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心からの解放~どこかのあなたと私へのメッセージ

コロナ禍だから実家に帰省しなくて済む。
この理由が私の心を落ち着かせていた。
この数年のコロナ禍を喜んでいるのでは決してない。

私は、母に心を縛られていると感じていた。
小さい頃から、母がどう思うか?を気にして過ごしていた。

私が悪いのだから、母の言う通りに『はい。はい。』と
口答えせずに過ごそうと思った小学校4年生の頃。
今でもその決意した日のことをよく覚えている。
とことん母の思う通りの子どもになろうと。

だか、いくら『はい。はい。』と過ごしていても
否定される。

あー、もうやめた!
そう思った。

余計なことは話さない。
それが私を一番楽にしてくれた。

母の思う通りの発言をしないと、不機嫌になる。
母の思う良いことから外れると、全否定。
私の気持ちを聞いてくれることはなかった。

私に対してだけだ。

進学、就職、結婚、出産。
すべて母の思う通りになっているか、
それを考えながら節目節目を過ごしてきた。

電話も極力したくない。
電話を掛けてこないことへの嫌味から始まることもしょっちゅう。
でも私は、母の機嫌を損ねないよう楽しく話を進める。
電話を切った後は、いつもため息だ。
これでしばらく電話を掛けなくて済む、と思う。

着信画面に母の名前を見つけると、心拍数が上がるのが分かる。
頭も痛くなる。

はたからみたら、良いお母さん。
実際に、料理は上手で、周りへの気遣いもできて。
手先も器用。植物を育てるセンスも抜群だ。

実家に帰れば、私は笑顔で過ごしてくる。
だから、私がこんな気持ちでいることは誰にも分からないだろう。

知っているのは主人だけ。
主人は私の恩人だ。
私を救い出してくれた。

結婚をして物理的な距離ができた。
距離を置くことで、心が安定してきた。
私は今、家族と楽しく過ごせている。


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違いはあれど、苦しい気持ちを抱えているあなたへ。

苦しんでいるのなら、どんなことがきっかけなのかなんて関係ありません。
ずっと苦しんできているのですから。

『あなたはお母さんがいなければ生まれてこなかったんだよ』
『お母さんは、あなたを思ってこそ、、、』
『今、会わなければ後悔するよ』

そんなことわかっていますよね。
この声掛けは苦しいですよね。
分かっていてもどうしようもないこと、私は分かります。
あなたは、あなたの人生を送るために生まれてきたのです。
距離を置けるなら、少しずつでもいいから離れても大丈夫です。

大丈夫、大丈夫。

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私は、こんな心の状態でも
父と母の元に生まれてきたことに感謝している。

母には母の人生があって、
育ってきた背景がそうさせていることもあると思う。
母の愛情は感じている。

でも、苦しいものは苦しい。

暴力や暴言でなくても、心を押さえつけられ苦しむことはあるのだ。


人生半分近く生きてきて、やっと自分の好きなことを
自分の思いだけで選択できている。

楽しく過ごし、
会いたい人に会いにいく。
好きなことをする。

私の楽しいがどこかの誰かの元へと届き、
それが伝わるのが幸せだと感じている。

私は、私のやりたいことをやっていい?
もちろん!
私から返事がきた。

#創作大賞2023 #エッセイ部門

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