見出し画像

おむつパンパン

政治家になって4年たちました。改めて、4年前に自分が書いた文章を読み返すと、当時課題として考えていたテーマは、今の自分にとっても変わらない、根っこの部分はおんなじだと感じます。
下に引用した「おむつパンパン」の記事は、FACEBOOKに2019年4月18日 に投稿しています。

こんにちは。3歳と8歳の子育て中、働く母親の古池ももです。
私は、自分自身が感じている生きづらさを、政治で解決できないかという思いで立候補しました。
豊橋市は、子育てしやすい町だと言われています。山も海もあり、立派な動物園もあります。金銭的な補助も充実しています。
そんな豊橋市では、一般的に「子育てをしにくい」というと、学童が足りないよね、保育士さんが足らないよね。という話になりますが、
私は、今後子供を預ける場所が増えたとしても、子育て世代の生きづらさは変わらないと考えています。
私が変えたいと思うのは、もっと根本的な意識のことなんです。

ここで、子育て中の親なら誰もが(多分!?)体験した事がある、オムツパンパン事件を例にあげてみましょう。
ある時、下の子供を保育園へ迎えに行くと、先生に「お母さん、今日オムツパンパンでしたよ」と言われました。普段なかなかお目にかからないようなタプタプオムツを手にして、先生に責められてもいないのに、(やー‥!あのお母さん仕事ばっかりで、子供のことちゃんと見てないと思われたかなあ。)とつい考えてしまいました。

もう一つ、選挙事務所にて。
うちの事務所、子供が沢山来ています。ウグイスやっているお母さんの子供がたまたまおむつパンパンでした。
そしたら女性の方に、「あのウグイスさん、子供のおむつも変えないで、ほんとに子育ての事やりたいの?」と言われてしまいました。

さて、この二つの内容、胸にキュッと来ませんか。言われたら嫌だけど、言っちゃってるかもと思いませんか。私が言わんとする事、お分かりになるでしょうか?きっと女性の方に共感していただけるのではと思います!
小さな子供を持つ親たちは、365日、オムツなんて1日に何回変えてるか数えられないくらい変えています。
しかし、そのうちのたった一度、たとえその他の1000回のオムツ替えがどんなに完璧であったとしても
オムツがパンパンである瞬間を人に見られたら、自分自身で、自分を「ダメな親だ」と追い詰めてしまう。また、同じ子育てを体験しているはずの女性に「ちゃんと子育てできてない親」のレッテルが貼られてしまうんです。
自分と、社会の中に「理想の親」像があり、そこを目指しすぎる、と私は思います。

オムツがパンパンでも自分を責めなくていい。
そこにオムツが置いてあり、お母さんが望むなら、手の空いている人がオムツを替えてあげればいい。近くの人たちが、母親を責めるのではなく暖かく笑って手を貸してあげればいい。
その方が絶対に生きやすい。子供はオムツ変えてもらえるし、だれも辛くないと思うんです。

これは、別に子育ての事だけじゃありません。
女性らしさ、男性らしさ、
らしさから外れる事に不快感を感じること。
老化や、病気や、怪我などで今までできていた事が出来なくなることを、役に立たないと感じてしまう事。
完璧であること、そつなく出来ることを理想とする空気感。
たまりません。息苦しいです。
沢山の高すぎる理想の姿が、私たちを自分で追い詰めてしまっていると思います。

支え合う社会は、誰か一人に負担を強いる社会ではありません。その時に出来る人が、出来る範囲で、無理なく支え合う。今できなくても、順番こでいい。
責め合う社会を変えないと、私たちはどんどん苦しくなります。
そういう社会が、私の目指したいもので、
その為に、私たちの中にある「無意識の概念」を変えていく社会づくり、みなさんと考えたいです!

https://www.facebook.com/memomeme1229/posts/pfbid021JbULk2ybTiAFxJSgyuNwE2syAYd2pmcgf12vUan7K7Lgp8oNqugbZiMxm8WVnvtl

これを投稿した翌日、「もう応援できない」と離れていった方もいました。でも、豊橋市にこんなことを言ってくれる人がいるんだ!と、この記事を切っ掛けに応援してくれた方もいました。

4年間で、この「らしさ」にまつわる課題について、何度も何度も、議会で聞いてきました。当時の豊橋市の行政はまだ、「女らしさ・男らしさ」をはじめとする「らしさ」から脱却できていなくて、それぞれ個人は違う、とは言葉で言いつつも「でもやっぱり〇〇はこうだよね」という前提のまま政策をつくっていたのでした。
4年間たち、私の働きかけだけでなく、世の中もだいぶ変わりました。

市の取り組みでも、気を付けていただいているな、変わってきたな、と感じるものの、たまににじみ出てきてしまうジェンダーバイアスの濃さに、まだまだ取り組みは足らないのかなと感じるところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?