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電話による日韓首脳会談に関する記事を読み解きながら、岸田さんの嫌韓へ至る経緯も振り返ってみたい

さて、今日も前口上なくさっさと本編へ入りたいと思う。
今日は、15日に行われた電話による日韓首脳会談の詳報と、ちょっと興味深い記事を掘り下げて、なぜに岸田さんが韓国へ冷たい姿勢を続けるのか?を探ってみたい。
最初はハンギョレの記事になる。


岸田首相、「韓国側の対応を強く要求」…従来の日本の主張繰り返す
10/16(土) 10:09配信 ハンギョレ新聞
首相就任後初の韓日首脳電話会談後、記者会見での発言 文大統領「両国間の外交的解決策を模索するのが望ましい」
岸田文雄首相は15日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との初の電話会談で、強制動員被害問題など韓日間の懸案に対し「韓国側の適切な対応を強く要求する」という従来の日本の主張を繰り返した。岸田首相が4日に就任して以来、韓日首脳が対話を交わしたのは今回が初めて。
この日岸田首相は文大統領との電話会談を終えた後、東京の首相官邸での会見で、韓国裁判所の強制動員及び日本軍「慰安婦」被害賠償判決により「日韓関係は引き続き厳しい状況にある」とし、このように述べた。さらに「国際的な約束、国と国との約束、あるいは条約、国際法などはしっかり守られなければならないと思う」と述べた。一方では、「地域の厳しい安全保障環境の下、北朝鮮への対応を始め、日韓、日米韓の連携を一層深めていくことで文大統領と一致した」とし、安保問題に関しては韓日間の連携の重要性を確認した。対面での首脳会談開催については「現在は何も決まっていない」と述べた。
大統領府は、文大統領は強制動員問題に関し「1965年の韓日請求権協定の適用範囲に対する法的解釈に相違がある問題」だとし、「両国が外交的解決策を模索するのが望ましいと考えており、外交当局間協議と意思疎通の速度を上げたい」と提案したと明らかにした。日本軍「慰安婦」問題についても、文大統領は「被害者の方々の納得を得られた上で、外交関係に支障をきたさない解決策を模索することが何よりも重要だ。生存する被害者の方々がわずか13人なので、両国が解決できる時間は多くない」と強調したと明らかにした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c14b8e0c3bb54c329f93268e2f3cc430b7377269


既報の通り、会談自体は30分ほど続いたようだが、内容自体はお寒い限りだった。韓国メディアは、岸田新総裁決定に合わせ、日韓関係改善を、と右派、左派揃って同じ社説を書きたてたのだが、実際は関係改善とは程遠いものだった。岸田さんは、韓国側に国際法違反状態であることを告げ、韓国が先に対応するべきだ、と冷たく突き放しただけだった。
しかも、最初の時点で対面での会談開催は予定にないことをきっぱりと文在寅へ伝えている。隙あらば来日して、という三冠王大統領の野望を叩き壊してから始まった、と言えばこの会談がどれだけうすら寒いものだったかもわかるだろう。

日本政府として、韓国への動きは新政権になった直後ということもあり、まだ表だったものはない。だが、奇しくも自民党内では大きな動きはあった。
朝鮮日報の記事になる。


知韓派・河村建夫議員、今月末に政界引退
10/16(土) 7:59配信 朝鮮日報日本語版
日本の政権与党・自民党の代表的な知韓派の1人とされる河村建夫(78)元官房長官が政界を引退することがわかった。読売新聞など日本の主要メディアは15日、「河村建夫元官房長官が今月末の衆議院議員選挙への出馬を断念し、引退する意向を固めた」と一斉に報じた。
日本メディアの報道によると、自民党本部は今月31日に予定されている衆議院選挙山口3区で河村氏を公認しない方針を前日本人に伝えた。河村氏は山口3区で衆議院議員を10期務め、今回の選挙でも「現職優先」の原則を前面に出し出馬に意欲を示していた。
しかし自民党は岸田首相と同じ派閥の宏池会に所属する林芳正・元文部科学大臣(60)の公認を決めたため、河村氏は出馬を断念し引退する意向を固めたという。自らの地元後援会にも「党の方針に従う」との考えをすでに伝えたようだ。自民党は河村氏が地盤を相続させようとした長男の建一氏(45)の比例代表擁立を検討している。
河村氏は日韓議員連盟の幹事長を務めるなど日本の政界では代表的な知韓派議員として知られ、両国関係が困難な状況にある時もメディアの前で韓日交流や友好増進の拡大などを訴えてきた。日本で開催される韓国関連の主要な行事には必ず出席し、日本にいる韓国の政財界関係者らと友好な関係を築いた。韓国を複数回直接訪問し、知日派の政治家などと韓日関係の懸案について積極的に意見を交換してきた。昨年10月にも来韓し、韓国側の与野党代表と強制徴用問題の解決策について意見交換したという。そのため河村氏の引退をめぐって韓国側では「硬直した両国関係を仲裁できる重要なパイプが一つなくなった」との懸念も出ている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0898edc47ee3fbd43e418dcfab80b77a2075972


