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【お金にまつわるエトセトラ#12】家計管理と固定費削減の話⑥

おはようございます。ももたろです。

【お金にまつわるエトセトラ#7】の記事から家計管理と固定費削減の話を続けています。

そして前回からは保険(任意保険)の見直しを開始し、生命保険カテゴリーの死亡保険について解説しました。

今回はその続きとなります。



☆生命保険

1)死亡保険:第11回

2)医療保険(がん保険含)


『医療保険』とは、病気や怪我によって入院した際の費用を賄うための保険を言います。『がん保険』はその中でも悪性新生物(癌)に罹った場合の保証に特化した保険となっています。

この保険が必要なのかどうか考える場合には、次の2つのポイントについて知っていなければいけません。

 ①治療に必要な費用は?


まずは治療に必要な額を見てみましょう。
いくら位の出費に備えるのか知らなければ適切な保険を選ぶことは出来ませんからね。

以下のサイトに様々な疾患における治療費の平均がまとめられています。

って3割負担でも100万円超えてる疾患がありますがな…。ご安心を。②で解説します。

どうでしょう?思ったより多いですか?少ないですか?

また保険の見積りで莫大な金額になる場合、公的医療保険の対象とならない治療を行っている場合が考えられます。

※または入院日数が異様に多く設定されているか。

それらはすべて自己負担となりますが…。列挙して考えてみましょう。

・個室に入院した場合の差額ベッド代

重症の場合静かな個室でゆっくり家族と過ごしたい場合もあるでしょう。感情的には極めて納得いく出費です。
しかしこの個室代は治療のために不可欠な費用ではありません。家計簿的には贅沢費と言え、これを保険で賄おうとすると保険料が高く付きます。

・先進医療を受けた場合の治療費

勘違いしてはいけないのは、先進医療とは『癌を治せる最先端の高度な医療』”ではない”ということ。

公的医療保険の対象にするかどうか評価している最中の治療や療養、技術を『評価療養』といい、先進医療もこのうちのひとつに数えられます。

つまり先進医療とは、現時点では公的医療保険の給付対象になるか否かは未定のままであるが、一定の有用性や安全性は認められている治療方法と言えます。先進医療を受けたからといって癌が治るわけではないんですね。

がんの治療には現時点でも『標準治療(科学的根拠に基づいて現在利用できる最良の治療法であることが示され、多くの患者に行われることが推奨される治療)』が確立されており、こちらは公的医療保険の対象となります。

これを超えた治療を受けるために保険に加入するか否かはよく考える必要がありそうです。当然保険料は高額となります。

・自由診療を受けた場合の治療費

自由診療とは、医療保険制度を利用せずに行われる診療を言います。
厚生労働省が承認していない治療や薬を使う民間療法や、健康保険証を持ち合わせず保険診療の内容を受診した場合などが自由診療に該当します。

保険証が無い状況は置いていくとして。
治療の根拠や安全性が確立していない民間療法を受けた費用を保険で賄おうとすると…保険料は高額となりますね。

・入院時の食事代

たまに入院した際の食事代を保険で支払うことが出来て良かった〜。なんて話を聞きます。でも食事代って…入院してなくてもかかりますよね。

これらが病気に罹った際に必要な治療費です。

公的医療保険の適用内であれば目玉が飛び出るほどの高額な費用は必要なさそうですね(当然稀な疾患や長期間の治療となると話は別ですが…不測の事態に備えれば備えるほど保険料は高額になります)。

とはいえ万が一重い病気を治療した場合、3割負担で100万円超えは高額です。任意保険で備えるしか無いのか…。

そんな時は次の制度を思い出しましょう。

 ②公的医療保険とその先


日本国民であれば全ての人が『社会保険』に加入しており、この中には医療保険が含まれています。

この制度によって医療行為を受けた際の自己負担額は小学校入学までで2割、70歳までで3割、以降は2割(現役並み所得者は3割)に抑えられます。

30歳の成人が100万円の治療を受けたとしても自己負担額は30万円という事。

オイオイ30万円でも高額じゃないかやっぱり任意保険も必要だろがい!!
と思ったあなた。社会保険には『高額療養費制度』というものがあります。

『高額療養費制度』
月間の医療費の自己負担額が一定額※を超えた場合、その超過分を申請すれば後に返金を受けることが出来る制度の事。
※この額は標準報酬月額によって増減する。

手取り25万円の一般的なサラリーマンの場合、高額療養費の計算式は

80,100円+(総医療費−267,000円)×1%

となります。

仮に上記サラリーマンが病気に罹り、治療費が10,000,000円(一千万円)となった場合、

・病院に支払う金額:10,000,000×3割=3,000,000円※1️⃣

・高額療養費制度適用による自己負担額の計算
80,100+(10,000,000−267,000)×1%=177,430円※2️⃣

・自己負担額を超えた金額の返金
1️⃣−2️⃣=2,822,570円(返ってくる金額)

という流れでお金が返ってきます。かなり非常識な治療費を設定しても自己負担額は17万円程度に抑えられていますね。
100万円の治療費がかかった場合、自己負担額は8万円ほどとなります。

さらにさらに。加入している社会保険によっては『付加給付』という制度があります。
これは高額療養費適用後の自己負担額が”あらかじめ設定されている金額”を超えた場合、その超過分を払い戻してくれるという制度。

設定されている金額は健康保険組合によって異なりますが、大体2万5千円程度が多いとのこと。つまり付加給付制度がある社会保険に加入している場合はどんなに治療費がかかっても自己負担額は2万5千円ほどしか必要ないということですね。手厚過ぎる!

自分の加入している社会保険に付加給付があるのか、金額はいくらに設定されているかは各自保険証の名前から調べておきましょう。

まとめ


上記2つのポイントを知れば、誰もが加入している社会保険によって医療費に関する心配はかなりカバーされていることが分かると思います。

そのために毎月の給料からしこたまお金が引かれている。

それ以上の保証を求める場合に任意保険が必要となります。
検討の際には社会保険分も念頭に入れるのを忘れないようにしましょう。

ももたろ個人的な意見としましては『しっかり貯金をしていれば医療保険(がん保険)は不要。蓄えがない場合は検討の余地あり(ただし医療保険に加入すれば固定費は増えさらにお金が溜まりにくくなる)』となります。

参考にどうぞ。

少なくとも「必要な金額は知らないけれどとにかく不安だから最高ランクの保険に加入しよう」みたいな保険の選び方はやめておきましょうね。


以上。本日は医療保険(がん保険含)についてまとめてみました。

保険のお話はまだまだ続きます。お楽しみに。


今日も良い1日を。

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