momoco

3人の母 *正社員時短勤務 *日々思うことを小説にしてます

momoco

3人の母 *正社員時短勤務 *日々思うことを小説にしてます

最近の記事

第三章 目を瞑る

「目を瞑って、忘れて」 その頃の私はルームシェアをしていた。なんかそんなふうにいうとおしゃれだか、ただただ家賃を削りたかっただけかもしれない。そんな私達の家にも彼はよく遊びに来た。本と自由を愛する彼は真夜中に来る事も、ふらっと来て2〜3泊する事もあった。楽しい事にしか目を向けず、嫌な事には目を瞑る。お酒が好きで女の子が好きで自分が好きで。今思ったら本当に面白い人だった。  会社員で既婚者なのになんでこんな自由なんだ?と思う事もあったけどそーでもいいよね。となんか憧れていた。好

    • 第二章 鮭

      「産卵する鮭やん」 子供達の準備をした後出勤する。電車に揺られ阪急梅田で地下鉄御堂筋線に乗り換えるのだ。その人の流れはまるで川の様でいつもの様に私も流れて行く。  そんな中でも毎朝5人くらいは逆に歩いてるもので、その人達はとても歩き辛そう。すごい人の川の中を必死で避けながら目的地の方に向かっている。私は心の中で「産卵する鮭やん」と思っている。こんな出勤ラッシュ時にどこに行くのだろうなとど考える余裕はなく只々私もその人を避けるのだ。  自分が会社員で職があって、毎日熟すべき仕事

      • 第一章 暗示

        「大丈夫、頑張れ。」 今日も4時起きで洗濯、掃除、朝食作りに追われる。3人の子供たちが起きる頃にはすべて終わらせて笑顔で「おはよう」と迎えるために。 6時を過ぎる頃からパラパラと起き出す。それぞれリビングでゴロゴロしたり早速文句を言ってきたり。7時過ぎには子供達は保育園へ、私と夫は仕事へ向かう。  朝は夫が送る事になっているが起きるのは1番最後である事がほんとに謎。心配じゃないのかなー子供たちの準備間に合わなかったらどうしよ?とか思わないのかな。この5年間そんな事はきっと一度

      第三章 目を瞑る