持って一緒に頑張っていく必要があるので簡単ではありません。

私は結局元夫と愛着を形成することはできませんでした。
愛着障害を克服したとは思いません。

でもね

けど、いましっかり日々の中で愛を感じながら娘を育てています。
大丈夫です。私の記事をこれからも読んでください。

傷ついて、いろんなものを抱えながら愛に飢えていた私でも、全てを克服なんかできなくても、ちゃんと愛を知り自分を取り戻すことはできます。

今回は、愛着障害当事者から見る症状や気持ちについて書きました。

どうやって愛を知った今に至るのか。
これからもいろんなことをまとめながら、共感できる人や情報を得たい人たちへ向けて綴っていこうと思うので、ぜひ読んでください🌱

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