人をうらむより自分と向き合う
僕のもとにこんなニュースが届いてきた。
なぜこんなニュースが届いたかというと
被害を受けた身だからである。
僕の場合は今回の被害者より数年前になるが、同じように数人の友達とともに詐欺に騙されてしまった。
”お金の知識の前に人を見る目がなさすぎたのだろう”
そんな言葉だけで終われるほど楽観的な人間ではない。
当時からもう数年経つが、刻み込まれた苦しみは消えることは容易ではない。
お金を失い借金をし、家族に迷惑をかけ、友人を失い、人を騙す側になってしまうおそれもあり、人を信じることも辛くなった。
2歳の息子を抱っこしあやしながら
『自分を傷つけてしまえば金銭的にも心身も楽になるのかも』と
考え泣いていた。
そんな思いが伝わってしまったのか、さっきまで笑っていた息子が、いつもとは明らかに違う泣き方をした。
とっさに我に戻った。
2歳の息子にまでこんな思いをさせてしまっているのか。
僕の中の父親はこんなんではダメだ。
映画『とんび』
重松清さんの小説をドラマや映画化されています。
父とは大きな海に。
子供がどんなに辛くて雪のように冷たく降り注いでも、海は全てを溶かしてくれる。
僕はそんな父でありいつも笑っていたい。
とんびの父のようになりたいと思い被害を受けたあとも過ごしてきた。
騙した人が捕まり
騙された人は被害届けを出そうとか
一生刑務所から出てこれないようにしようとか
ざまあみろとか
そんな思いで周りはいる。
それは普通のことだしそう思う。
ただ僕のとった選択は ” 被害届をださない ”
批判してくる人もいるだろう。
お金返ってくることもあるだろう。
でもそんなこと僕にはどうでもよかった。
仮に自分の子供が殺されて加害者が捕まってのならそれでよい。
それから先、うらんでいても誰も喜ばない。
詐欺にしても、どれだけ被害を訴えてもお金が返ってくることは少ないだろう。もし返ってくるのであれば、僕よりまだ苦しんでいる人がたくさんいる。その人たちに早く苦しまないようになってほしい。
だから加害者がどんなに刑が重くなろうとも、軽くなろうとも、そんなことよくて、罪を噛み締め今後背負って生きていってくれればいいと思うし、これ以上僕はそのことに悩むつもりもない。
大事なのは " 自分が生きる " その事のほうだから。
ドラマにもなっています。
プライムビデオで視聴可能です。
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