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感じる。


ゲイバーによく出入りしていた頃

レズビアンがお店にいれば、よく話をしていた

カウンターに座ることが多かったので

周りの人たちとは自然と話すことになる



その人たちによく

『絶対女も好きでしょう?』

と言われていた



彼女たちはあたしを見抜いていたんだな

友人たちには

男女の垣根がない自分のことを話していないので

一緒に訪れていた友人の前では

普通の顔をして、ただただ

ニコニコ笑っていたように思うけども。



あたしの初めての経験は、女性だ。

その後別の女性と関係を持ったけれど

『彼女』として存在していたことは、今まで一度もない



女性から自分の気持ち、を伝えられたことはある

伝えられるだけでなく

突然体を奪われそうになったこともある

好きだ、という気持ちが抑えられなくなることというのは

男女関係なくあることなんだなと

この時、初めて思った



行き過ぎた気持ちが、ちょっと怖い形になったのも

女性が初めてだった



仕事関係で一緒になった彼女は

ある時から

執拗にあたしの後をつけ回るようになった



トイレに行く時

本を探している時

他部署の人と話をしている時

他の階に行こうとするエレベーターの中

帰宅する時


いつもあたしを監視してついて来たり

誰かと話していれば

その会話に強引に入ってくるようにもなっていた



けっこう、コレが怖かった

誰かに相談しようか

上司に、伝えてみようか

毎日頭の中をぐるぐると、そんな事ばかり考えるようになっていた



でも

ある時から

考えることをやめた。

これが彼女の愛の形

私はそれに、その気持ちに答えられない

はっきりと告げてある 彼女もわかっている



だから

感じてみることにした。

『あたしが彼女だとしたら、だったらどうするか。』




好き、なんて誰も止められない

けど

少し形が違って

自分が好き、より

相手を想う、を優先すると

自然といい距離感が生まれることがある。



しばらく経ってから 彼女は

相手を想う、を優先してくれるようになった

だからあたしは怖くなくなった

執拗につけ回されることもなくなった



自然と

流れに任せて

相手を感じて

じーっと時を待つ

これだけだったけど。



***



仕事を教えてもらいながら

そっとあたしの手に触れたり、肩に手を置いたり

何かを食べる口がすごく好きだと。

すごく、エッチなんだよ ももでさんは。

動作のひとつひとつを

ももでさんをすごく感じていたんだよ。



彼女があたしに言ったこと



あぁ あたしもそうだな

誰かを好きになる前は、同じこと感じているんだ



この人が今何か食べている

この口が

あたしのアソコを舐めてくれるのかな

この指が

アソコをいじってくれるのかな

このシャツの下の体は

どんな風になっているのかな

シャツの下の乳首をあたしが舐めたら

気持ちよくなってくれるかな

そっと

あたしに触れるこの手は

あたしを好きになってくれるかな・・・



って。








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