薬物依存と周りの反応について思う事

このようなツイートを見つけて、頭の中を整理したくなったので久しぶりの更新です。

某男性アイドルグループにかつて所属していた方が薬物を使用したことで何度か逮捕、起訴され、さらにまた執行猶予中という身ながら薬物所持で捕まったという事件。
それに対して「彼は孤独で休めないなか頑張っていたのに、被害者も
いないのに実刑になるなんて」といった内容を依存症に関する漫画を描き、さらに現在トラウマケアについての漫画でトラウマ治療界隈のインフルエンサーとも呼ぶべき存在になった方(三森みささん)がツイートしていることに強い危機感を覚えたのでここに記します。

私は彼のファンでもなければアンチでもなく、彼が元いたグループが若者に人気だったから知っている程度で、ただ普通の人より違法薬物について中学生のころからよく調べたりしているだけの素人です。

さて。
彼のしてしまった、薬物使用ということに対して同情的な言葉をかけるのはとても危険だと思っています。
孤独で忙しい人がみんなドラッグを使うのか?そうではありません。

私は彼のことは一人の芸能人としての側面からしか分からないし、彼の本当の人となりは彼の側で実際に支えたり関わる人しか知らないのだと(または彼の抱える孤独や闇というのはまだ彼自身が外に開示しきっていないかもしれないと)考えますが、まだ彼は自身の犯した罪を償っていないのに、更生のスタートラインにすら立っていないのに、
辛かったね、苦しかったね😭
とヨシヨシするのは彼の更生の妨げになると考えています。

彼の逮捕状況や公判に当たっての向き合い方、警察から職務質問をされたときの態度を見るに彼はまだ自分の犯した罪から逃げていると感じます。
依存症と戦うためには、まず、底落ちが必要不可と言われます。
私は薬物を実際に使用したことがないので想像することしかできませんが、薬物から得られる快楽はお酒やタバコとは比べ物にならない快楽といいます。
そしてその快楽は彼の抱える孤独や闇を一時的に癒してくれていたのかもしれません。
彼は何度も何度も、しかもいろんな種類の薬物を使用しているので脳に刻み込まれた快楽、そしてそれが消えた時の絶望は簡単に消えるものではないでしょう。
むしろ、一生涯かけてその誘惑と戦い続けなければならないし、ある意味では薬物使用という名の十字架を背負って死ぬまで歩むしか他にないのです。

薬物、そして依存症は何よりもまず本人の「辞めたい、辞めなければ、いや必ず辞めるんだ!」という強い意志でしか抜け出せないと思っています。

それはとても孤独な戦いです。
恐らく彼に本当の意味で「大丈夫、君は一人じゃない、私達と一緒に歩もうよ」と手を取って歩めるのは
同じ経験、つまり、薬物を使用し、現在使わずに毎日を生きている当事者しかいないのではないでしょうか。

三森さんは依存症に関する啓発漫画、そして現在はトラウマ治療に関する漫画を書いていらっしゃいますが、トラウマと戦う人たちの中で耳目を集める存在となった今、彼女のこのような発言はとても危ういと感じます。

犯罪をした事と、彼の抱えている孤独は切り分けて考えるべきで、私は彼を排除せよというのではなく、厳しくも暖かく更生の道を歩んで欲しいと思っています。
でなければ、辛い思い、苦しい思いをしてもそれでも踏ん張って(薬物などに手を出さず)生きている沢山の人々は浮かばれません。

被害者のない犯罪、その言葉こそが彼を更生から遠ざけているのでは?
彼が薬物を使用した事で誰にも迷惑をかけていない等とは言えないと思います。

彼を支えると言ってくれた実の家族、待っていると言っている彼のファン、沢山の人の気持ちを裏切り、更に何度も薬物に手を出すことで彼が自分で自分を孤独に追い込んでいますよね。
本当に、薬物使用を被害者がいない犯罪と言わないで欲しい。

彼が、今度こそ自分の罪と向き合ってくれることを祈っています。

私の考え方、生き方などに共感したり応援したいと思ってくれたら、ぜひサポートしてもらえると嬉しいです♪いただいたサポートはカウンセリングなどの治療費にあてたいと思っています。