犬のアレルギーと薬膳を取り入れた手作りご飯|ペット
アレルギー症状の悩みは、愛犬、愛猫の病気の中でも一番多いのではないかと思います。
ペットフードのデモンストレーターをやっていた頃、「うちのこアレルギーだから」というお声はとても多く聞きました。
鼻水、くしゃみ、咳、皮膚の痒みや赤み蕁麻疹、重篤になると下痢、呼吸困難、嘔吐、めいまい…などさまざまな症状が生じます。
アレルギーでほとんどの食材がNGという子など私の周りにもたくさんいました。
私のパートナーであるミニチュアダックスの煌明もそうでした。
ショップで出会ったのは生後8ヶ月頃、口の周りが真っ赤でもがくようにガラスに鼻をこすりつける姿を見て、胸が締めつけられました。
はじめはドライフード
血液でのアレルギー検査は選ばず、何に反応をしてしまうのかを除去方で調べて行きました。
結果、鶏、豚、牛、ラムは反応がでました。
その成分が入っていないドライフードを選びましたが、入っていなくても反応が出るものもあり、最終的に獣医と相談しアレルギー対応の療法食を与えることになりました。
口の周りの赤みと痒みは落ち着きましたが、食いつきは最悪です。反応がでない鹿や馬、カンガルー、ウサギなどの単一タンパクのみを使ったウェットフードをトッピングしたりして、何とか食べさせてました。
しかし、耳の中はグジグジの真っ黒な耳垢がたまり、とても痒がるので1ヶ月に一度は獣医に掃除してもらいに通っていました。
犬の薬膳の先生との再会
煌明の痒みはずいぶんと落ち着いたとはいえ、相変わらず耳のグジグジは続いている。私の中である疑問が。
「アレルギーではないのでは」と。
そんなころ、昨年の夏、亡くなった先住犬のときにお世話になった薬膳の先生と久しぶりに話す機会があり、煌明の症状やご飯の事を相談させてもらいました。
先生の見解は「アレルギーと言うより体が熱い状態になって赤みや痒みが出ているのではないか」と。
ドライフードは体内にある水分を奪ってしまい、消化する際に熱を生んでしまうので治したいなら、ドライフードはまず止めてとアドバイスを頂きました。
食材などのアドバイスを受け、自身でも薬膳の本を引っ張り出し、体の熱を取る食材を取り入れ、ドライフードから完全手作り食に切り替えました。
「薬膳食」といっても漢方などを入れるのではなく、食材そのものが持っている力で体を整えていくというものです。
チキンベースのドライフードに加え、トッピングやおやつに鹿肉やヤギなどの食材を与えていましたので、体の中はかなり熱を持ち、それが耳のグジグジの要因になっていました。
最近、ペットのご飯やおやつに鹿肉やラムなど使われているものをよく見ますが、これらの食材はが体を熱くするもので、体が熱くなりやすい、胃に熱をもっているなどの症状には使ってはいけないものでした。
タンパク質の食材は体を冷やす効果がある馬肉を使い、野菜類は冬瓜、ピーマン、きのこ類、小豆、にんじんなどを使用。それを白米のお粥と併せます。
そして、これまで「NG」だと思っていたお肉もひとつひとつ試していき、結果、今まで赤み痒みが出たお肉はすべて反応がでなくなっていました。
ここ2年で煌明の腸内環境が成長したのと、私がもっと早く薬膳を取り入れていたら、痒いという苦しみからも解放されていたのだと。
手作りご飯を与えたくて、ペット栄養管理士とホリスティック・ケア・カウンセラーの資格をとったはずなのに、その知識を煌明のために使えてなかったという何とも情けない思いになりました。
基本は「作り置き」
体にいいのは分かったけど、毎食手作りご飯なんて面倒ですよね。私も毎食ならくじけてます。
基本は「作り置き」です。
私は野菜とお粥を合わせたものを約1週間分をまとめて作ります。夏場は傷みやすいので小分けにして冷凍します。
動物性たんぱく質は豚、鶏、牛、馬などの肉類、鮭やタラなどの魚類を素材ごとに茹でておきます。その日の体調などを見たり、同じ食材が続かないよう選んでお粥と併せます。
そこに、山芋や海苔、干しエビなど火を通さなくても食べられるものを足したりしてもいいです。
冷たいものより体温くらいに温めた方が、匂いも良くなり喜んで食べてくれます。
薬膳を取り入れてから嬉しい変化が
薬膳を取り入れた食事を与えてから1ヶ月弱で体に変化がありました。
耳のグジグジは獣医さんもびっくりするくらい綺麗になり、体臭も少なくなりました。
ご飯から水分も十分に摂れるので、オシッコの量も増えました。それだけ体の老廃物が出ているということです。
糞のニオイも「あれいつしたの?」と言うくらいしません。
オナラも以前は頻繁にしてましたが、いまはほとんどオナラをすることは無くなりました。
「胃熱」を解消し、胃腸の立て直しを
東洋医学では特定の食物に反応してしまうのは「胃腸の弱さ」が原因と考えられています。
胃腸を立て直して、食物に反応しないようにしてあげることを行います。
食物アレルギーやアトピーと診断されて、ステロイドや抗ヒスタミン剤を処方されているペットは多いと思いますが、薬を使っても今出ている症状を一時的に抑えているだけで、根本的な治療にはなっていないと考えます。
草を食べる、石や異物(食糞も)などを食べる、口をクチャクチャしていて口臭も強いなどは胃の中にずっと熱がこもっている「胃熱」の状態になっているサインです。
胃の中がずっとムカムカしているため気持ち悪く、それを解消するために異物を食べたりします。
ドライフードはもともと熱を発生させやすく、主原料にチキンやラム、サーモンなど体をより熱くする食材を使っているものが多いです。
胃熱が続くと、胆泥・胆石、尿結石、膵臓、小腸、腎臓など色々な病気を引き起こす要因となります。
煌明もドッグランで草を食べたり、口をクチャクチャする、口周りの赤み痒みなどの行動がありましたが、食事で胃腸の立て直しを行い、現在はすっかり解消されました。
異物を食べるなどの行動でお悩みの方は、ぜひ体の熱を摂る食事を行って欲しいです。
体の症状に合った食事を与えながら、病気にかかりにくい体作りを意識することがペットのQOLを上げることに繋がります。
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