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2-21 何が起きているの? 七転八倒の苦しみ方

お兄ちゃん(2歳9カ月)ポンポ イタ~イ!

お兄ちゃんが七転八倒の苦しみ方をするのですが その傷みがどんな物かなんてこの年齢では説明不能。
かかりつけ医でも原因がわからず 大学病院の救急のレントゲン検査でもわからず 点滴を打っただけで帰されてしまったのです。

 激しい腹痛はおさまらず翌朝一番にその大学病院の小児科に駆け込みました。
『えっ? このレントゲン写真を昨日救急でも見ているんだよね。
どうしてこの異変に気づかなかったんだろう?』

この大学病院には小児外科がなかった為 小児科外科の先生達の合同カンファレンスが始まりました。
そして先生達の結論はこういう物でした。

『多分虫垂炎だと思いますが4歳未満だとはっきりしたその症状が出ないんです。いずれにしてもお腹の中を かなりこじらせてしまっていることは確かです。だからすぐにお腹を切り開きます。盲腸ならば取り除きますし そうでなければその別の原因を取り除きます。』

ストレッチャーで運ばれるお兄ちゃんにお母さんが声をかけました。
『マークン ガンバルんだよ!』
『マークン ガンバルよ マークン ガンバル!』

手術室のドアが閉まると同時に中から大泣きする声が聞こえてきました。
『イタ~イ イタ~イ!』
『注射 まだ刺してないよ!』



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