読書感想文『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』島本理生著
なんと、1年以上、小説を読んでなかったみたい。。
これが今年初めて読んだ小説で、きっと今年最後の読書感想文になるでしょう(苦笑)
今回は
いや、今回も
恋愛小説です。
まぁ、短篇集を一冊にまとめた形(ストーリーはひとつに繋がってます)なので、それはそれで良かったんだけど、
やっぱり島本理生さんの作品は私てきに
おしい!
んだよなぁ。
中身はけっこうおもしろいし、丁寧に書かれてるのに、
全体的に『おしい』。
やっぱりどこか『綺麗事』があって、しらけてしまう。
だったら読むなよ。って自分でも思うんですけどね。。
今回の
『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』
主人公の恋人はバツイチでけっこう歳上。
ある秘密を抱えてるが、主人公はそれでも彼と付き合っていこうとする。
主人公の友人2人と、主人公の妹、それぞれの立場からも描かれてて、そこはとっても良かった。
特に、友人の1人『茉奈(まな)』の婚活の話は面白かった。
10万円支払って結婚相談所に入会した藤島茉奈。
結婚相談所の吾妻(あづま)さんから
「藤島様は、どうして今までご結婚する機会に恵まれなかったと思いますか?」の問いに茉奈は
「えっと、あの、会社での仕事が事務なので出会いもないし、合コンはあんまり好きじゃないので、積極的に出会いを求めてこなかったせいだと思います」と答えたが、吾妻さんは
「違います!」と一刀両断
「一言で申し上げると、高望み、なんです」
続けて
「藤島様の理想は、誠実で安定した収入があり、とびぬけて美形ではなくても男性としての魅力を備えた外見で、清潔で食の好き嫌いがない方、ということでしたね」
「そうです。そこまで理想が高いとは思わないですけど」
「高いです」
「でも、誠実さと年収がないと、結婚は続かないと思います」
と食い下がる茉奈に吾妻さんは
「誠実で穏やかだけど結婚できない独身男性の多くは、男性的な魅力は備えておりません。逆に魅力的な男性は、焦って結婚せずとも独身を謳歌して複数の女性との交際を楽しんでいます。
(中略)
服装や髪型に気を遣っていて魅力的な男性は、奥様がいてお世話をしてもらっているか、女性に不自由しないから相談所には来ないかのどちらかです。あるいはそういう男性はすごく高い条件を求めてきます」
とまぁ、のっけからピシャリと言われてしまうが、せっかく10万円もの大金を払ったのだからと、頑張る茉奈。
しかしやっぱりうまくいかない。
あとは中身を読んでいただきたいが、最終的に茉奈が行きついた言葉がとても印象的だったので書いておく。
薄々分かっていた。年収じゃない。顔でもない。いや、外見はちょっと大事だけど、それよりも必要なもの。
それはなに一つ特別じゃないわたしと向き合ってくれる、関心と愛情。
きっと、この物語で作者が一番言いたかったことなんじゃないかな?
茉奈だけじゃない。
恋愛してる全ての人に対して当てはまる言葉なんじゃないかなって私は思う。
だからこそ、難しいんだろうけどね。
主人公の妹のエピソードも面白かったんだけどね。
なのに、やっぱり最後のシメが、しまらない。
いつもそう。この人の描く小説は、ここまで面白く丁寧に書いておきながら、ラストがしまらない。
まぁ、今回もおすすめか?と聞かれると微妙ですね。
読みやすいですけど、お金(文庫本代)払って読んだ方がいいか?と聞かれれば、申し訳ないけどやめとき。って言うかな。
図書館か中古で読んだ方がいいですね。
ええ。いつも上から目線の感想文で、お前何様?と
ツッコミ殺到しそうですが、これも個人の感想なので、ご了承いただければと思います。
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