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ここが変です日本の糖尿病治療

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日本の糖尿病ガイドラインを医師をはじめとした医療従事者が「盲目的」に信じきっていることで患者さんにも「勘違い」に近い意識が浸透しています。欧米のガイドラインより10年以上遅れたガ…
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2020年4月の記事一覧

ここが変です日本の糖尿病治療:その1「低血糖は酸素欠乏と同じです」

私達は呼吸をして酸素をからだに取り入れます。酸素欠乏がどれだけ危険かご存知と思います。この酸素は主にエネルギー産生に使用されています。生物はエネルギー源の主流を「ブドウ糖」に任せています。特に「脳」を含めた「神経細胞」はエネルギー源としてブドウ糖しか使用出来ません。

糖尿病の治療によって低血糖になる患者さんがいます。現在日本のガイドラインでは血糖値が低い方が「正義」になっているため医療従事者の方

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ここが変です日本の糖尿病治療:その2「低血糖によって予後が悪くなることを知っていますか?」

「低血糖の状態」がいかに危険かはその1で紹介しました。この回では低血糖を繰り返すとどうなるかについてお話しさせて頂きます。

研究1まず有名なアコードスタディからでしょうか。

グループA:心臓疾患のある糖尿病患者さんHbA1c7.5%ぐらい→そのまま治療してHbA1c7.5%ぐらいにしました。

グループB:心臓疾患のある糖尿病患者さんHbA1c7.5%ぐらい→治療を強化してHbA1c6.4%ぐ

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ここが変です日本の糖尿病治療:その3「HbA1cは平均です。平均を過信すると危険です。」

HbA1cは簡単に言えば平均値だけを見ています。これで全てを管理するのは難しいと考えます。網膜症では1日の最高血糖と最低血糖の差が多いほど「悪化」する傾向があることはすでに証明されています。これも踏まえて例をあげて説明します。

Aさん1日4回とった血糖値が 150、250、150、250だとします。

Bさん1日4回とった血糖値が 50、350、50、50だとします。

Aさんの血糖値の平均は2

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ここが変です日本の糖尿病治療:その4「欧米のガイドラインは目標HbA1cに上限がない。個々の状態に合わせて設定して良いことになってます。」

欧米のガイドラインではHbA1cの数値に関しては「おおむね7.0%もしくは8.0%もしくはそれ以上」となっていて実質上限がないことになります。

ここで勘違いしてもらうと困るのは「誰でも高くて構わない」とは言っていないことに注意が必要です。以前も紹介した様に糖尿病はランセット投稿者は少なくとも「500」ぐらいに分類できると考察されてます。みんな同じ目標では弊害が生じそうですよね。私の経験も交えて説

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ここが変です日本の糖尿病治療:その5「欧米のガイドラインは患者さんの状態に合わせてどの薬で治療するかを推奨しています」

日本のガイドラインは、ほとんどHbA1cの「数字」しか目に入りません。欧米のガイドラインは違います。

例えば動脈硬化性心血管疾患がある患者さんにはGLP1製剤をまず推奨しています。優先順位が下がって基礎インスリンとありますが、低容量での使用を推奨しています。当然アコードスタディなどから低血糖から死亡させないためです。量の推奨までしています。他にも心不全や腎不全の場合など細かく分かれています。全部

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