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12月のおすすめ舞台。今年最後も楽しみだ!

気づいたら年末。今日はコートを着て外に出たら暑くて一人サウナみたいになってしまった。何年生きても「12月ってこんな感じだっけ」と慣れません。いつだって毎日に慣れない。いつだって出会っていたい。新しいこと、新しい場所、新しい気持ち、新しい作品。それが懐かしさに繋がることもあるし。

今年も最後の観劇予定を練りに練っています。スケジュールとにらめっこする作業も何度繰り返しても慣れませんが、これは慣れたくない楽しみです。そうして今月も12月のおすすめ舞台をまとめました。

※公演順
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<TOP3> 
▼12/6(木)〜24(月・祝)
 新国立劇場『スカイライト』
▼12/9(日)〜26(水)
 風姿花伝プロデュース『女中たち』
▼12/14(金)〜1/14(月・祝)
 ホリプロ『スリル・ミー』

<ほか>
▼12/4(火)〜9(日)
 ONEOR8『ゼブラ』
▼12/4(火)〜28(金)
 シス・カンパニー『日本の歴史』
▼12/6(木)〜16(日)
 城山羊の会『埋める女』
▼12/7(金)〜21(金)
 文学座 アトリエの会『ジョー・エッグ』
▼12/12(水)〜24(月・祝)
 KAAT『オイディプスREXXX』
▼12/20(木)〜/27(木)
 地点『グッド・バイ』
▼12/15(土)〜30(日)
 柿喰う客『美少年』
▼12/20(木)〜29(土)
 serial number01『アトムが来た日』

<おまけ>
Bunkamura『民衆の敵』
うさぎストライプ『空想科学Ⅱ』
大人計画『30祭』
梅棒『超ピカイチ!』

※上記は東京公演の日程のみ。ほかそれぞれツアーなど。
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まず、とても気になっている3作から。

『スカイライト』
12/6(木)〜24(月・祝)@新国立劇場 小劇場

小川絵梨子さんが新国立劇場の芸術監督になってから初めて演出を手がける舞台。蒼井優さんとのタッグはきっと重い感情をぶつけられるような表現になるんじゃないかと期待(過去タッグを思い返すと、ちょっと叫びすぎかなーとは思うけれど)。対話劇だし、俳優さんが熱演するほど緩急が減ったりもするので、どういう演出で見せるのか楽しみです。かなり期待が高まりすぎている反動でコメントが厳しくなってしまう……っ(笑)
デヴィッド・ヘアーの脚本は、人間の肌触りとそのざらついた展開が癖になる。今回は、過去に不倫をしていた男女が再び出会う夜……とそれだけ聞いても何かアリそうでソワソワする!



『女中たち』12/9(日)〜26(水)@シアター風姿花伝

毎公演、確実な良作を届けてくれる風姿花伝プロデュース。息がかかりそうな距離で、俳優たちが真剣勝負を見せてくれるので、安心と期待がないまぜでこれも期待が高まりすぎてコメントが厳しくなってしまいそうなパターンだ、気をつけよう。
ジャン・ジュネの『女中たち』という作品は、日本でも数々上演されている作品。そんな多くの演劇人に愛されている作品を質の高いプロデュース団体が手がけるというだけでも見応えあるだろうなあ。演出は鵜山仁さん(文学座)というのも確実な布陣だし、演出助手に上村聡史産地うのも豪華!
あと、風姿花伝プロデュースって公演期間後半になるほど(=回を重ねるほど)チケット代金が上がっていくのも意欲的だし、小さな劇場なのにロビーで飲み物売ってて飲みながら見られるのも嬉しすぎる。



『スリル・ミー』12/14(金)〜1/14(月・祝)@東京芸術劇場シアターウエスト

1台のピアノ、2人の俳優、「私」と「彼」をめぐる、実在の誘拐殺人事件を基にした息もつかせぬミュージカル。これまでもいろんな俳優が演じていて、「私」=田代万里生、松下洸平、良知真次、尾上松也、成河、「彼」=新納慎也、柿澤勇人、小西遼生、伊礼彼方、福士誠治という実力派&伸び盛りの注目俳優たち。
今回はWキャストで、成河×福士誠治、松下洸平×柿澤勇人での再演。チケット完売してるけれども何回も観たい(←予想です)。「当日券何時から並べば良いですかっ!」という気分ですよ!スリラーでもありサスペンスでもあるので、ネタバレを気にしない人であれば、事前に実際の事件を調べて行っても「あの二人の関係は!?」と妄想が広がって楽しいかも。



以下は短いコメントで(結局長くなりそうだけれども)。

ONEOR8(ワンオアエイト)『ゼブラ』
12/4(火)〜9(日)@東京芸術劇場シアターイースト

ゼブラカラー=白黒=喪服。13年前の舞台の再演。「お葬式」と「家族」という“人間”が人間として存在する環境を題材には、意欲と優しさを感じます。勝手に、ですけど。演劇での矢部太郎さんも好きなので楽しみ。

