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我がヤクルト5連勝で貯金も5!遂にセ・リーグ2位に浮上したので今季ここまでを振り返ってみる。

嬉しさを堪えきれず、記事を書くことにした。
今季の我がヤクルト、本気で勝ちを狙えるチームに生まれ変わっているからだ。
まずは昨日4月25日の試合結果から。
「強い味方」でおなじみサンスポの記事のコピペになる。


ヤクルト、ソロ4発5連勝で2位浮上 四回は村上、サンタナ、オスナ弾
 (セ・リーグ、ヤクルト4-3中日、ヤクルト3勝1敗1分、5回戦、25日、神宮)ヤクルトが一発攻勢で競り勝ち、5連勝(1分け挟む)。デーゲームで巨人が広島に敗れたため、勝率の差で2位に浮上した。中日に一回に1点を先制されたが、その裏に中村が左翼席に2号ソロ、四回には村上の8号ソロ、新外国人サンタナ、オスナが来日初本塁打となるソロアーチを放ち、主導権を奪った。先発の小川は7回8安打3失点で今季2勝目(1敗)。八回に清水、九回は石山が無失点で逃げ切った。
 サンタナは来日初安打となる1号。「今まで安打は出ていなかったが、内容自体はよかったので打つ自信はありました。1本目が出てすごくうれしいです」と笑みを浮かべた。
https://www.sanspo.com/baseball/news/20210425/swa21042520180008-n1.html


●このオフのフロントは一味違った
2年連続最下位に沈んだ我がヤクルトは、結局「最小の出費で最大の効果を生む」戦略から「損益分岐点は費用対効果を向上させれば引き上がる」に切り替えて、積極的な選手補強に転じた。とはいえ、巨人のように国内FA選手を買いあさることはせず、ましてや大物外国人選手に大枚をはたく戦法に走ったわけでもなかった。

1)FA権を取得した選手の引き留めに成功
とにかく、ファンが最も心配していたのは山田、小川、石川の動向だった。特に山田は、2019年の契約更新の際、チームでは長期契約を打診したが単年契約にこだわり、それはすなわちFAでの移籍を示唆しているからだとみなされていた。だが山田は7年間、45億+出来高で残留、小川、石川もヤクルトとサインをして、人材流出を食い止めることができた。これフロント最初のファインプレイだったと言っていい。

2)巨人とのトレード敢行
球界を驚かせた田口と廣岡のトレードだったが、これは球団だけでなく、選手個人にもウィン・ウィンな良策になっている。
廣岡はおいらも大好きな「未完の大器」で、遠くへ打球を飛ばす能力はロマンに溢れていた。天然で憎めない性格もあいまって、まさにヤクルト向きの選手という印象だったのだが、選手の水準が低いチーム事情にあって、彼の守備面の不安はそのまま試合の行方を決めてしまうほど重大な課題でもあった。しかもこのオフの人事異動を見る限り、本来の内野では出番が更に少なくなることが予想され、ネットでは外野へのコンバートやむなしの声が溢れてもいた。しかし巨人でなら本来の内野手、しかも坂本の後継者たる次世代のショートへ育てるという理想的な決着へ向けて、廣岡を鍛えてもらうことができるだろう。実際、トレード成立直後のオープン戦では早速1軍で起用して、巨人がどれほど期待しているかをしっかり示してもいた。いずれ、我がヤクルトへ手厳しい恩返しをしにやってくると覚悟しなければならないだろう。
一方、田口はここ2年ローテから外れ、ブルペンでの登板がメインになっていた。制球力のよさは折り紙付きだが、巨人では賞味期限切れな雰囲気を漂わせていた左腕だった。実際、このオフの戦力補強の波に押され、今年もローテ復帰は難しいという評価が大半だった。
だが、ヤクルトでなら話は違う。ローテの6枠が埋まりきらない中にあっては、実績十分な田口は「お値段」も含め最適なピースの一つ足りえたのだ。しかも、喉から手が出るほど欲しかった左の先発だ。廣岡という可能性の塊を放出してでも実をとる選択は英断だったと称するしかない。

3)ブルペンの穴を他球団の戦力外で埋める
元々、ヤクルトは生え抜きの投手をブルペンで起用しながら先発へ育てる、という方針を進めてきたが、その結果似たような投手ばかりになって、交代させても目先を変えることができないという事態を生んでいた。
そこでこのオフは、トライアウトを受験していた投手たちを積極的に補強していき、通過点としてのブルペンではなく、リリーフ適性のある投手をブルペンに置く、という現実的な選択を追求し始めた。特に今野、近藤は開幕後1軍でフル回転しており、共に勝ちパターンに組み込まれて何度も勝利に貢献している。
この結果、生え抜きの清水、梅野、そしてセットアッパーとしてヤクルトの顔になったマクガフの負担が大きく軽減し、これもチーム快進撃の原動力になっている。

