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〈漫画選びの参考に〉最近読んだ漫画の感想

漫画を選ぶときは、

・入りやすい
・ほどほどにマニアック(知的好奇心が満たされる)
・ユーモアが肌に合う
・絵の癖が気にならない
・キャラクターの癖を受け入れられる

という独自の基準で選別しています。
現実寄りのラインの作品を選びがちです。

したがって、ホラー、サイコ、歴史もの、異世界、恋愛、ギャグ、SF、格闘系などは
私からはおすすめすることができません。
こうやって書くと、結構偏ってますね。

涼しくなってきた夜風を感じながら、
お気に入りの漫画を一気読み・・・なんて、最高じゃないですか。
もちろん、次の日ゆっくり過ごせるのが前提ですけど。

以下に紹介する作品を、必ずしもお勧めしているとは限りません。

ご参考までに。


【七つ屋志のぶの宝石匣】

“のだめ”でおなじみ、二ノ宮知子さんの作品です。
現在14巻まで単行本が発行されてます。

徹底した取材をもとに、質屋と宝石(鉱物)をめぐる人間ドラマが描かれている作品です。

宝石が好き!鉱物が好き!ちょっとオカルトなことも好き!
という方には、ちょっとした勉強のつもりで読んでみるのもおすすめ。

なんと、作者の二ノ宮さんは、このために宝石の勉強をしに学校へ行かれたとのこと。
さらっと出てくる専門用語が会話の邪魔をせず、物語の信憑性を格段に高めているし、出てくる鉱物や宝飾品の描写の繊細さは流石プロの漫画家さんチーム!という感じです。本当に輝いているように見えます。

ブランド品が欲しい、特別な宝石を身にまといたい・・・
欲望が絡まる女の争いは、しばしば醜さを強調して描かれがちですが、
二ノ宮さんのお人柄のせいか、とても寛容に許容されている雰囲気があり、女性らしさとしてふくよかに表現されているように感じます。

やや神経質だけどハイスペックなツンデレ王子の顕ちゃんか、
知的でバランス感覚抜群のデザイナー、鷹さんか・・・
オトナ女子向けの作品なので恋愛要素はあっさり目ですが、
ちょっとしたシーンでしっかりドキッとさせてくれるあたりに、オシャレな大人のセンスが光ってます。

面白いので追っかけ中です。

こんな人におススメ:
▶オトナ女子
▶宝石や鉱物、ブランド品が好き
▶いろんな年代や立場の人がたくさん出てくる、賑やかで社交的な話が好き
▶セレブ気分を味わいたい
▶宝石の知識をかじりたい
▶人情系の物語が好き


【シャドークロス】

まだ2巻しか単行本が出ていませんが、
主人公が社会人のややコミュ障気味の女の子で、
しかも「人に触れると鼻血が出てしまう」という特異体質のハンデを背負っているあたり、
なかなか難しそうなハードルを超えねばならない予感・・・

そんな彼女が、デパートの屋上で踊っている一人の男性に出会うところから始まる、社交ダンスのお話です。

わりと強引な展開とスピードで状況が変わっていきますが、
素人目に見ても、
ズブの素人である主人公が、ひょんなことから出会った男性とパートナーになって、あれよあれよという間にブラックプールへ!!
・・・なんて展開は流石に描けないのでは・・・?
と思うところなので、おそらくそこが話のメインではないと思われます。

作者さんが社交ダンスに取り組む人々を通じて、
どんな心理ドラマを描いていきたいのか、気になるところです。

これも追っかけ中。

こんな人におススメ:
▶社交ダンス漫画が好き
▶ダンスが好き
▶何か新しいことを始めたいと思っている
▶ひたむきに努力する主人公が好き
▶コミュ障の自分を変えたいと思っている
▶ボールルームへようこそ、を読んだことがある


【只野工業高校の日常】

現在4巻くらい単行本が出ています。

工業高校の日常を、ほのぼのとしたさわやかなタッチで描いた作品です。
男子同士の会話のわりには比較的穏やかなので、
間延びしがちなテンポにボケとツッコミでリズムを与えている印象です。

ほとんどイケメンと美女しか出てきませんが、恋愛要素はほとんど感じません。
それでもなんとなくフフッと笑えて、へ~っと学べる、そんな魅力がある作品です。
各キャラクターの設定へのこだわりに、作者さんのキャラクターへの愛を感じます。

事実に即した内容になっているようなので、
工業高校で学ぶ内容については安心して信用することができます。

こんな人におススメ:
▶きれいな絵が好き
▶そんなにトラブルのない日常系の話が好き
▶工業高校に行こうかどうしようか迷っている
▶工業高校について興味がある
▶職人系のイケメンが好き


【無能の鷹】

これは現在3巻まで出てます。

素朴で独特なタッチの絵と、それに似合う独特なテンポで進んでいく会話は、
軽妙というより奇妙な雰囲気で、けっこう人を選ぶ作品だと思います。

能ある鷹は爪を隠す・・・という諺の印象を、かなりオリジナルに解釈した雰囲気の作品です。
なぜなら、天晴と言ってもいいほどに“無能”である主人公の鷹野さんは、
その“ある意味”稀代のコミュ力と自己プロデュース力によって、
本来の実力ならば到底実現できない状況を叶えていってしまう・・・
という、
「天才的なズレ」が絶妙に物語を動かしていくタイプのストーリーです。

登場人物たちはみんな、なぜか名前に鳥に関する漢字を含んでいます。

私としては雉谷(きじたに)さんに共感するところですが、
実際に「優しい時代」ならではの人間関係における苦悩と葛藤、
そしてそれを乗り越えるための知恵とユーモアをひねり出すことの難しさ、またその必要性を感じさせてくれる内容かと思います。

「できないことは、もはや裁かれる理由ではないのよ」
とでも言いたげな表情で、鷹野さんはいつも“暇して”います。

どこまで行こうと鷹野スタイルは崩壊せず、
それが時に腹立たしくもあり、頼もしくもある。
そんな彼女に振り回されている同僚の鶸田(ひわだ)に同情しながら、
奇想天外な展開を楽しみたい方におススメです。

こんな人におススメ:
・アンジャッシュのコントみたいな、“ズレた”コミュニケーションがみせてくれる、シュールな、またはシニカルな笑いが好き
・「できない、憶えない、わからない」人を、笑って許せる
・IT関係の企業に勤めていたことがある
・社会人として一般的な職務経験の様子を体験したい
・扱いの難しい同僚との距離感に悩んでいる


なぜかわかりませんが、これ↑を読んでいて【サボリーマン飴谷甘太朗】の存在を思い出したので、一緒に貼っておきますね。
この作品がイケるならイケるんじゃないかなぁ。
かなりアート要素が強くて個性的で面白かったのに、わずか2冊で終わってしまった作品。
エクストラが出版されてるみたいです。


さて、今日はこの辺にしておこう。

漫画の紹介ってやっぱり楽しいな~
また溜まってきたらやります。


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