待ち合わせをしたけれど
駅中のカフェで待ち合わせをしたけれど、1時間待っても友達は来ない。
もともと、おおまかな時間しか決めていなかったこともあって、きっと用事が長引いているんだろうなと、あまり気にせずにいました。
さいわいカフェでの待ち合わせだったから、本が読める。人が少ない窓際の席に座り、夢中になって読んでいました。
ざわついた、賑わいが、かえって集中力を呼び覚まし、没入させてくれます。
時おり、文章を指でなぞり声を出して読んでみるけれど、だれにも気づかれない。
ちょっと楽しくなって、またやってみる。暇つぶしには、ちょうどいいかもしれない。
きりのよいところで、アイスコーヒーを一口含み、窓の外を行きかう電車をボーっと眺めて休憩。
ふだんは、静かな環境で本を読むことが多いから、これはこれで楽しいものですね。
ともだちは、いつになったら来るんだろうと、時おり思い出すけれど、待っている時間に本が読めるから有意義でぜいたくな気分でいます。
ようやく電話がなりました。彼女は申し訳なさそうに、言います。
携帯を持って出かけるのを忘れたらしく、連絡を取る術もなくて、すでに家に帰っていました。
駅ナカも探してくれたようですが、私はカフェの隅っこにいたから、彼女は見つけられずにあきらめたようです。
いまでは携帯で連絡を取ることがあたり前になっていて、おおまかなことしか決めていないので、この事態は想定できていませんでした。
携帯がないとお手あげになります。
会えなかったことは、残念だったんだけれど、私は思う存分本が読めたからなんだか満足しています。
読書と待ち合わせは、相性がいいのかもしれない。友達が来ないのは困るけれど。
イライラしないで、好きなことをしていられる時間となるので、これからは、待ち合わせ時間より少し早くついて本を読む時間に充てたいと思いました。
待ち合わせに友達が来なくなったら困るから待ち合わせの楽しみかたを見つけたことは内緒にしています。
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