4)結果を期待できる堅実な外国人選手の獲得
昨年のヤクルト最大のミスは、主砲バレンティンの移籍で空いた穴を、守備の名手として知られたエスコバー獲得で埋めようとしたことだ。これは、現有戦力の攻撃力を全体的に底上げして賄おうという意図があったものだが、エスコバーの守備が劣化していて予定していたショートでは起用ができない上、狭い神宮を本拠地にしながら1本も本塁打が打てない予想外の低レベルな打力だったことで、完全に崩壊してしまった。残念ながら、去年の低迷はエスコバーにかなり原因があったと言わざるを得ない(人格的には最高な選手で、その点はまさに「ヤクルトの外国人」ではあったのだが・・・。日本で骨を埋める決意もあったのか、カタカナでタトゥーを入れる意気込みも見せていたのに・・・)。
なので、このオフは完全に「村上の後を打って得点を稼ぐ」打者獲得に照準を絞り、二人の外国人選手との契約を果たしている。
一人はメジャー通算77本塁打、2017年シーズンには30本塁打を放ったドミンゴ・サンタナ(イチロー引退シリーズの際、東京ドームで満塁弾を放った選手と言えば思い出す方も多いだろう)、もう一人はユーティリティプレイヤーとして内外野をこなす上、ミートのうまい打撃を見せるホセ・オスナだった。二人合わせても年俸3億円には届かない低予算ではあったものの、実績から見ればよくその値段でこの二人を買うことができたな、という感じだった。
一方、投手陣ではスニードだ。日本での登録名はサイスニードになったが、この無骨極まりない右のパワー投手は、先発にしろブルペンにしろ、しっかり仕事ができるということでアストロズ時代に名を馳せていた。イカサマ騒動からフロント刷新へ、と大騒ぎになったあのチームの中で敢えて契約延長を嫌った感もあるのだが、こういう投手が日本へやってくるのも時代なんだな、と思わされる逸材だ。
そして、ソフバンから契約を切られたバンデンハークも加入した。2015年の日本シリーズではヤクルト相手に無双を演じたので、覚えている方も多いだろう。オランダ人投手らしい長身から無遠慮に投げ下ろす150キロ超えのストレートが武器の、あのバンテンハークだ。故障と不調でここ2年満足な成績が残せず、ソフバンはそれを理由に再契約を渋ったようなのだが、痛い目に遭っているヤクルトは、バンデンハークが市場に出るならスルーができなかった。育成の必要がない先発候補はロマンの塊を放出してでも獲得したいのがヤクルトなのだもの、当然と言えば当然かwバンデンさん、いらっしゃーい!だw

メジャーは新型コロナウイルス禍もあり、このオフの契約も遅々として進まない状況になっていたのだが、そんな「いつまで待たされるかわからない空気」を嫌って日本へ、という意思が働いた結果のヤクルトとサイン、なのかもしれない。だが、過程はどうであれ、イケイケ補強のヤクルトにとってそれは完全な追い風になっていたわけだ。

5)内川という保険の獲得
ここ最近の傾向として、完全に終わっているベテランが現役に固執する、があるように思う。去年は阪神から切られた鳥谷が開幕直前にロッテへ拾われたケースがあったし、このオフなら中日に戻った福留だ。内川も、まぁおいら的にはそういう類の一人だったわけだが、ヤクルトが積極的に獲得へ動いた点に、今年は何かが違うと感じざるを得なかった。
元々、ヤクルトはOBのチーム復帰には寛大な印象がある。青木は今日もスタメン起用だったし、岩村や石井一久などメジャーから戻った後にはまたヤクルト、は珍しい話ではない。他球団から追い出されたベテランへも門戸を開く傾向は強く、元広島の小早川復活などは「野村再生工場」で有名になったほどだ。
内川に関しては2020年を2軍で過ごし、それに対する不満を理由に出場機会を求めての離脱だった、つまり契約することで後々ソフバンと面倒くさい事態になる可能性のある選手でありながら、それでも即戦力であることに加え、伸び悩む若手の指導にも期待、という2つの理由を掲げての積極的な打診&契約へ動いた。主力としてだけでなく、新外国人選手がハズレだった時の保険としても、ということでチーム力の底上げには十分な選手だと言える。そして、この様子を見ていたファンには「今年のヤクルトはやる気だ!」と感じさせる流れになっていた、と。
正直、内川との契約枠を開ける為の上田や田代、平井、風張といった選手たちへは戦力外通告をしなければならなかったが、ごめんなさい、上田より内川だ、がファンの本音です、マジでさーせんw