シス・カンパニー『日本の歴史』
12/4(火)〜28(金)@世田谷パブリックシアター

中井貴一さん、香取慎吾さん……ほかキャストそれぞれ全員期待が高まるメンバーを揃えてくるのは三谷幸喜さん!って感じ。三谷さんといえばストレートプレイ&コメディですが、今回はミュージカルと言っています。2018年夏には戸田恵子さんの一人芝居『虹のかけら〜もうひとりのジュディ』で音楽で物語を紡いだけれど、今回はどれほど本格ミュージカルなのか!?っていうか「卑弥呼の時代から太平洋戦争までを2時間半くらいにまとめるつもり」by三谷幸喜と言っていますけど、ど、どういうこと!?

城山羊の会『埋める女』
12/6(木)〜16(日)@下北沢ザ・スズナリ

シュールで、クスッと笑えて、「なんやねん笑」と思っているうちにいつの間にかハシゴがないことに気づいてヒュッと不安になる……でも「ま、いっか」と笑ってしまう怖さ。みたいなイメージを(超勝手に)感じている山内ケンジさんの芝居。チラシの裏のタイトルの隣に「私は正しい」ってちっちゃく書くの笑えるけどやめてくれないかな怖いから、みたいな。あ、でもその言葉に引かれるからやっぱ書いてて良いです、みたいな。

文学座 アトリエの会『ジョー・エッグ』
12/7(金)〜21(金)@信濃町 文学座アトリエ

良作をコンスタントに届けてくれる文学座アトリエの会。戯曲も、新訳であることも、なにもかも期待が高まるのですが、アトリエの会さんっていつもチャーハン・ラモーンさんのイラストとチラシデザインが素敵なんですよねえ。個展ひらいて欲しい魅力。
 
KAAT『オイディプスREXXX』
12/12(水)〜24(月・祝)@KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>

ギリシャ悲劇の『オイディプス王』。REXXX=王、のこと。この王とコロス以外の8役を、中村橋之助さん、南果歩さん、宮崎吐夢さんの3人で演じ分けるという30代演出か杉原邦生さんの意欲作!舞台も大スタジオと広いし、未知なおもちゃ箱みたいで開けるのが楽しみ!
 
地点『グッド・バイ』
12/20(木)〜/27(木)@吉祥寺シアター

太宰治。といえば現代でも大人気の作家ですが。いったいどれくらいの人がちゃんと作品を読んで、いったい誰がちゃんと彼を愛しているのか? 太宰の遺作から始まった今回の創作は、いくつもの作品を取り込み、神格化された太宰治のイメージに『グッド・バイ』。演出の三浦基さんいわく「音楽劇なので、演劇見たことなくても見やすいですよ。忘年会のつもりできてください。あ、クリスマスイブはプチコンサートもありますよ」とのことです。もうあえてクリスマスイブは17時から太宰にグッド・バイしてプチコンサート聞いて夜は吉祥寺の街に消えようかな!同行者誰を誘うか迷うやつだ!

柿喰う客『美少年』
12/15(土)〜30(日)@下北沢 Geki地下Liberty

これまたぎゅっとした空間で、肉体派の柿喰う客。どうなんの!?
昭和最後の年の美少年誘拐事件から30年。かつて美少年だった男が新たな誘拐事件を起こし、歴史の闇に葬り去られた悲しくもおぞましい事実が露見する……と真顔になっていいのか笑っていいのかわからないあらすじに(きっと笑っていい)、もうニヤニヤしちゃう!
 
serial number01『アトムが来た日』
12/20(木)〜29(土)@下北沢ザ・スズナリ

風琴工房改め、serial number。詩森ろばさんの作品は、現実とフィクションをないまぜにしながら、確実な現実の手触りで肩を撫でる、印象。過去作で、観終わったら手にしていたチラシが、舞台を凝縮した一枚のフィルム写真のように思えたことある。今回は2011年の原子力発電所からとった「アトム」のタイトル。

 * * *

そんなこんなで2018年最後の月も、気になる舞台がいろいろあります。他にも11月から引き続き上演中のBunkamura『民衆の敵』は年末までずっと上演していますし、9日までこまばアゴラ劇場で上演中のうさぎストライプ『空想科学Ⅱ』は、あと3回は観たいくらい面白苦し優しかった。18日からは大人計画の一大フェスティバル『30祭(SANJUSSAI)』も青山・スパイラルでスタート!まあ1年の終わりはなーんも考えずに全身で盛り上がって笑いたいなという気もするので、梅棒『超ピカイチ!』で2018年を締めるのもいいかなあ。

あと1ヶ月弱、たくさんの喜怒哀楽と発見と好奇心を与えてくれた演劇に感謝しつつ、師走りたいと思います!来年もあけましたらおめでとうございます!

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