今回の衆院選に出馬しないことを決めていた河村建夫が、このまま政界を引退することになった。河村は二階派の重鎮であり日韓議連の中心的な存在でもあったが、韓国のクレーム窓口としての地位を確立していたこともあり、わざわざ朝鮮日報が名残惜しいかのような文面の記事を配信している。つまり、韓国にとっては日韓関係を改善する最後の砦が瓦解した、ということでもあるのだ。
この動きが公になったのが15日、つまり岸田さんが文在寅へ電話をかけたタイミングと重なった為、韓国政府にとっては余計に日本政府との距離を感じさせる効果を生んだのではないかと思われる。

実は岸田さんによる親中派、親韓派の排除は、総裁選の前に始まっていて、その第一弾が二階下しだった。それが引いては菅さんの退陣を引き起こし、今年の総裁選が荒れる原因にもなっている。
親玉の二階が幹事長職を外され、二階派の中心だった河村も引退となったことで、残された二階派の議員たちは、現在立ち位置を失っている。
今度は読売の記事だ。


「二階幹事長のままだったら…」河村建夫・元官房長官「引退」で、二階派幹部が不満漏らす
10/14(木) 19:15配信 読売新聞オンライン
自民党の河村建夫・元官房長官(78)(衆院山口3区)が衆院選に出馬せず、引退する意向を固めた。山口3区では、参院からのくら替えを表明した同党の林芳正・元文部科学相が出馬予定で、河村氏の不出馬により保守分裂は回避される見通しとなった。
甘利幹事長が13日に河村氏と会談し、出馬見送りを打診。河村氏は同日夜、遠藤利明選挙対策委員長に受け入れる考えを伝えた。党は河村氏の長男を比例選で処遇する方向で、林氏については当選後に追加公認する案が浮上している。
河村氏が所属する二階派の二階俊博前幹事長らは、現職のいる選挙区へのくら替えは党の内規違反だと主張してきた。同派幹部は「二階氏が幹事長のままだったら、想像できなかった展開だ」と不満を漏らした。
河村氏は当選10回で、文科相や党選対委員長を歴任。活字文化議員連盟の代表幹事なども務めた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0a6b118e4b8d53f4cd2734a2739996548a8ec800


この記事には、反主流派として二階派の議員が炙り出されている、という裏のテーマがある。何の為の炙り出しなのか?当然、衆院選で議席を失わせる為に、こいつらが中国や韓国寄りの政策を進めてきた奴らなんですよ、とお尋ね者状態にする為だ。
かつての自民党なら、党利党則に反した一派を公認から外す(選挙資金を党から捻出しない)という力技も使ったようだが、最近は落としたい候補が出馬する選挙区へ別の候補を鞍替えさせ、共倒れになるのを避ける為に、という大義名分から落としたい議員の出馬を取りやめさせる、という手法が選択される。河村に対しては林さんを山口3区から出馬させることで、河村の居場所をなくす形がとられたわけだ。

これで核を失った二階派は、ほとんど自民党からの積極的な支援がないまま今度の衆院選を戦うことになる。選挙結果がどうなるのかは不明だが、当選しても要職には就けない、それをわかっていながら戦わなければならないのだ。夢も希望もない中、支持を仰いで選挙区内を回る、拷問に近い選挙戦になると言えるだろう。

キーポイントとしては、おそらく意識して目立たぬよういにしているであろう額賀の存在だ。引退を言い出すタイミングを見計らっているうちに総裁選の波に紛れ、そのチャンスを失ったとも言われていたが、二階派、親韓派、がクローズアップされる局面では、どうしてもマイクを向けられることになる。そこで何を口にするか、には注目すべきだろう。選挙で勝っても得票数が落ちていれば、進退を決めなければならない局面はおのずとやってくる。今回で最後、と言い出せば自民党の親韓派は今期で壊滅する、となる。

で、電話による日韓首脳会談へ話を戻そう。
ここまで日本側の韓国排除が仕上がっている中での岸田さんと文在寅の会談が、端から盛り上がるわけがない。ハンギョレは、耳にタコができるレベルで日韓関係の改善を、と言い続けているが、それは中央日報、朝鮮日報はもちろん、日本の朝日も口を揃えて同じことを書き連ねていた。だが、それらは全部、韓国人の希望、願望だけの記事だ。日本側はすべきことを全て終えていて、何を努力しろというんだ?というだけの話なのだ。

そもそも、日韓関係は何の為に改善しなければならないのか?
例えばハンギョレは「東アジアの緊張感が高まっている」から日韓が協力をして、という文脈で書き進めている。だが、緊張を生んでいるのが北朝鮮の存在であるなら、韓国はどういう対応をこれまで続けてきたのか?問題はそこだろう。北朝鮮の動きを牽制し、防衛する為に結んだはずのGSOMIAを破棄すると言ったのは誰だ?韓国の文在寅その人ではないか。そんな男が大統領をやっている韓国と、なぜ日本が関係を改善しなければならないのか?ハンギョレはこの大事なポイントにはかすりもしない記事を書いている、そういうことなのだよ。安倍さん、菅さん、岸田さんだって、ふざけんな!と内心思っているに違いない。

