読書感想文『よだかの片想い』 島本理生著
片想いしてる人にはおすすめかなぁ。
最近は、なんでも『映画化』なんだよなぁ。
あらすじ
顔に目立つ大きなアザがある大学院生のアイコ、24歳。
恋や遊びからは距離を置いて生きてきたが「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにした本の取材を受け、表紙になってから状況は一変。
本が映画化されることになり、監督の飛坂逢太と出会ったアイコは彼に恋をする。
だが女性に不自由しないタイプの飛坂の気持ちがわからず、暴走したり、妄想したり、、、。
一途な彼女の初恋の行方は?
うーーん。このあらすじも本編とはちょっと違う気がするけどね。
まぁ。それは読んでみてください。(苦笑)
島本理生さんの作品はこれまで何冊か読んできました。
私てきに、彼女の作品の中では『夏の裁断』が今のところ1番好きかな。(写真1番右)
で、今回の『よだかの片想い』ですが、
なんと、3時間ちょっとで読破しちゃいました。
まぁ、読みやすいのは読みやすいです。
いい意味で『少女漫画』を読んでる感じです。
島本理生さん独特なのかもしれませんが、彼女の作品って、
どこかリアリティーにかけるんですよね。
まぁ、小説だし、物語だし、フィクションなんだから当たり前といえば当たり前だし、そうじゃなきゃ物語なんて作れないっしょ!
っていうのはわかるんだけど、そこがどうしても『惜しい!』って思っちゃうんですよね。
特に、『Red』という作品は、途中まで、めちゃくちゃ面白かったのに、後半で「えーーーーーー!」っていう、私てきに残念な展開となりました。
そういう意味では、今回の『よだかの片想い』は、主人公の片想いを通しての成長が上手に描けているなぁと思います。
特に、228ページ(ちょっと長くなりますよ^^;)
出会った頃だったら、私はこの言葉だけで一生満足できただろう。
でも今は知ってしまった。求められることの幸福を。そうしたらもっと欲張りになっていた。
約束は守ってほしいし、私と会うことを一番楽しみにしていてほしい。相手にもこちらが想うのと同じくらい好きになってほしい。
付き合ってるのに片想いみたいな状態じゃなくて。
もう前の私には戻れない。
それはわがままじゃなくて、自分にとって必要な変化だと思うから。
この文章が、今の私にはめちゃくちゃ刺さったし、共感しまくりでした。
あと、人間関係ですね。
主人公は顔にアザがあることで、どうしてもそこに注目されてしまう。
アザがあることと普通に生きること。
付き合うことと、付き合わないこと。
好きだったら付き合うか付き合わないのかの2択しかないのだろうか?
男女の友情とかじゃなくて、名前のない関係ってあってもよくない?
そういういろんな人間関係がサブキャラさんたちによって、うまく散りばめられていて、もし、映画を観る方がいらっしゃったら、主人公よりサブキャラに注目してみるのもおすすめかもしれません。
小説が苦手っていう人も、恋愛ものが好きな人には、とても読みやすいし中身もそれなりに面白いので、ぜひ、この小説を入り口に小説を好きになってくれると嬉しいなと思います。
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