【代行】動画制作・MAD動画での活躍を実績に


MAD職人とは?
 私の担当するラジオ番組に、初めて出演した方がMAD職人でした。

 MADとは『気が狂う』『バカげている』等を指す英単語です。その派生から、動画や音声を編集・改編したコンテンツとも認識されており、要は二次創作物の一種に扱われています。MADとは、本来『気が狂った』などを意味する単語で、MADと名の付く作品は内容に癖がある物が多いです。

動画サイトの台頭により、若者にとってMAD動画は、馴染み深いコンテンツかと思います。そのMADを好んで作成する者を、俗にMAD職人と呼びます。

動画編集能力も資産の一つ

 MAD職人の大半は殆どが趣味であり、お金を目的に動画を作成していません。

職人と言いながらも、MAD動画の制作を生業としている方は(恐らく)居ないでしょう。にも拘わらず、ラジオの映えある第一回目に特集された理由について、これは、MAD動画を作る技術力を買われた結果です。

 出演した長政さんは、中学生の頃からMAD動画を作成していたと言います。

当時は正に全盛期であり、思春期の大半を動画の編集・改編に尽力したそうです。

 これまで作ったMAD動画の数は、なんと600本を超えていると言います。前述の通り、お金を目的に作っていた訳では在りません。面白いから……という理由だけで此れほどの生産量に至っていました。

趣味が命を救った話

 そんな彼の進路先は、打って変わって一般的な工場での勤務だったそうです。動画作成は所詮お遊びであり、これをお金に換えられるとは思っていなかったと言います。社会人になってからは、見る見ると生産量が減ってしまい、忙しさと職場のストレスを理由に、就職から間もなくでMAD職人を引退しました。

 勤務先が過酷を極めた環境らしく、まるでダムの決壊したように、ラジオではパワハラやモラルに関する内容をアドリブで語る長政さんでした。

 遂には鬱を患い、退職したと言います。長期に渡って無職が続いた長政さんは、傷病手当金を知らず、ただ貯金を食い潰す毎日でした。とうとう貯金が無くなり、実家に戻ろうとした時期のこと、長政さんに一通のメールが届きました。

「動画制作の依頼は可能でしょうか? 勿論有償です」と言った内容でした。

動画編集を本業に

 心身が衰弱した上に貯金も無くなり、それこそ正に切羽詰まった長政さんです。

そんな状況に、古いMAD動画のページに記載されたメールアドレスへと依頼の連絡が来たのだから、本当に奇跡と呼べる偶然でしょう。しかも、そのメールの送り主は、いまなら誰もが知る人気ユーチ〇ーバーさんでした。

 動画の編集に苦労する配信者が、ただ只なんとなくの気持ちで依頼のメールを送ったと言います。いまこそ人気の配信者と言っても、当時は黎明期だった故に、世間の注目度も低く、動画編集の単価も驚く低さでした。

需要が多い

 しかし、依頼の編集は至って単純であり、長年と遊び感覚で編集を続けていた長政さんにとっては、苦笑いをする程だったそうです。そんな簡単な編集なのに、それで報酬が貰えてしまうという事実に気付けたことが重要でした。

 これを機に、長政さんは個人ページで動画編集の依頼を受け付けるようになりました。テロップの追加から、サムネイルの設定、効果音やテレビ的な演出等のオプションも承ると、動画配信のブームの只中だったこともあり、すぐに依頼が殺到しました。

要点


 ・趣味をお金に

 ・動画編集には需要がある

 具体的な単価は、5分の動画編集に5000円と言います。ユーチ〇ーブなら、一つの動画で20分近くが大体であり、一度の案件で2万円が稼げるそうです。中堅以下の配信者には、そこまで払える資金が無い為に、長期契約を結ぶことを条件に、割安で依頼を承っています。

 そうした手法で長政さんは、次々に小口の客を積み重ねていき、いまや収入は完全に安定しており、工場勤務だった頃より3倍は多く稼ぐようになりました。

 趣味で身に付けた技術力が大金へと変わった、良い例と言えるでしょう。私も、技術は力という話題では、よく長政さんを話題に出しています。


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