それは抜きにしても、じゃあ北朝鮮対策の為に韓国と手を組み直して日本にメリットがあるのか?だが、これも実際部分では皆無だと言っていい。逆に、北朝鮮への融和政策を進めるふりをして、韓国には日本やアメリカの軍事情報を北朝鮮へ横流ししている疑惑まである。そう、韓国との関係を強くすればそれだけ日米の安全保障が脅かされる、そういう状況にあることが韓国と付き合ってしまった経験からわかってしまったのだ。
だからアメリカは距離を置き、日本は延々塩対応を続けている。どちらも韓国を切って困った局面は起きていない。このままでいい、それが結論なのだ。

これは中国に対しても同様だし、イランやロシアにも同じだ。韓国が間に入ることで、あらゆるものが盗まれ、情報が敵国へ流されてしまう。フッ化水素のような戦略物資でさえも、だ。付き合う意味は1ミリもないと断言できる。

そしてもう一つ、岸田さんが韓国を冷遇する理由がこれだ。
これは2021年5月21日に朝日新聞が配信した記事になる。


慰安婦合意、警戒した安倍氏 前夜も念押し「大丈夫か」(朝日新聞)
 日韓合意4日前の24日の首相執務室。外相の岸田文雄や国家安全保障局長の谷内正太郎、外務事務次官の斎木昭隆、首相秘書官の今井尚哉らが安倍を囲み、向き合っていた。
 関係者によれば、安倍は慰安婦問題で「日本政府は責任を痛感」と記述した合意案に難色を示していた。
 張り詰めた空気のなか、岸田が切り出した。「ここでまとめるべきです。いま合意できなければ、来年の日韓関係は漂流します」
 「わかった。岸田さんの言う通りだ」。安倍も最後はゴーサインを出した。(敬称略。肩書は当時) (中略)
 合意へ背中を押したのが外相の岸田文雄と国家安全保障局長の谷内だ。岸田は「未来を考えた時、どこかで決着をつけないといけない」と考えていた。谷内も安倍を説得。何度も一対一で「韓国は慰安婦問題が解決すれば、全て解決すると言っている」と促した。
・・・
https://www.asahi.com/articles/ASP5M4Q0JP4NUTFK00F.html


読んで、おや?と思われた方は多いのではないかと思う。
そう、ここで書かれているのは安倍政権の総括で、2015年12月に決まった日韓慰安婦合意について、が後追いで綴られている。もう6年も前のことだが、この記事で書かれている合意に至るまでに日韓双方で時間をかけて練り上げていった、という記述が、当時はすっ飛ばされて報道されていたのだ。突然決まって発表された、と誰もが思い込んでいたとことろ、当時の岸田外相と国家安全保障局長だった谷内正太郎氏が主導して粛々と進めていたとされていて、だから「おや?」となったはずなのだ。そうだったのか?と。

まさに日本側の担当の一人であった岸田さんが、今は首相として文在寅と電話会談をしている、そこで日韓関係改善?間違ってもそんな話になるわけがないw
岸田さん自らが指示し、陣頭指揮に立って進めて決めた日韓慰安婦合意を、文在寅亜はあっさりひっくり返すと口にし、大統領になって最初のミッションとしてタスクフォースを立ち上げ、合意に至るまでを洗い直すという暴挙に出た、と。そこで裏合意があることを知り、合意を無効とすることができないとわかって、破棄とは言わないまでも、日本の払った10億円で立ち上げた財団を勝手に解体するに至って事実上合意を無きものににした、これを岸田さんが許すわけがない、ということなのだ。

安倍さんは合意について、内々に「10億払って済んだのだから」とほくそ笑んだと言い、退任後に受けたインタビューでも「私たちは韓国に『約束を守れ』と言え、国際社会に訴えることができる」と合意の意義を整然と説明している。この通りに菅さんは常に韓国は国際法を守れ、動くのは韓国だ、と言い続けて首相在任中には一度も日韓首脳会談を開催しなかった。会談をしたければ韓国がすべきをせよ、日本は動かない、と合意を盾に韓国へボールを渡したままの状態を確立したわけだ。同じことを岸田さんもしようとしている、それだけのことなのだ、ぶっちゃけてしまえばねw

過去記事で書いたかもしれないが、文在寅はこうした日本側の事情が、全くわかっていないのかもしれない。いや、こういう他人に迷惑をかけること自体に罪悪感を覚えない生き物が韓国人だから、岸田さんの尽力と怒りも知ったところで何も感じない、もあるだろう。しかし、そういう民族ならば猶更、日本は韓国になど関係を持ってはいけない、ということだ。それを身をもって知ったであろう岸田さんの本物の嫌韓政策、期待したいではないかw

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