K-04　獲物を仕留める早業は0.05秒！

カマキリ君の自慢話

『脱皮したらお祝いしてあげなくちゃね。』
『おじさん　どうやってお祝いなんかするの？』
『脱皮した抜け殻を見つけた子どもと一緒に　おめでとうって言ってあげること、そして見つけてくれたお礼にしばらく昆虫みたいに自由に空を飛んでもらうことだよ。
　昆虫みたいに空を飛べたらどんなにステキだろうって思ってね　これまでに色々と研究して実験もしてきたんだ。どんなに試しても残念ながら自分ではどうしても空を飛ぶことができなかったね。ところがだ　なぜだかわからないが　人間の子どもだけは　飛ばすことができるようになったんだよ。』
『えっ　人間の子どもを飛ばす・・・ってどういう事？』
トカゲおじさんは抜け殻を受け取るとにっこり笑ってマークンとナーチャンに言いました。
『言葉通りの意味だよ。それで君達はどんな昆虫になってみたいんだね。』
『えっ　そんな事考えてみたこともないよ。』と　しどろもどろになるマークンでした。
『そうかそうか　それじゃカマキリ君　ちょっと説明をしてあげてくれないかな。おじさんは店の奥にいるお客さんにいろいろ準備をしてあげなくちゃならないからね。』
そう言ってトカゲおじさんは試着コーナーと書かれた部屋に入って行きました。
『君達もカマキリになりなよ。昆虫の中で何が格好いいかと言ったらカマキリに決まってるでしょ。三角の顔　キリっとしまった体つき　複眼は360度見渡せるし　獲物を仕留める早業は0.05秒だよ。スゴイでしょ。』