●勝つってこういうことなんだな
これほどヤクルトのフロントが動いて迎えた2021年シーズンの開幕に、ファンがわくわくしないわけがなかった。
新型コロナウイルスの蔓延を防ぎたい日本政府の方針で新規の入国者へ規制が敷かれ、球団が新外国人選手と契約をしたと報道がされても、本人が日本へ入国できないというトラブルはあった。だが、それは他球団でも起きていたので条件は一緒だった。
ただ、そんな中で西田のコロナ感染が発覚し青木、内川が濃厚接触認定で隔離という事態が開幕直後に起きてしまった。ああ、これでもう今季のヤクルトも終わりだ、という空気が流れたのは確かだった。
だが、元気な2軍の選手を1軍へ引き上げて「ピンチをチャンスに変えろ」という雰囲気が急速に出来上がった。生え抜きでも結果が出なければ切る、というこのオフの方針が、特に1軍半でくすぶっていた選手たちに火をつけた。トライアウトで拾ってもらったた投手たちは目の色が違い、これもチームの空気を変えていく起爆剤になった。

今季は神宮での対阪神3連戦に全敗してスタートしたが、阪神は外国人選手が早い段階で入国しており、ほぼ戦力が整った形にあったので3タテは当然の結果だった。その後は、大きな連敗に陥ることなく一進一退を繰り返し、遂に4月第3週は5勝1分と負け知らず状態に至っている。4月25日現在で13勝8敗4分でセ・リーグ2位に浮上、首位阪神とは3ゲーム差という好位置にヤクルトはつけている。
今季の特徴として、ブルペンが安定している点が挙げられる。接戦で競り負ける展開が少なく、最後まで試合を諦めない空気を常に漂わせている点が大きい。相変わらず先発陣はQSを果たせない為、6回から継投に入ることもしばしばだが、それでも今野、近藤の加入組に梅野、清水、マクガフ、石山といった従来の戦力がカバーし合う形で0の山を築き、試合を壊さない。その間に打線が相手投手を捕まえて同点、あるいは逆転を果たすなど、まだシーズン序盤でありながら、いくつも印象的な試合展開を見せてくれている。

選手個人で言えば、やはり覚醒著しい主砲村上の存在が大きい。
8本塁打でセ・リーグトップタイであることはもちろん、走塁でも常に次の塁を狙う姿勢を崩さず、ベンチでは人一倍声を出すなどリーダーと呼ぶにふさわしいハッスルぶりでチームを鼓舞している。
更に、Mr.トリプル3山田がようやく体調が戻ったようで、村上同様8本塁打を放って大暴れのシーズン再現を予感させている。この二人が安定して打ち続けたことが、攻撃面でここまでの快進撃を支えてきたと言っていい。
山崎、塩見の生え抜き外野陣は足の速さに磨きをかけ、どちらもチームに不可欠な存在となっている。これも、外国人選手の合流が遅れた不運を幸運に変えた結果だと思われる。また彼らが出塁することで、山田が盗塁せずに済むという副産物も生んでいる。
昨年のドラフトでプロ入りした元山、並木は既に出場して当たり前の選手になっており、元山は今季のうちに西浦からショートのポジションを奪ってしまうかもしれず、並木は噂通りの俊足ぶりも話題になるほどで、東京五輪の開催と共に野球以外でも注目されるかもしれない。

先発ローテは小川、田口、スアレス、高梨の4人に奥川、金久保、石川が状況に応じて組み込まれる形になっている。これはGWの連戦までで(9連戦の予定だったが、緊急事態宣言が発令された結果「歯抜け日程」に変更となったようだ)、以降は調整を終えたサイスニードかバンデンハークがローテに入る「最終形態」へ進化ことが予想されている。こうした、まだ戦力がMAXではないことも今季のヤクルトが楽しみな理由なのだ。

2年目となっている高津監督の采配で、特に注目しているのがブルペンの起用法だ。NPB史上に残る名クローザーだったこともあり、特に中継ぎ投手への思いは強く感じさせているのだが、させても3連投までで次の日は必ず休ませる、の鉄則をここまで守り続けている。それはセットアッパーのマクガフやクローザーの石山にも適用し、やりくりをしながら「休ませても勝つ」を実戦している。これも、過去に投手陣を疲弊させてチームが大失速した経験を生かした対策法だと言っていい。だから今年のヤクルトは一味違うとも言えるように思う。

無論、9月までこの調子が続くわけがない。間違いなく故障者は出るし、不調や不振も避けられないはずだ。だが、多くの選手を起用したことでチーム全体の経験値が上昇している点が例年と違う。誰かがケガをすれば、その穴を埋めるべく別の選手が支えにやってくる、そんな選手層の厚さをまざまざと見せつけるのが2021年のヤクルト・スワローズとなるかもしれない。期待して損はない、とだけここでは申し上げておきたい。

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